表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔法×科学の反逆者  作者: 伊達 虎浩
20/38

第1章 コウモリ

 

 レイの過去を聞いたレオンとジャンヌ。


 レイの意見が正しいのかどうかなど、2人には分からない。人の考え方はそれぞれだからである。

 少しの時間が過ぎた頃、レオンが口を開いた。


「…レイ。右肩を見せてくれないか」


「構いませんが…何故ですか?」


 何故かと聞かれたレオンであったが、それには答えなかった。


「いいから見せてみろ」


 強引な言い分であったが、レイは特に気にしなかった。右肩ぐらいなら見られた所で別に、嫌悪感など湧く事はない。それに、相手はレオンだったからであった。


「すいませんが、背中のファスナーを下ろしてもらえませんか?」


 レイは背中を向け、ファスナーに髪が引っかからないようにしながら、レオンに声をかけた。

 レイナから、この手の依頼を受ける事が多いレオンは、特に気にせずファスナーを下ろしにかかる。


 黒いメイド服から露わになる肌。

 レイの事を、ロボットだと知らない人からすると、人間と見間違えてもおかしくはないだろうな…と、そんな事を考えながらレオンはファスナーを半分だけおろし、右肩が見えるようにと服をめくった。


 服をめくると、お目当ての刺青が目に入る。


「ジャンヌ!見てくれ」


 レオンはこの刺青が、本当にコウモリという組織の刺青なのかどうかの判断が出来ない。

 レイに確認しようにも、鏡も携帯も持っていない。ならば知っているであろう人物、ジャンヌに確認をしてもらうしかない。


 ジャンヌもそれを理解しているのか、特に文句を言う事もなく、レイの背後に回りこみ、レオンの手元を除き込んだ。


「どれどれ…」


 刺青を見るだけであり、確認が出来るのは自分だけであった事から、ジャンヌは少し愉悦感に浸っている。

 鼻歌とまではいかないが、その表情は明るい。


 しかし、刺青を見たジャンヌの表情は、一変する。


「…し、ま…離れろ!レオン!」


「…な、何だ」


 明るい表情は険しいものとなり、ジャンヌはレオンに飛びついた。いきなりの事で驚くレオン。


「クソ!私とした事が…すまないレオン」


 耳元で囁かれる謝罪の言葉と同時にレイの右肩に、ある文字が浮かびあがる。


 コウモリ羽の刺青は確かにあった。

 なければジャンヌに確認など頼まない。

 そのコウモリの羽の中央に"解"という文字が浮かびあがった時、レイの右肩が爆発する。


 押し寄せてくる熱波、けたたましい音。

 ジャンヌはレオンを守るべく、レオンの顔や両手を自分の胸元に押し付ける。


 ジャンヌを待っていたのは、激痛であった。


「…オイ!ジャンヌ!レイ!」


 慌ててジャンヌの体をどかすレオン。

 床に倒れているジャンヌとレイ。

 ジャンヌの背中には、爆発によって飛び散った破片が刺さっている。


 一方レイは重傷であった。


 爆発により、右腕がなくなっていたのだ。


「クソ、何がどうなっている」


 ジャンヌの体を持ち上げ(お姫様抱っこ)レイの元へと走るレオン。


「…レ…オン。す…いません」


「何故、謝る!」


 お前らは俺に対して、謝罪の言葉ばかりぶつけてくる。


 何に対して謝っているのかが分からなければ、謝られても全く意味はない。


 それでは…許せないではないか。


 ジャンヌを床にそっと置き、レイが無事かを確認しようとしたその時であった。


「フフフ、ハハハハハ!ようやく、ようやく出られたか」


 両手を天に掲げ、全身を真っ黒なローブで身を包む男は、高らかに笑う。その姿に固まるレオン。

 レオンに気づいた男は、こう呟いた。


「よう、魔法師。俺と世界を握らないか?」


 西暦2999年12月某日。

 男とレオンの初めての会話であった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