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女伯爵の憂鬱  作者: 橘 月呼
第三章~彼の秘密、彼女の想い
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11

 エピストゥラに連れられて研究院に戻った後のことを、アルレイシアはあまり良く覚えていなかった。

 連れ立って戻ってきた二人を迎え入れた、相変らず笑顔の可愛らしい受付嬢であるリーンにエピストゥラが何かを言ったのか。酷く心配されて、そのまま部屋に帰された。甲斐甲斐しく世話を焼かれてベッドに押し込められたことまでは覚えていたが、その間に交わした会話などは全く記憶に残っていなかった。

 泣き疲れたこともあったのだろう。どうやらそのまま眠ってしまったようだった。

 起き出してからどれほどの時間が過ぎたのか、ぼんやりとしたまま、ベッドの上で陽が強くなり始めている空を眺めている。

 そろそろ身支度を始めなければ、アストラスが迎えに来る時間に間に合わない。回らない頭でそんなことを考えるけれど、到底動き出す気にはなれずに、ぐずぐずとベッドの上に留まっていた。

 心も体も、酷く疲れていた。最早何もかもを投げ出して、このままここに閉じ籠ってしまいたい。明るい太陽の光が眩しくて、泣き過ぎて腫れぼったい目元を隠すように手で覆うと、そんな風に逃避することを考えていた。

 目元を覆っていた手を外し、洗いっぱなしで碌に手入れもしていない頬をぼんやりとしたまま手の甲で擦った。それは無意識の仕種だったが、そうしたことで唐突に昨日のことを思い出してしまい、ぞくりと背筋を震わせる。

 腕といい、頬といい、体中に昨日感じたフェリクスの感触が残っているような気がした。それは浴室で体を洗ったところで消えることはなく。アルレイシアは無意識に自らの肩を両手で抱きしめた。

 トントン。

 ベッドの上で蹲るアルレイシアの耳に突然聞こえてきた扉を叩く音に、抱きしめたままの肩がびくりと震えた。少し間を置いてもう一度。音に誘われるようにのろのろと顔を上げたが、ベッドを出て扉を開けに行く気力はなかった。

 そうして扉を眺めていると、痺れを切らしたように断りもなく扉が開いた。

「シア姉さま、まだ寝ている……っと。あら? 起きているじゃない。なら、きちんと返事をしてくださいな」

 きちんと鍵がかかっていたはずの扉を苦もなく開けて入ってきたのは、アルレイシアの末の妹だった。

「ティー……ア」

「おはようございます、姉さま。さあ、起きているならさっさとベッドから出て。早く準備をしなければ、迎えが来てしまうわ」

 美しい赤毛を揺らしてつかつかと勢い良く歩み寄ってくる妹の姿を、目を瞬いて見詰める。そんなアルレイシアの傍らに歩いてくると、フェレンティーアはその白く美しい繊手を伸ばしてアルレイシアの頬を挟み込んだ。そして至近距離に顔を近づけて、じっくりと観察するように姉の顔をのぞき込む。

「思ったより顔色は悪くないわね。目は少し腫れているけれど、これぐらいなら少し冷やせば何とかなるでしょ。さ、姉さま。私がお手伝いするから、早く準備しましょう」

 満足げに頷くと、その細い体からは想像もつかないような力でアルレイシアの体をベッドから引っ張り出した。

「ティーア、私、」

「話は後よ、姉さま。ほら、まずは顔を洗って、すっきりして! その間に私が着替えを用意しておくから、ね」

 フェレンティーアが手早く用意をした適温に冷まされた湯の張られた洗面器の前に追いやられて、アルレイシアは仕方なく言われた通りに顔を洗った。そうすると、確かに鬱々としていた気分が少しすっきりした気がする。そんなことを考えながら、水気を拭う柔らかな布でアルレイシアは再び無意識に左頬を擦っていた。

「シア姉さま。左の頬、どうかしたの?」

 勝手知ったるとばかりにぱたぱたと動き回っていたフェレンティーアに怪訝な表情で指摘されて、アルレイシアは自分が無意識でしていたことに気づく。慌てて手を止めて、何でもないと首を振るが、聡い妹の目をそんなことで誤魔化せるはずもなかった。それでも、到底説明できるはずはなかった。アルレイシア自身、昨日自分の身に起こったことをはっきりと理解できてはいないのだ。

 フェレンティーアは首を振る姉の様子をじっとその鮮やかな翡翠のような瞳で見詰めていたが、口を開かない彼女に根負けしたようにため息を一つ落として肩を竦めて見せた。

「まあ、いいわ。今は時間もないし。でも、何かあったのなら一人で思い詰めないで相談してね?」

 どちらが姉なのか分からないような妹の言葉に、アルレイシアは思わず苦笑していた。その笑みにつられるようにフェレンティーアも笑顔を浮かべる。その笑顔を見て、アルレイシアはどん底にまで沈みきっていた気持ちが僅かに上向いたのを感じていた。

