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(※本文注。参考文献:「ファクトフルネスFACTFULNESS」ハンス・ロスリング、オーラ・ロスリング、アンナ・ロスリング・ロンランド著 上杉周作、関美和訳 日経BP社)
ヘンリクたちは外洋船である大型船のほか、小型高速船を持っている。
「いくら高速船とはいえ、小型では隠れ岩にはばまれるんじゃないか?」
リオンの言葉に、ヘンリクとタルモは胸を張る。
「そこはそれ、めぼしいものはちゃあんと海図に描きこんでいるからな」
「それに、姐さんがつぎ込んだ俺らの船の艤装はそんじょそこいらの船には負けねえ」
一行はヘンリクたちの船に乗り込んだ。
副船長が広げる海図に、採取屋ふたりが目的地を指さす。
素晴らしい船足を見せ、進んだ。
ルシールはヘンリクたちの船上で小型高速船の艤装について話を聞いていた。以前はシンシアの魔道具工房で聞いた事柄を、今は実際ヘンリクたちの船に乗りながら説明を受ける。こんなときだというのに、ルシールは胸が高揚するのを抑えられなかった。
スクリュー・プロペラは高速になると推進効率が悪くなるので、ポンプで吸引した水を噴射することによって船を進ませる装置を用いているのだという。
「水を噴射?! どうやるんですか?」
「船が進行する方向と逆に高圧の水流を噴出するんだ」
「そうすることで、推進力を得ている」
船底からくみ上げた水をモーターにより動作する高圧ポンプで、後方のノズルから勢いよく吐き出し、推進力を得る。
「スクリュー部の外周を円形シェラウドなどで覆って---」
「推進効率はスクリュー・プロペラには劣るが―――」
「高速での航行に適して---」
ヘンリクやタルモだけでなく、船員たちが口々に説明してくれる。
「ああ、これ、ものすごく既視感がある」
リオンは遠い目をしながら呟く。カーディフの加工屋を想起させる。そこでも職人たちがこぞってルシールにいろいろ教えたものだ。
「そら、そろそろ件の海域に突っ込むぜ」
「安心しな、嬢ちゃん。俺らの船の装置はそんじょそこいらのスクリュー・プロペラのように隠れ岩なんかの障害物にぶつからねえさ」
船の破損を恐れる必要がないため、高速で海域を突っ切ることができ、速い潮の流れに船足をとられることはない。
七つ島は大昔はひとつ島だったという説を裏付けるように、北のなかつ島の南中央と南のなかつ島北にまたがって山脈がある。
難海流を無事渡り終えたヘンリクたちの船は、ちょうどその山の谷合となる場所に船をつけた。
「おう、ここならあの場所まで行けそうだ」
アブレヴィアータの採取屋が喜色を浮かべて崖を見上げる。
「登れるかしら」
「いざとなったらわたしが負ぶっていくよ」
「おじ上がお疲れになったらわたしが変わります」
不安そうに見上げるルシールに、ヒューバートとクリフォードが言う。側近に任せず自身が手を貸すのだなと内心考えたエルもまた、出来得るなら、自分が連れて行きたいと思った。
結局、ルシールはリオンに手を取られて登った。足がかりの段差が大きい場所ではリオンがひょいと抱き上げ、アブレヴィアータの採取屋が受け取る、という態であった。
ヒューバートは一連の様子を眺めつつも、危ない局面があれば手を出そうと思っていた。アリスターはにこやかなまま口を閉じている。
一方で、クリフォードはファレルになぐさめるように声を掛けられ、淡々と命じた。
「山専門の採取屋に勝る者はおりませんから」
「早急に吊橋を復旧させろ」
「かしこまりました」
なお、リオンは特に山を専門に採取しているのではないが、どこであろうと一流の採取屋と比肩する。
アブレヴィアータの採取屋の案内で目的の場所にたどり着いた。そこは採取屋ジャックとエイリアスが立っていた場所だ。崖とは反対側は木々と下生えが密集している。
「あれ、ここら辺に入り口があったんだけれど、」
アブレヴィアータの採取屋は慌てて下生えに覆われた辺りを見渡す。
