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夕焼けのまんなかで、今日も君と。

『急いでるから』そう言い訳して私は足を速める。

 君は理由も求めず私を見送る。

 ただ、いつものように、大きな笑顔で。


 明るくて暖かい、その気配。

 逃げるように私は背を向ける。


 ときに暑苦しく、ときに慕わしい、君。

 今日は、後者、私の頬は言うけれど

 私は


 私は逃げた。



 だって違うのだもの。

 今の私は笑えない。

 いつかのようにのんびりと君と

 暮れゆくときを楽しめない。


 胸の内はうっそうとして

 その奥に『わたし』はいて

 いまは、手を引かれたくない

 笑うのは、元気を出すのは、明日かそれ以降にしたい。



 目を伏せて

 クールなふりして

 逃げる私の

 背中にぽん と

 暖かさがふれた。


 ふり返るとそこには

 いつもの君が。


 まっかな夕焼けのまんなかで、

 さりげなく、またねと手をふる、

 笑顔の君が、いてくれた。


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― 新着の感想 ―
[一言] 「またね」と言って また会えたら嬉しいですね。 最後の3行にほっこりしました。
2024/05/12 08:29 退会済み
管理
[良い点] 相手が不安定な気持ちになっているときも、いつもと変わらない態度でいてくれる「君」が素敵だなと思いました。夕焼け空の下というシチュエーションもいいですね。
[良い点] 活動報告を拝見して、こちらの作品、逃していたことに気づきました。 何か複雑で沈んだ気分の私に対して、暖かさを与えてくれる、いつもの君、素敵ですね。 夕焼けの下での心の温まる一コマ、とてもよ…
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