(私、笑えてる……)

 まだ頬は引き攣っていて、とても不恰好な笑顔かもしれないけれど。それでも、以前のフェレンティーアの言葉通りに泣き寝入ったとはいえぐっすりと眠り、顔を洗って気分を変えてみれば、目の前にかかっていた靄が晴れていくようだった。

 そうして少し前向きになった心だからこそ、シャンと背筋を伸ばして立たなければと思える。フェレンティーアが用意した外出着を受け取って、それに着替えることにももう躊躇いはなかった。

 今度こそ、間違わずにきちんと向き合わなければならない。ユースティティアの想いにも、アストラスにも、そして何より自分自身の心にも。

(もう逃げないって、あれほど心に決めたじゃないの)

 それなのにまた、尻尾を巻いて逃げ出してしまうところだった。優しい人たちはアルレイシアにそれを許してくれるけれど、いつまでもそのままではいけないとあれほど思ったのだから。

 そんなことを考えながら、手の中に渡された着替えを広げ見て、アルレイシアは一瞬にして固まった。

「さっさと着替えてね、姉さま。軽い朝食をミーナさんに用意してもらったから、着替えたらそれを召し上がって。髪と化粧は私がやってあげるから」

「ティーア……」

 アルレイシアの戸惑いなど見ていて分かるだろうに、それに全く頓着することなくフェレンティーアはにっこりとわざとらしいほどの笑顔を向けてくる。

「大丈夫! 私の見立ては確かだから! 大体、デート、しかも相手のご実家に訪問するって言うのに、いつもみたいに地味な格好で行く方が失礼よ。舞踏会の日みたいにアストラス殿を骨抜きにして差し上げましょう」

 実に楽しげにそんなことを朗らかな声で宣言したフェレンティーアに、アルレイシアは途方に暮れたまま再度手の中のドレスに視線を戻した。

 アルレイシアの衣装の中にはフェレンティーアや父、それにラウダトゥールなどが見立てたものが何点か存在していたが、アルレイシアがそれに袖を通すことは滅多になかった。如何せん、それらは彼女が普段好んで着ているドレスの傾向と、色や形が大きく異なっているためだ。流石に作ってもらったものを突き返したりはしないが、それでもよっぽどのことがない限り着ることもない。今アルレイシアの腕の中にあるフェレンティーアが見立てたドレスは、そんな中の一着だった。

 柔らかく光沢の少ない生地は優しいカナリアイエロー。いつもアルレイシアが着ているような襟が詰まった形ではなく、襟口には共布とレースで丸く可愛らしい縁取りが付けられている。すっきりと伸びた袖の袖口と足首までの長さの下衣の裾も同様にレースで飾られており、ドレスを着た際に陰影を美しく見せるために、所々に艶のある美しい深緑の糸で刺繍が施されていた。

 決して華美ではなく、貴族の娘としてはごく当たり前の外出着だ。だが自身の容姿が不器量だという自覚のあるアルレイシアにとっては、女性らしい淡く優しい色づかいの可愛らしいレースで飾られたドレスなど、到底着る気にはなれない代物だった。

 普段は過ぎるほどに姉の気持ちを汲んでくれる末妹は、だが今日は譲ることなく躊躇い続けるアルレイシアの背を押した。

「さあ、早く着替えて! それとも、着替えるのに手伝いがいる?」

 笑顔で否を聞かないことを訴えるフェレンティーアの言葉に、アルレイシアはため息を一つ落として言われた通りに着替えるべく寝間着に手をかけた。

 着替えを終えたアルレイシアの様子を少し離れた位置で眺めていたフェレンティーアは満足げに頷いて、近くにある椅子にアルレイシアを促した。最早逆らっても無駄なことを思い知らされたアルレイシアは、着慣れない布の感触に少しむずがゆさを覚えながらも大人しく椅子に腰掛ける。それを待ち構えていたように手早く朝食が供され、フェレンティーアの侍女顔負けの仕事の早さにアルレイシアは思わず苦笑した。

「ありがとう」

「いいえ、大したことではないわ、姉さま。さ、召し上がって」

 礼を述べたアルレイシアににこりと先ほどとは違う笑顔を向けて、フェレンティーアは再び勝手知ったる室内でぱたぱたと外出の準備を始めた。食事をしながらそんな妹の様子を見て、アルレイシアはしみじみと妹が成長したことを感じていた。

 アルレイシアが伯爵の地位を与えられ、学者として働き始めてから五年余り。それからは王立研究院に居を構えてしまったため、滅多にファーブラー家の邸には帰ることがなくなったのだった。

