新部員と夢の過去を知るという話。(完)
「それは……どういう……」
夢の目元は前髪で隠れてわからない。
俯いているので、顔が全体的に見にくい。
本気で言っているのか、もしくは……
「……ふふっ。 あははっ!」
「ゆ、夢? どうしたの?」
「私の演技、どうだった?」
「……演技?」
「昔から、全部嘘だよ?」
「……全部、嘘? え?」
「原因の私の服も、お母さんの手作り!」
「でも……私も同じ服、持って……」
「香織の家まで、私が届けたのよ」
「じゃあ……まさか……」
「長年ドッキリ大成功! ってとこかな?」
「洒落に、ならないよ……」
何もかもバカらしく。 自然と涙が流れる。
悲しいわけでも、嬉しいわけでもない。
「ずっと、騙しててごめんね」
「……呆れて涙が止まらないよ」
「だって香織、なんでも信じて可愛いんだもん」
「……騙されやすいのは生まれつきよ!」
そうして……全てはかなりしょーもなく解決した。
◇◆◇
「……しょーもない! そして、長い!」
「夢は全てのスケールがでけぇんだよ」
「ドッキリだぞ? たかがドッキリだぞ?」
「あいつにしたら、軽い遊びのつもりなんだろうな」
「なんだかんだで、結論。 夢は恐ろしい」
ベランダの方から、楽しそうな笑い声が聞こえる。
「うっし、帰るか」
「二人は?」
「んー、放置?」
「メールの一本ぐらい送れよ!」
「そうだな。 『部室にて待つ』でいいか」
「ドッキリ大成功パーティでもやる?」
「お菓子とクラッカーだけ、買って行こう」




