夢のような出来事。その5
今は、頼りになる咲さんとの話し合いを行っている。
「で、優はどっちが好きなわけ?」
「二人ともいい子だし……。」
「ったくー。 それは無しで!!」
「じ、じゃあ咲は俺か雷を選べって言われたらどっちを選ぶ?」
「雷に決まってるでしょ。」
「……もう、泣いていい?」
実は微妙に視界が潤んでるんだけども。
「冗談よ!? 優。 真面目に答えて?」
冗談か……流石に雷には負けんぞ!!
「…………正直に言うぞ。 玉池だ。」
「……これは想定外だぜ。」
「もちろん永海が嫌いな訳じゃない。 が、玉池とは一つしてしまったからな。」
「……言わなくてもわかるよ! 朝からいちゃいちゃしてたでしょ!?」
「聞き捨てならんな!! それは完全な誤解だ!」
「あ! 普通にいいこと思いついた。」
フッフッフと笑う咲はかなり怪しかった。
てか、あんなの見たら嫌な予感しかしないよ。
◇◆◇
場所は変わり、次の日の教室である。
休み時間、俺は雷と話していた。
「……これは極秘事項だ。 いいな?」
「……了解したぜ。 言ってみ。」
俺は遠くで本を読んでいる永海を見ながら言った。
「咲からの情報だが、永海が俺に恋をしているらしい。」
「…………マジすか? 勇者A?」
「マジだ。 勇者B。」
「お、咲が動いたぜ。 始まるんじゃねぇの?」
咲が永海と遠くで話を始めた。
このクラスは、休み時間になると誰もいなくなるので、かなり静かだ。
今、教室にいるのは、俺、雷、咲、永海の四人だ。
「永海? ちょっと聞いていい?」
「どうしたの? 変に改まって。」
「永海って好きな人とかいるの?」
「「ブブゥーーーー!」」
俺と雷は盛大に吹き出した。
……咲さんっ! もう少しオブラートに包んで!?
「好きな人……ねぇ。 もちろんいるわよ?」
「教えてよー? 気になっちゃう!」
「じ、じゃあメールで送るわ。」
永海はほんのり顔を紅く染め、スマホの画面を素早くタッチする。
ピロリロリーンと咲のスマホが鳴る。
「……マジで?」
「ま、マジよ。 何かいけないのかしら?」
「……永海……頑張って! 応援してる!」
咲は、スマホを素早くタッチ。
ポケットに入れた瞬間に、俺のスマホが震える。
「……来てしまった。 このときが。」
「行け! メールを開くんだ!」
俺は頷き、未読メールをタッチする。
そこに書いてあったのは…………
『ごめん。 永海の好きな人は天町 雷くんでした。』
……本当、期待していた俺が恥ずかしいね。