 他の家族よりは頻繁に顔を合わせていたとはいえ、フェレンティーアと過ごす時間もそれ以前に比べて格段に減り。アルレイシアの中ではまだフェレンティーアは八つの頃の、少し我が儘で気が強いながらも、良く笑い誰からも愛される愛らしい子どものままだったのだ。だが、そうではないことをここ数日ではっきりと思い知らされていた。

 顔を合わせることも少ない姉を昔と変わらず慕ってくれているが、甘えてくることはない。むしろ姉であるアルレイシアの方こそが、甘えてしまっているような気がするのは、決して気のせいではないだろう。

 三人姉妹の中で唯一『神の真理をしるもの』としての宿命を負って生まれた末妹を、アルレイシアはずっと気遣ってきたつもりだったけれど。彼女の心配などはよそに、フェレンティーアは自らの力で立派に成長していたのだ。

 アルレイシアの研究している神学は『神の真理をしるもの』にとても縁深い学問であったし、研究の一環として彼らについて調べたりもしている。だが、如何せん彼らはあまり自分たちのことについて話すことを好まないため、今もって『神の真理をしるもの』について分かっていることは多くはなかった。個人差はあるが魔力を持ち、普通の人々より遥かに頭が良く、情緒的な発達も早い。肉体的にも強靭で、病気などにもかかりにくいという。アルレイシアが知ることが出来たことなど、その程度のものだ。

 フェレンティーアはまだ今年で十三歳。まだまだ幼さが残っていてもおかしくはない年齢であるのに、あっという間に随分と大人びてしまった。昔から賢い少女ではあったが、その成長ぶりは目を瞠るものがある。それは恐らく彼女が『神の真理をしるもの』であるがゆえのものなのだろう。

 感嘆と同時に寂しさをも感じてしまい、アルレイシアは気を紛らわせるために温かい香草茶に口をつけた。自分より遥かに幼い妹に随分と置いていかれてしまったような気がしてしまう。それはフェレンティーアだけではない、ユースティティアにしてもそうだった。

 アルレイシアだけがいつまでも自分の殻に閉じ籠もったまま。妹たちは外の世界でその美しい羽を広げて、飛び立って行ってしまう。置いていかれるのが嫌だからと言って、繋いでおくことが出来るはずがない。アルレイシア自身が勇気を持って殻の外に出なければならないのだ。

 じっと自分の膝元に視線を落とした。

 柔らかい春の陽射しを思わせる黄色。それは今までのアルレイシアの世界にはなかった『外』の色だ。そう考えたアルレイシアの脳裏に、ふと一人の青年の姿が過ぎった。

 黒い髪、翡翠の瞳。すっきりと整った男らしい端整な顔立ちに柔らかな笑みを浮かべた人。初めて逢った時の印象がそうさせるのか、彼を思い出す時に浮かぶのはいつも夜の情景だった。彼の髪色と同じ射干玉の闇に浮かぶ、美しい真円の銀月。彼は、その下で手を差し伸べている。

 静かに目を瞑ってその情景を瞼裏に思い描く。知らず知らずのうちにアルレイシアの唇は笑みを象っていた。

(そうだわ、行かなければ。もう逃げないと、決めたのだから)

 手を差し伸べてくれる人がいるならば、きっと外の世界へ踏み出すことも恐ろしくはないはずだ。傷つけられ続けた心を癒すための時間はたっぷりとあった。守るための殻は、もう必要ないのだ。必要なのは、殻を破るためのきっかけ一つ。

 ゆっくりと目を開いたアルレイシアの中に、目覚めたときの迷いは一片も残っていなかった。その青紫の瞳に、久しぶりに決然とした意志を宿して、窓の外を見やる。あれほど眩しく感じた朝の清潔な光に彩られた世界は、今は優しく輝いているようにしか見えなかった。

 くい、と軽く髪を引かれてそちらを見やれば、その愛らしい顔ににっこりと笑顔を浮かべたフェレンティーアが櫛を片手に立っていた。今は亡き母に良く似た妹の翡翠のような瞳は、まるでアルレイシアの決意を見透かしたように実に楽しげな光を湛えている。

「髪を結ってあげるわ、姉さま。大丈夫、そのドレスもとっても良くお似合いよ」

「……ええ、ありがとう」

 慣れた丁寧な手つきで髪を結われ、普段はしない化粧を薄っすらと施される。鏡に映るアルレイシアの、その冴えない人参色の髪も青紫の瞳も変わってはいない。それでも、明らかに以前の彼女とは異なっていた。それは恐らく、ドレスや化粧のためだけではないのだろう。

(今、貴方に逢えば……答えが、見つかる気がする)

