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世界観・箱庭・人造人間

世界の状況(偽史)

突如前触れも無く、月の表面が一部砕ける。直径100メートルの月の欠片がユーラシア大陸に、無数の小さな破片が地球全土へ落下し、地球は天変地異となる。

天文学者が地球への隕石衝突を数十年前から警告していた為、地球の静止衛星には隕石迎撃システムが幾重にも貼られていた。月の欠片の一部を破壊することは出来たが、巨大な欠片は破壊が出来なかった。

先進国は地下都市を建造しており、避難をした。地下都市に全員を収容することは出来なかった。収容される人間は、30歳以下。健康でDNAに欠損が無い者と日本では定められた。例外として学者や医者等の専門職、技術者、軍人、政治家、財閥関係者など。

天変地異により地球の人口は、70億人から数億人に減った。

日本では国民の1/10が保護される状況だったが、地表面は根こそぎ剥ぎ取られ、山々は粉砕され湖や川も無くなり、平たい荒野となる。実際に生き残ったのは、KYT、OSK、OKY、HSMの4都市200万人程度だった。

原爆の暴発、原子力発電所、廃棄物保管所の破壊も行われ地球全土が放射線に汚染された。

海に近い地下都市は大津波により水没し、火山が近い処はマグマに飲み込まれ、全滅するところもあった。

空気中に大量の粉塵が舞い上がり、日中でも薄暗く、日は差さない。

衝突時の衝撃により、天高く舞い上げられた海水が地表に落ちてくるため、粉塵を含んだ黒い雨は2年続き、新たに塩分を含んだ湖や川が生まれた。粉塵の濃度も同時に下り、呼吸器を強化された促成種であれば不都合なく呼吸できる様になるが、自然種は防塵マスクが無ければ呼吸できない。また、放射線量も多く、自然種が防護服無しで地表を歩き回る事は出来ない。

マグマの地表への露出や火山活動の活発化により、予測されていた寒冷化は起こらなかった。

地下都市以外の一切の生物は絶滅した。DNA銀行に保存されている生物は、復活させることは可能。緑化政策として苔類が地表に散布されたが、塩分を含んだ雨により土地が塩を含み、繁殖に失敗し、計画は凍結される。地下都市には十分な植物が植えられている。

また、池には食糧用の魚が観賞魚も兼ね放流されている。

地下都市が用意できなかった国々は滅びた。

施工・設計不良の地下都市は崩壊。

一部の地下都市は、月の欠片が直撃し全員即死している。

各国との通信網は切断され、世界情勢は不明。人工衛星、GPSも使用できない。

空気中を舞う粉塵の為、電波状況は悪く近距離の使用のみとなる。地図も天変地異により地形が変わり、あてにならない。


20年かかり、KYTはようやく地下都市の修復及び自給自足を達成。生活に余裕が出始める。

しかし、直ぐに月人が襲来する。

敵の球体が何処に幾つ落ちたか不明。

敵の侵攻方向よりKYTの西側にあると推測される。

ケーブルで基地局を一定距離ごとに造り、携帯電話の様に無線が使える地域を地道に増やしている。

その基地局を三点観測することにより、現在地を知ることが出来る。

通信距離は半径1キロの単距離。



箱庭(未公開)

地下都市の最下層の構造物より更に地下に存在している。

直径4kmの半円球。空・水平線・海などはプロジェクターで壁に表示。

昼夜は照明により存在するが、太陽・月・星の表示は無い。

天候の変化は無く温暖、常に快晴。昼夜は有る。

孤島 四方が海に囲まれている様に見える。塩分は含まれていない。

島の中央に天を貫く様な大樹がある。無論、偽物である。

この中に地下都市と繋ぐエレベーターとライフラインが仕込まれている。また、ここが水源地となり、四方向へ等分に東西南北の川として海へ流れる。

海と呼ばれているが、淡水であり、食料として淡水魚が生息している。

大樹周辺の2kmは森林地帯、その他は草原地帯。浜辺は砂浜。島の中央が標高50m程度でなだらかに海へ下る。

島の全周は、全て砂浜。船が係留できる様な場所は無い。

地下都市の研究施設の下に新たに造られる。これは、地下都市建造時には月人の襲来が無かった為、リゾート施設として建造された。だが、生活が困窮し、リゾートを楽しむ心の余裕もない為、この存在は秘匿された。

