番外編! 正月を思い出すという話。
「おい雷! 世間では今頃、正月らしいぞ」
「え? 俺たちずれてんの?」
「俺たちはこれで正解。 世間は違うんだ」
「えー、マジかよー! もち食いてぇ!」
「勝手に食べろや! 父さんにでも頼め!」
「そうするよ。 なぁ永海ー?」
パソコンを睨んでいる永海を雷が呼ぶ。
前までなら……
「『今、忙しいのよ。 後にして』」
とか言ってたのに、今は……
「はぁい? 何かしら?」
パソコンを中断してまで雷の話を聞くのだ。
何これ? 恋愛パワー? 雷にデレデレなの?
「俺らって、正月何したっけー?」
「一緒に思い出してみましょうか」
◇◆◇
それはそれは寒かった。 一月一日、元旦。
朝六時半、この辺りで有名な神社まで咲と二人で歩いた。
……以上?
◇◆◇
「優……? 頭大丈夫? 記憶にないの?」
「全くない。 眠かったことぐらい……」
「終わっているわね。 雷は? 憶えてる?」
「うん。 えーっと……」
◇◆◇
寝坊した。 走った。 着いた。 ……以上?
◇◆◇
「…………。」
「えー、永海……?」
「雷……終わったな。 さよなら」
「内容としては、優とたいして変わらん!」
「あ……来た! 思い出した!」
◇◆◇
「寒くないか、咲?」
「寒いけど、大丈夫だよ!」
二人で神社に入ろうとすると、横から声がした。
「お、優と咲!」
「「おはよう、雷!」」
たまたま会った雷と三人で神社に入ると、人混みの中に、見知った二人を見つけた。
人混みの場所は……焼き餅の屋台。
「「「永海ー! 夢ー!」」」
二人は同時にこっちを振り向いた。
甘酒を片手に、焼き餅を食べていた。
皿を三枚持っていたので、三つ目の途中だったのだろう。
◇◆◇
「あー! 食べてた! 思い出した!」
「だろ? 三つ目食ってたよな?」
あははと笑う、俺と雷。
「あれは、違うのよ! あのー、あれよ!」
隣には、言い訳をする永海がいる。
◇◆◇
賽銭箱に小銭を放り込み、五人で鐘を鳴らす。
パン、パンと手を合わせ、それぞれ一年の幸せを願った。
帰り道、屋台でおみくじを引いた。
四人は大吉で、雷だけ凶だった。
四人は笑い、屋台のおばちゃんも笑っていた。
「『去年以上に頑張れば大丈夫よ!』」
と、慰めを受けていた。
◇◆◇
「おばちゃんの言葉は、胸にしまってある」
「ケッサクだったな、あれ!」
「そうね。 一年の最初から……ね」
◇◆◇
その後、親もみんな集まり、〜AMAMACHI〜にて、おせち料理を食べた。
それぞれに家庭の味があり、とても美味しかった。
◇◆◇
「ぐぐぅ〜〜〜」
永海から可愛い音がした。
「お、お腹すいた……」
「何か食べに行く?」
「いや、あの三人のことだ、そろそろ……」
素晴らしいタイミングで扉がガチャと開いた。
「お餅売ってたから、買ってきたよ!」
「海苔もあるよ!」
「何か飲むー?」
その後、家庭科室を借りてお餅を頂きました。
永海さんご満悦!
女子は四つずつ食べてたよ!
……正直、とても美味しかったです。