「最近、来ていなかったから、こんなに生い茂っているとは」
ルシールとリオンもともに探した。
エルも手伝おうとし、すうと視線の向こうを横切るものに気づいた。
蝶だ。
特徴的な黒い縁取りのあるオレンジ色を持つ。
「黒い縁取りのあるオレンジ色の蝶は毒を持つ葉を食べ、体内に溜めこむ」
「殿下?」
記憶がよみがえるとともに、口をついて出てきた言葉に、背後に控えるイルが怪訝そうに呼びかける。
この蝶は毒を持つ葉を食べ、体内に溜めこむ。毒を持つ個体は種の四分の一程度だ。そして、その一部の毒を持つ蝶が鳥に食べられ、食べた鳥が学習してその「警告色」を持つ蝶を食べなくなる。そうして種の存続が可能となる。
在りし日にイーロが教えてくれたことだ。
種を生かすためにいわば犠牲となった蝶が、イーロと重なった。
蝶に導かれるようにして、エルは下生えに足を踏み入れた。
「殿下、お下がりください。わたくしが先に、」
「いや、見つけた。入り口だ」
草木で蓋をしていたものを取り払うと、低木がつくるンネルが現れる。
「ああ、あったあった。ここだよ」
アブレヴィアータの採取屋が喜色を浮かべて覗き込む。
「長く来ていなかったから草木が生い茂って隠されてしまったんだな」
「だが、そのおかげで連中に見つからずに済んだんだろう」
アブレヴィアータの採取屋にリオンが会心の笑みを浮かべ、ふたりはがっちりと手を取り合う。
緑のトンネルは身長の高い面々がなんとかかがまなくてもいい程度の高さで、ひと塊になって抜ける。薄暗いトンネルには前方から光が差し込む。みなの心に期待が自然と頭をもたげ、歩みは自然と早まった。
そして、一行はひとりも欠けることなく、そこへたどり着いた。
チュルルーリリ、チュルルーリリ。
高く澄んだ鳥の鳴き声がかすかに届く。
そこは張り出した岩が庇となり、それらが互い違いに、あるいは折り重なるようになった谷だった。岩の上は萌黄色の苔が覆っている。
どことなく、空気がまろやかだ。木々はふんだんに陽光を浴びて梢を伸ばしている。吹く風は穏やかで、ピンクや紫、白色の花弁がときおりふわりふわりと舞っている。
遠くからも目立つ、高い特徴的な姿の樹木が分かる。細長い葉が扇状に茂っている。
「あった―――!」
「あの扇状に立ち並んだ葉の樹木が「タビビトの木」です」
その木々を目にしたとたん、エルは万感のこもった声を発し、イルが同行者たちに指し示した。
「なんて鮮やかな青の木の実、」
「それをついばんでいるのがホシツバメかな。たしかに、白い斑点が星みたいだね」
ルシールは真っ先に目に飛び込んでくる青に呆然とつぶやき、リオンが目ざとく鳥を見つける。
そのホシツバメと戯れるようにして、小さな毛玉のフィフィが風に吹かれるまま梢から梢を渡る。タビビトの木の特徴的な葉の先に飛ばされ、下方に滑り落ちる。五叉に裂けた莢の隙間から垣間見える実はどこまでも突き抜けて鮮やかに青い。鳥が高い空にあってなお、見出すことができる。
そしてそのスターブルーの木の実をつけたタビビトの木と寄り添うようにしてピンクや紫、白い花を咲かせる樹木があった。
シルセスの花が咲き乱れていた。
愛らしい、エルの妹が好んだ花だ。ハート形の花弁を見て、「愛の花ね」と言っていた。妹の愛がそこにあるような気がした。
「ああ、」
その季節ではないのに。シルセスの花が咲いている。まるで、妹がエルを待っていたかのようだった。
逝くとき、花が見たいと言った言葉を叶えてやることはできなかった。
もう少し。せめて春まで、花が咲くまで。
祈るように思っていた。それは叶わなかった。でも。
「ここでわたしを待っていてくれたのか」
———きれい。きれいね、お兄さま。
「ああ、本当だ。とてもきれいだ」
そこには夢の中にいるようにうつくしい光景が広がっていた。
アブレヴィアータの採取屋たちが人が足を踏み入れることをよしとせず、口外しないようにしていたのも頷ける。
