夢のような出来事。その3
六時間の授業を適当にこなして場は部室。
「なぁ永海?」
「…………。」
「……永海? 気分でも悪いのか?」
「ぜ、全然大丈夫だしバリバリ元気よ!」
永海の顔が紅い。 これは気のせいではないはずだ。
「優。 ちょっと来て。」
咲に呼ばれ、俺は廊下に出る。
ちなみに、雷、夢、虎之介、桃は俺たちのやりとりを暇そうに眺めている。
「あれは……確実に恋の病よっ!!」
フーフーと息を荒くし、興奮気味で咲は言った。
「……てか、誰に対しての病なの?」
「……鈍っ。 そんなのねぇ……」
「あんたしかいないでしょうが!!」
「俺……?」
「そうよ! 私とか雷とは普通にクールに話してるでしょ?」
「そうだな。 ブリザードの目は相変わらずだが。」
「本当にねぇ……じゃなくて!」
「要するに、それってさ…………」
「九条 永海って女の子は、波本 優が好きなのよ!」
「…………っ。」
……うおぉぉぉぉ!! 意識しちまうよ!!
何か、いつもの席は永海の隣だし!!
チラチラ見ちまうし、何か可愛いし……。
「優? 何さっきからそわそわしてんだ?」
「いや……俺は至って普通だが?」
「そうか? ま、気のせいか!」
ここで、トントンと肩を叩かれる。
「ん? どうした? 虎之介、桃?」
「……優君。 ちょっといいですか?」
「……嫌な予感がするんだけど……。」
またしても、廊下に連れ出された。
「優君!!」
「朝、靴箱のところで……」
「「玉池先輩と抱き合ってたよね!?」」
「……へ?」
「「何ー? 二人って付き合ってるの?」」
「付き合ってないけど?」
「怪しいねぇ。 ま、一応納得しますよ。」
「……あ、ありがとう。 なのか?」
……部室の中で席替えしませんか?
そして、すごく永海は可愛い。