 そっと胸元で自身の手を握り締めた。迷い続けていたのは、自分自身の心から目を逸らし続けていたからだと気づいた。迷いが晴れるとともに、霧が晴れるように視界が開けているような気がしている。今ならば、きっとどんなことでも目を逸らすことなく見ることが出来る。

 背筋を伸ばしすらりとした肢体を美しいドレスに包み立つ姿は、どこから見ても公爵家の姫君として恥じない姿だった。自身の力作である姉の姿にフェレンティーアは実に満足げな笑みを浮かべる。

「うふふ、とっても綺麗よ、シア姉さま――――眼鏡は必要?」

 差し出されたそれを暫しの間じっと見下ろしてから、アルレイシアはゆっくりと首を振った。

「いいえ、要らないわ」

 自信のない自らの姿を隠すため。そして外の世界と隔てるために必要としたもの。だが、今のアルレイシアにはもう必要のないものだ。

 アルレイシアの答えにフェレンティーアは嬉しげに頷いた。そして姫君に傅く侍女のように先回りして部屋の扉を開ける。そんな妹に苦笑が浮かぶが、大人しく礼を言うと一度だけゆっくりと深呼吸した。そうして覚悟を決めると足を踏み出す。

 柔らかな黄色のドレスの裾が揺れて、甘い花の香りが漂う。少しずつ、けれど確実に。固く閉じていた蕾がやっと訪れた春に綻ぶように、目に見えなくとも変わっていた。ただそんな自身の変化から目を背けていただけだ。水が高いところから低いところへ流れるように、留めることは出来ないものだったのに、留めようと足掻いていた。だから歪が生まれてしまった。

(ティティ、アスト……それに、)

 フェリクスが何を望んでいるかなど、アルレイシアには分からない。初めて会った幼い頃はそうではなかったはずなのに、何時からか彼は周囲の人間と同じように、いやそれ以上にアルレイシアに対して辛く当たるようになってしまった。だが、アルレイシアはそんな態度を取るフェリクスの胸の裡を、一度でも慮ったことはなかったのだ。

 けれど今は、知りたいと思った。知らなければならないと。

(傷つけたのは、私だわ)

 昨日の出来事にはもちろんアルレイシア自身傷つけられていたが、それでもそれは薄い膜を通したような世界での出来事だった。今朝までのアルレイシアはそうして自分自身を固い殻で覆って、ただ傷ついたことを嘆いていただけだったのだから。だから正直、昨日フェリクスと交わした言葉や彼の表情などをはっきりとは覚えていなかった。

 それでも一つだけ印象に残っているのは、はっきりと痛みを浮かべたその瞳。

 そんな瞳を、アルレイシアは以前も見たことがあった。それを思い返して、そして気づいたのだ。昨日のフェリクスの瞳と同じ瞳、それは以前王宮の外苑でアストラスに自分を見ないで欲しいと告げた時の彼の瞳と同じだと。アルレイシアの言葉がアストラスを傷つけてしまったあの時の瞳と重なる瞳。それは即ち、昨日フェリクスを彼女が傷つけてしまったということに他ならない。

 いつもいつもアルレイシアを見かけるたびに嫌味を言ってくる幼馴染。アルレイシアにとっては到底好きになれる相手ではない。好かれたいと思ったこともなかったし、自分のことが嫌いならばそれでいいから構わないで欲しいと言うのが本音だった。だからと言って、傷つけたいと思ったことはなかったのだ。

(今度、会ったら。きちんと話をしなければ)

 正直、自分から会いに行くのは気が引ける相手ではあるけれど。それでも、自分の外の世界ときちんと向き合おうと決めたのだ。逃げる訳にはいかなかった。

 考え事をしながら歩いていた間に、研究院の長い回廊も終わっていた。視界が開け、受付のある広い玄関が見える。そこに立つ背の高い姿を認めて、アルレイシアの顔には自然と笑みが浮かんでいた。

「アルレイシア姫」

 振り返った黒髪の青年が、一瞬驚きに目を瞠り。次の瞬間には、柔らかな微笑を湛える。

「お待たせしました、アスト」

「いいえ、お気になさらず。それほど待っておりません」

 眩しいものを見つめるように僅かに眇められた翡翠の瞳に浮かぶ光は甘く優しく。真っ直ぐにその瞳を見つめ返して、アルレイシアはとくんと鼓動が跳ねるのを感じた。

「それでは、参りましょうか」

 一寸の躊躇いもなく差し伸べられた手。いつもは伸ばすことを躊躇う手を、今は何の迷いもなく重ねられた。白い手袋に覆われた手はそれでも確かな温もりを伝えてきた。

 その手に誘われるように、一歩を踏み出す。

 そんなアルレイシアの耳の奥。どこかで固い何かが割れるような、高く澄んだ音が聞こえた気がした。

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