夢のような出来事。 雷・永海 編 その2
放課後、しっかり集合時間前に部室に到着。
「あら、雷? 早かったわね。」
「朝、約束しただろ?」
「そうだったわね。」
……俺は今、永海と二人きりである。
「な、永海? 前に咲と話してた好きな人って誰なの?」
永海はかぁーっと顔を赤くし、言う。
「そ、そ、そんなこと! い、言わないっ!」
語調に落ち着きがない。 もう確定だね。
「そう言わずにさぁ? 教えてよー?」
「に、にゃによぉ……。 うぅ……」
やべーよ。 乙女モードやばいよ!!
「じ、じゃあ雷の好きな人、教えて?」
…………そうきたかぁぁぁぁ!!!!
俺、実は小学生のときから永海が好きだったんだ!
だから、優のメールを見てテンションMAXなんだけど。
「し、知りたいか?」
「……うん。」
どうする、この状況! 救いの神ー! 来てー!
「きーたーよー! あー、しんど。」
「夢ー! 君こそ神だよ!」
「ん? 神? なんのことやら?」
「遅れた、すまん。」「ごめんね。」
「優ー! 咲ー! 神様ぁ!」
なにこいつら! タイミング良さ過ぎ!
「あ、雷ちょっと来て!」
咲に廊下に連れ出された。
「雷? あんたって、小学生から永海のこと……」
「好きだった。 ずっと好きだった。」
「だよね。 で、どうするつもりなの?」
「…………。」
「きっと、永海は雷のこと待ってるよ。」
俺の心臓がドクリと大きく跳ねた。
「……そうだよな。 男みせてやるよ。」