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ミリ

短いです。


お許し下さい。

  

「それでー?もう死にたくなくなったですかー?」


 ミリが優しげに問うてくる。


「はい。その節は、大変申し訳ありませんでした。」


 素直に謝る。


 命の恩人に、ミリに『なぜ助けた?』なんて言ってしまった。きっと、彼女は深く傷ついているだろう。


「大丈夫ですー。よくいるですー。」


 ・・・よくいるのか。最低だな、そいつら。

 いや、人のことは言えないが。


「ミリ。大丈夫だよー。この人は違う。私が保証する。」


「分かってるですー。王様の言うことですしー。」


「んー。じゃあ、あれしようか。」


「あ、あれ・・・ですかー?」




「【連理の手(ユグ・ミスト)】」




 いつもの如く、アドラの翼から『手』が伸びていく。

 黄色い、変な感じがする、いつもより気持ち小さい『手』。それがミリの頭を力強く掴んだ。


 ・・・分かるだろうか。

 銀髪美女の背中から生えた黄色い手が、黒髪幼女の頭にくっついているのである。

 シュールでしかない。


 でも、意味はあるのだろう。

 アドラがすることなのだから。


「アドラ。何をしているの?」


「んー?私が見たものを、ミリにも見せてるんだよ。」


 ・・・絵面酷いのに、かなりすごいことしてた。


「・・・そうですか。」


 何でもありだな、アドラ。流石、【邪神】。


 


 そんなこんなで数十分後。

 黄色い手がミリの頭から離れた。

 ミリの頭は下を向いていて、顔を見ることが出来ない。




 顔が上がった、と思ったら・・・ミリは、泣いていた。


「・・・王様。滅ぼしましょう。人類を。」


 OK。この子がヤヴァイ子なのは分かった。


「うん。私達が攻めるなら、ミリを守る必要もそこまでないしね。」


 アドラもか・・・。ていうか、争い嫌いだったよね?


「だって、だってこんなの!ミルドさんが余りにも不憫です!」


「そもそもだね、君は彼らが憎くないのかなー?」






「・・・憎いさ。」


 あぁ、憎い。そりゃ憎いさ。兄にレーナ。村人、大工。行商人。いくらでも、憎悪の対象はいる。



 でも。



「もう、彼らを考えたくない。忘れたい。彼らに割く感情も惜しい。このままがいい。不干渉で、互いに忘れ去り、過去に縛られない。そういう風にしていきたい。」




 それに、何より。




「もう・・・ミリにもアドラにも傷ついてほしくない。」


 って、これじゃあ、彼女たちが僕のモノみたいだ。どちらかというと、僕が彼女達のモノなのに。


 ふと二人を見ると、俯いている。

 どうしたのだろう。


「~~~ッ!だから、君は!」


「あーーー。王様のせいで、私まで・・・。」


 なぜか涙目で睨まれているが、意味がわからない。




「んんっ。あー。今から二つ訂正するよー。」


 ・・・訂正?


「一つ。不干渉は無理。私、【邪神】の生存確認に、暫くしたら彼らはまたくるだろうから。逃げることも出来ないだろうね。」


 ・・・そうなのか。


「二つ。もう私は、【英雄】や、その仲間から傷つけられるようなヘマは、二度としないよ。」


 ・・・え?

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