箱庭の存在は、研究所とごく一部の権力者しか知らない。

箱庭は、鉱山跡を活用したものが多い。

また、促成種に壁を壊されることが無い様に作られている為、非常に堅牢な造りであり、地下都市内でシェルターとしての機能も結果として付属した。

現在は促成種の育成用蟲毒として使用中。



人造人間

人工子宮(育成筒)にて生み出された人造人間。多種多様な遺伝子実験が行われている。

男女の性は有るが、子供は産めない。女は生理が無い。男は精子が無い。

戦闘力の根源である生存本能を残す為、性欲は残されている。

通常の人類より筋力や耐久力は、現状で5倍以上の力を持つ。放射線に対して抵抗力がある。肺機能も強化され、空気中の塵による影響を受けない。病気にもならず、自然治癒力が高い。


人工子宮内で直接脳に、言語の読み書き・知識を書き込まれる。

情報を脳に書き込む為、額に情報接続端子が埋め込まれており、脳の様々な部位に直結している。端子カバーは、防水、防泥、耐衝撃の処理がされているセラミック製。二センチ四方の菱形。

カバーを上に跳ね上げると差し込み端子が現れる。カバーの色は人肌と同じだが目立つ。

自然種とすぐに違うと分かる。カバーは、本人の意思でのみ開閉できるが、一定の権限保持者は外部より強制解放できる。

生活に必要な最低限度の知識も同時に書き込まれるが、羞恥心、正義感など研究や戦闘の邪魔になる感情は消されている。また、箱庭から出ないという摺込みもなされる。

装備を統一させる為、全員右利きである。左利きは存在しない。

箱庭への放流時は、大樹に模したパイプラインから放出される。出口にて一人ずつに隔離される。

出口は強化ガラスに囲まれ、覚醒していない状態で放置される。覚醒後に、強化ガラスの鍵が解放される。覚醒する前に殺されるのを防ぐための処置である。

箱に放流された促成種は、殺し合いを行う。それが当たり前であると脳に書き込まれている。

蟲毒の開始である。100人を箱庭に放流し10人まで絞る。これにより即戦力の強兵が仕上がる。

促成種は、一部の例外を除き、全員蟲毒を体験し、生存した者である。

回収時は強化ガラス内に入った後、施錠してからリフトへの扉が開かれる。

実験国が日本の為、日本人のDNAの持ち主しか居ない。

どの様な遺伝子の組み合わせが良いか不明の為、多種多様な組み合わせを現在も行い、より良いものを目指している。その為、外見・能力は多岐にわたる。

回収後、蟲毒の記憶のみ消され、再教育を行う。日本軍への忠誠心等を書き込まれる。

また、促成種の特性により衛生兵、狙撃兵等の兵科の専門教育を受ける者もいる。


人造人間に対する、偏見・差別は一切無く、自然種と対等に暮らしている。

自然種が促成種に差別を行うことは、自殺行為である。筋力、反応速度に優れる促成種に自然種が勝てる要素は無い。

蟲毒後は、人権が保障されている。これは性能を完璧に発揮させる為の処置である。

自然種と人造人間が、恋愛・結婚する場合もある。


促成種の寿命は短い。14歳相当になるまでに1年。その後20年程度生存し、35歳相当にて寿命。主に兵士に割り当てられる。兵士としての基準に満たない者は、蟲毒により死亡している。

