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The end of the order  作者: Rasinban
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第二話 極東国際軍事裁判

 あれは私が新聞記者を志したのとほぼ同時期であった。

 

 極東国際軍事裁判、戦争犯罪人を裁くというと聞こえはいいが、実際はただの連合国による見世物裁判であった。連合国の証言ばかり重視され、日本側の証言はほとんど通らなかった。裁判官、検察官は戦勝国の人物のみであった。刑罰法規不遡及の原則に堂々と反していたりと、とにかくこの裁判は裁判ではなかった(気になる人はぜひ調べて見て欲しい)。ありえないことばかりがさも普通かのようにまかり通った。自由と正義を自称する国家の成れの果ての姿がこんな醜いものだったのだ。しかし、声をあげることができなかったのが当時の日本の姿であったのだ。


 私は、別にアメリカが嫌いなのではない。大日本帝国を指示するつもりは微塵もない。ただ、日本という国において、そのアメリカという国が力を持ってしまっている現状がただただ辛いのであった。


 私のそんな気持ちをよそに、国民は何も知らずに、終戦からものの一、二年で一気に親米に傾き、「全て日本が悪かった」と思い込み、愛国心と道徳心はあっという間に敗戦の瓦礫の山と共にどこかへ行ってしまった。それがまた私にはとてつもなく虚しいのであった。町でトラックに乗る米兵に人だかりができたと思ったら、配ったチョコレートを奪い合うのを見る度に、やはり心は何とも形容し難い虚しさでいっぱいになるのであった。


 現代の日本は、とても豊かだ。終戦時には想像もできないほどの高層ビルが大都市には立ち並び、人々はとても便利な生活を享受している。しかし、日本人は何か大事なものを取り戻していないような気がしてならない。そのことを意識すらしていない生活はいつまで続くのだろうか・・・

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