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3件目 右手はマックス捻るだけ

このお話は。実在の人物や団体などとは関係ありません。たぶん、妄想が現実に追いついたんだよ。

 豊山(とよやま)さんちの(あき)君だよ!



 おいっす。今、とりあえず道を走ってるよ。


 結局、色々ありまして本格的に移動を始めたのは昼下がりっぽい太陽になってからでした。色々分かった事があります。


 草原のなか野ざらしの道、そりゃでこぼこでこぼこしているんですが。なぜかジャイロで走ると上下の動きを感じません、高低はあるだけど感じるだけでなぜか振動はない。


 そんな馬鹿なと、手で押せばがたがたとゆれるし石に引っ掛かるしで大変でした。


 しかも、風が吹き込まない。手をハンドルグリップより外側に出すと風にさらされた、不思議スクリーンが側面にあるらいしい。


 意味が分からない、逆に気持ち悪い乗り心地です。




 魔改造的な何かにあったジャイロだが、荷台の黒幕以外には細かい傷やシートのへたれが無くなっていた。新品同様の輝き、むしろシートのふかふか具合は新車よりも具合が良くなっていた。


 そして、不思議なことにスピードメータが五倍になっていた、60キロまでの表示が伸びて300キロまで出るようになっている。もちろん、怖くてそこまでアクセルを回せない。僕の心の法定速度はいつでも30キロなのである。


 一番も変化はメータ部分に謎のボタンが出来ている事だ、アニメの自爆スイッチのように赤い丸ボタンが付いている。ボタンにはSと彫られている、スーパーなのかスタートなのかスライスなのか分からないがこれも怖くて触れない。


 世界は不思議でいっぱいだけれども不思議で頭がいっぱいになりそうだ。そうそう、お財布バックも黒幕不思議加工がされていた。500円を出したところから、荷台に閉まった手袋が取り出せた。つながってるっぽい。


 これは、少し検証したがどうやらお財布の口より大きなものは、出せないし入れれないようだ。手袋、帽子、靴は出るが。ジャケット、ヘルメットはダメだった。これは便利!と思ったが現在持ち物は配達バック3枚、ヘビージャケット、ネックウォーマ―、手袋、配達途中の五万弱の現金セット、ハンドライト、時計、車検証、冬メニュー数枚、免許証、携帯だけ使えるものは何もない。


 便利バック活用法募集中です。




 現在、30キロ程で3時間走りましたが、日が暮れてまいりました。


 今、旅的に佳境と言ってもいいどっちを向いても何もないという中途半端な位置。ついに森も見れなくなりましたし、見渡す限り地平線に一本線のような道があります。


 安全と快適を置き去りにしてとりあえず道の脇に停まってます。


 狼さんやコンドルさん、ゲームのモンスターさんどうかこっちに来ないでください。と祈りながら、ヘビージャケットを敷布かわりに地べたに座ってます。背中にはジャイロの後輪と荷台、前半分はバイク的に押したり引いたりすると倒れるんだ。


 今は、そんなに冷え込まないらしく過ごしやすい夜です。真っ暗かと思っていたけど、月と満天の星でほのかに明るい。道は分からないけど周りは見える程度の暗さ。分かりにくいがこんな感じ。


「月は有るんだな……青いけど」


 そう、青いんだ月が大気とか光の屈折とかぶっちぎっている青さなんだよ。ブルーライト的な光、でも星は普通に多色ある。まさにファンタジー。常識と経験を置いてきぼりにする世界だよ!


「まぁ、楽しいけどね、飽きないけどね…」


 ああ、おなかが減った。喉が渇いたよ。


 いくら、不思議ジャイロといえども三時間運転し続けると疲れるし。食事もおそらく半日食べてない、三食間食付き飲み放題の現代人にはつらすぎる。


 程良い疲れ、空腹、きれいな空、ビールが飲みたい。しかも、キンキンに冷えたやつ。


 たぶん、今なら記憶に残る程の美味しいビールが飲めるはず。くやしい。ビールがだめならせめて……


「…コーラ、飲みたいなぁ」


 ガコンッ ペッ


 コンッ


「うぉ!」


 急に荷台が開き物が当たる音がした、びくっとしてしまったのはしょうがない。


 振り向くと開いた荷台の蓋の上に350mlの赤いアイツがいた。世界に赤いサンタを信じ込ませたあそこの、コーラが!


「う、うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ」


 コーラや、こーらがありゅ!冷えてる!なんで?すげぇ!


 ペシュゥ


 コーラのプルタブを引き口をつける、ああ、しあわせぁ。


「ピザ、いやナゲットが欲しいなぁ~」


 きっと、人に向けちゃいけないレベルの貪欲な目で今僕はジャイロに話しかけている。


 ペッ ペッ


 ドサ トサ


 あれ、ナゲットとメニュー。まさか、ウソだろ。


 ゴクリッ


「スモ、レギュ、ドミーラハット デラックスッ!」


 ペッ


 ドス


 出てきた…、Мサイズ、レギュラー生地、四種類のトッピングしかもこの熱さ、出来たてだ。


 この、不思議ジャイロもはや僕の中で神に等しい。


 はふっ、はふぅ。モギュ、ゴクゴクッ。グェ~ップ!


 ピザウメェ、とろけるチーズ、アツアツのトッピング、それらを乗せる確かな生地の香ばしさ…。


 ふぅ~~~。



 異世界、星空、ピザ。


 草原、ジャイロ、コーラ。


 この世界、悪くないかな…。

心の法定速度

みんなの心にある絶対領域、割と現実を置き去りにして守っている人が多い。そんな人はパンダカーかパンダバイクに夢の国に招待される


現金五万円弱


基本、二万超えたらドロップしましょう。現金を極力持たないのが望ましいです。でも、正直二万を一万五千円分の札と適度に硬貨に持っておきたい。

連続で配達する際一件目万札、二件目万札と続くと背筋が凍る。また、忙しい時にドロップする時間が有るかというと…


三食間食付き飲み放題の現代人


待遇というより意識の問題、やろうと思えば可能。朝昼昼晩御飯、一日4回水分補給(炭酸)という方は意外と多いはず


スモ レギュ ドミーラハット デラックス


何かの呪文のようだ。


いいか、この呪文は作者の妄想です、おやと思ったら前書きを思い出して

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