ごくまれに、蟲毒前に気に入れられ、愛玩種として権力者に引き取られる場合がある。

この場合は、戦闘技術だけでは無く、家事一切と房中術等を書き込まれる。一般常識・性格は買い取った人間の好みにより書き込まれる。


生き残った者のみ自分の名前を持つ権利を得る。蟲毒中は、管理番号で呼ばれる。

培養中からの管理番号は生涯変わらない。管理番号によって遺伝子パターンや書き込み内容を管理し、次代の研究に活かしている。


短命なのは、アポトーシス(寿命設定)をしているためである。この設定を解除すれば、人間と同等の寿命を得ることができるが、研究所しか知らない極秘事項である。

寿命設定をしているのは、身体能力も落ち戦闘に堪えない人間を養う余裕が人類に無いからである。

労働職に転向させるには、脳へ新たな技術を書き込まなければならないが、30歳以降の脳への書き込みは、成長期が過ぎた能には負荷が大きく、失敗が多く廃人になる。

促成種は基本使い捨てである。また、病気や怪我により戦闘復帰が困難であると判断されると元素分解水(通称、命の水)へと廃棄される。

アポトーシスを最初から施すのは、死を受け入れやすくする為である。

促成種に生殖機能を持たせることを初期には行っていた。しかし、無理な遺伝子改変により、流産の確率が五割、生まれたとしても遺伝子的欠陥を持つ者が三割、成人する前に死亡する者が二割だった。

つまり、促成種から生まれる子供は、成人にはなれない。

こうして、促成種から生殖機能は、外されてしまった。


熟成種の場合は、全身がゆっくりと育てられている為に何歳になっても、何度も脳への書き込みに耐えられる。この技術は、100年前に確立されており、人口減の対策に使用されていた。その為、月人襲来までは接続端子が無く、自然種と見比べても差が無かった。

生殖能力も有ったが、地球環境の変化に伴い、人口の計画的調整により、生殖能力は除去された。

熟成種の場合は、自然種と同じ成長・寿命を持つ。この場合、研究者用、都市管理者用などの技術職や労働職に割り当てられる。

熟成種は、促成種と同じく人造人間だ。促成種との大きな違いは、筋力・敏捷性は自然種と変わらず、力持ちでも素早さも持ち合わせていない。成長速度も自然種と同じ様に歳を重ねる必要が有る。

無理な成長を強制していない為、寿命も自然種と同じで高齢になるまで生きる。生殖器官は持っているが、生殖能力が無いのは促成種と同じ。

その代わり、脳機能を極度に発達させられた。思考能力や記憶能力を増大させられ、開発や研究などにその力を発揮させていた。また、熟練工や技術者が必要とされる製造現場や都市管理部署では類まれなる思考能力や記憶能力により、膨大な文字データを情報接続端子によって脳に直接焼き付け、技術習得期間の大幅短縮を可能としていた。

民間における日本軍の先任軍曹に当たる様な存在であった。


また、熟成種の中には臓器及び欠損部移植用に人工子宮(育成筒)にて一生を終える者も居る。この者達は、他種への変更は認められていない。

育成筒の中で四肢を失くし、内臓を失くし、かろうじて生きている個体もいる。

輸血、骨移植、皮膚移植、脳移植、神経移植等が可能だからである。

移植先の多くは、自然種の兵士達である。戦闘により失った部位を供給している。

小和泉と蛇喰も失った部分を供給されている。


人造人間の反乱を恐れ、自然種へ服従する様にロボット三原則に近い物が摺込まれている。

・自然種の許可なく、自然種に危害を加えない。

・命令は、軍・住民階級により優先され、法や常識に反するものは拒否してもよい。

・自然種が危機に瀕した場合は、盾となり守る。

・上記に違反しない限り、自己防衛を行う。

自然環境によって生まれた人間は、自然種と呼ばれる。

人造人間の存在は、常識である。箱庭と蟲毒に関しては、伏せられている。また、人造人間もこの事は覚えていない。


促成種は、通常食の場合、自然種の五倍の食事を必要とする。それでは、資源が枯渇する為、促成種専用の栄養剤を一日一回服用し、通常食三食で済む様になっている。

栄養剤は、高カロリー、濃縮栄養素、満腹中枢を刺激する物質で構成されている。

自然種が摂取すると肥満、糖尿病等になる。


人造人間の種類

・近接戦型促成種

・射撃戦型促成種

・医療型促成種

・偵察型促成種

・愛玩用促成種

・医療型熟成種

・生産型熟成種

・研究型熟成種

・その他

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― 新着の感想 ―
設定満腹しそうです。咀嚼するのにまだまだ時間がかかりそうです。開放ありがとうございます。 熟成種とか、箱庭とか、いわれてみれば、あの世界にありそうで納得です。すごくよく考えられてるなと感心いたしました…
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