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プロローグ 夕暮れの公園にて――2023年
「ねえ君たち。お姉さんのおとぎ話を聞かない?」
そういって、自分、球仲未來は公園で遊ぶ子供たちに問いかける。
集まっていた少年少女は、合わせて七人。
「お姉さん、近くの大学で児童文学を書いてるんだけどね。それをみんなに聞いてほしいの」
心底笑みを浮かべながら投げかけた。
「えっと、あの、その…。お母さんに、知らない人と話しちゃダメだって…」
最近の子にしてはよくできている。身長が他より一つ抜けている男の子が返答していると、
「聞く!」
太った、見るからにバカそうな坊主頭がそれを遮る。これだから最近の子供は、と思う自分は少し歳を取りすぎた。
「じゃあ、聞いてね」
近くの遊具に座り込み、子供たちを見渡す。
「これは、大切な人と一緒にいたかった、優柔不断な男の子のお話――」
むかしむかし、あるところに少年がいました――