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ストーキングスナイパー

 神様メッセージ…。

 いや、もう神様ヒントだなコレ。

 ここまで直接的なヒントをくれるとは、何ともありがたい話だ。

 

 俺を襲ってきた何者かは、PSI持ちだったらしい。

 そして神様は、最初にPSIをくれた時に『きっかけがあれば他のPSIも使えるようになる』可能性があると言っていた。


 PSIで攻撃を受けたのが『きっかけ』ならば。

 神様が示した『PSI持ちをPSIを活用して倒す』という条件を満たせば…。


 問題は幾つもある。

 俺のPSIクレヤボヤンスは戦闘向きの能力ではない。

 クレヤボヤンスを活用して敵を倒す。

 …はっきり言ってイメージが浮かばない。


 相手の正体が未だ不明なのも大問題だ。

 敵が使うPSIの正体も、それ以外にどんな攻撃方法を持っているのかも不明。

 …そして、俺は今日の攻撃を受けてダメージが残っている。


 …無理ゲーっぽくね?

 

 …やめだやめだ。

 そもそも俺の基本方針は『逃げるが勝ち』だ。

 強敵相手にわざわざ戦いを挑むなんて、俺らしくないじゃないか。

 

 そうと決まれば今日はさっさと寝てしまって、明日は谷を迂回してヤスデじいちゃんに教えてもらった村を目指そう。

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 …結局、昨日はほとんど眠れなかった…。

 

 谷は迂回すると決めたはずなのに、気付くと『どうやったら倒せるか』を考えてしまっている。

 手持ちの武器とPSIで、どうしたら奴を。


 …正直に言うと、新しいPSIという成功報酬が猛烈に俺の心を揺さぶっている。

 この世界でPSIはチート能力以外の何でもない。

 

 超欲しい。


 気付けば俺は再び、谷へとカブを走らせていた。

 幸いな事に、生命力は8まで回復していた。胸には青あざが残ってしまったが。

 

 谷から1kmちょいの所でカブを停める。

 昨日は不用意に崖下を覗き込んでしまったが、もう同じ間違いはしない。

 千里眼を使い、くまなく探索を行った。


 …生物らしきものは見えない。

 どういうことだ?もう何処かに移動してしまったのか?


 …そうだ、まだ試していない使い方があったじゃないか。

 っていうか、最初からこっちの使い方をするべきだったな…。


 俺は『PSI能力保有者』とイメージしながら、千里眼を使った。


 …見えた!

 …が、それは昨日崖から落ちたドブスターの死体だった。


 なんだこりゃ?コイツがPSIを使ったのか?

 …いやいや、死んでるよどう見ても。

 ハエもたかってるし。


 もしかして、地面の下にいるとか?

 もしくは何かしらのPSIで姿を消せるのか?

 そうだとしたら…流石に勝ち目は薄そうだなぁ。


 その時だった。


 ドブスの死体が…動いた?

 いや、現在進行形で動いている。

 まるで何かに吊り上げられるかのように立ち上が…らない!?そのまま浮いた!!


 これって…昨日から考えてたけど、敵のPSIはサイコキネシスで確定っぽいな。

 昨日の俺は、念動力で飛ばした石か何かをぶつけられたんだ。

 

 それにしても、だ。

 今ドブスは、地面から3mは浮いている。

 千里眼の映像は、ドブスが中心に映ったままだ。


 …敵はドコだ?

 まさか本当に透明にでもなれるのか…?

 …ドブスは死んでいるし、生きた生物は…。


 そこでやっと気がついた。

 生物なら、最初からちゃんと見えていたじゃないか。

 

 …ドブスターにたかっている、ハエだ。


 前世のそれと比べると少々大きいが、それでも2〜3倍程度、2cm位か。

 これは、良かったのか悪かったのか…。

 硬いとか、大きいだとかよりは勝ち目がある。

 上手く攻撃があたれば一撃かもしれない。

 

 問題はあたるかどうかだ。

 的は小さい。

 そこそこの近距離からなら自信はあるが、はたして近寄れるのか?


 …相手はサイコキネシスのPSI所有者だ。

 こっちが近づく前に返り討ちにされるのは目に見えている。

 

 敵の正体は分かった。

 今の俺には、正攻法では手に負えそうも無いことも。


 そう…。

 少し研究が必要だった。

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