かすかに霞かかった、すべてのものの輪郭をまどろむように和らげるさなか、ひと際鮮やかに見えるスターブルーの木の実。葉が扇状に広がる不思議な形状の樹木、群れ咲くセルシスの花。そしてつい、つい、と飛ぶホシツバメ、ふわりふわりと風に乗る毛玉のフィフィ。
のどかでやさしく、身体の奥底から温かななにかが込み上げてくる。
きっと、傷ついたイーロとユハニもまた、この光景に心を癒されていたのだろう。傷つけた相手を慮ることができるほど、穏やかな気持ちになれたのだ。
島外のものを鷹揚に受け入れ取り込み、独自の植生をゆっくりと築き上げてきた七つ島の、うつくしい調和のとれた光景だ。この半ば閉ざされた箱庭だからこそつくり得た、自然がなすうつくしさだった。
まさに、箱庭の楽園だった。
その閉ざされたうつくしい箱庭に、エルが探し求めていた樹木と鳥と、そして、妹が愛した花が待っていた。
奇跡のような光景だった。
その場所は確かに、鳥類学者と魔道具師の映像に映っていた場所だった。
鳥の歌と鳥類学者と魔道具師の想いとが重なり絡み合う。
鳥が歌い、その歌は風に乗って木々の梢を揺らす。木漏れ日がきらきらと落ちて来る。
両手を差し出して魔道具師がそれを受け止めようとする。そして。鳥類学者を見上げてふたりでほほ笑み合う。
ここで、ふたりと鳥と樹木は幸せだったのだ。心穏やかに暮らすことができた。
そうすることができたからこそ、故郷にいずれ迫りくるだろう困難を想い、せめてもの手向けを残すことを考えたのかもしれない。
人は余裕がなければほかを思いやることができない。
ならば、この地の温かさが、彼らに本来の彼らのやさしさを取り戻させたのかもしれない。そして、そんな環境を、総督たちが、七つ島に住まう者たちが守っているのだ。
ルシールもその大きな環のなかの一部分で、少しばかり役割を担っている。それがなんだか誇らしく思えた。
総督らはタビビトの木とホシツバメは保護されるべきものであり総督としての権利を行使すると宣言した。
その上で、友好国を救うべく、物資を援助すると。
この宣言を受け、アブレヴィアータの一部の採取屋たちは胸をなでおろした。人助けのためとはいえ、あの閉じられた箱庭を踏み荒らされたくはないと思っていたのだ。
グランディディエリ群島でもラヴィネン国で根付かない樹木を保護することは、都合が良いことだった。ラヴィネン国にとっては必要不可欠なものなので、結果、それを有する七つ島を守ろうとするからだ。樹木と鳥が息づく七つ島が、ほかの国の侵略にあっては困るのだ。
動物の世界は弱肉強食だ。
人間の「可哀想」という思いからなされる行為によって、ほかの動物を死なせることになるかもしれない。
たとえば、強者が弱者を餌にしようとする際、人間が「可哀想」と思って弱者を助けると、強者は飢え死ぬ。
食肉用の家畜は人間が暮らしていくために築いた経済産業の一環だ。そこに「可哀想」は入り込まない。
人間が「素材」のために特定の種を絶滅させるのと、外来動物によって絶滅させられるのとどう違うのか。
意識の違いだ。
種の違いを判別でき、そして、そういった「特定の種」を再生させることが不可能であることを理解する知能を持ちながら、やってしまう愚かさだ。
外来種が特定の種を駆逐することはままある。けれど、人間がごく短期間でどれだけの種を駆逐してきたか。それによって生態系のバランスが崩れたとき、どんな未来が待っているか。
絶滅危惧種の保全について、世界の他の地域で約二百年後に九万種近くなされるようになる。しかし、その六十年前、つまり今より百四十年後の時点ではわずか三十四種しか保全されていなかった。
そんな中、七つ島ではすでに保全数約六万という驚異の数を誇っていた。
また、安全な飲料水を利用できる世界の他の地域の割合は、約百五十年後にようやく六割に達しようとする。七つ島では当時八割を超えていた。
七つ島では識字率は七割を超えていたが、世界の他の地域ではまだ一割にとどまっていた。その約二百年後に世界の識字率は九割近くに達するようになる。(※注)
安全な飲料水と教育、そして特有動物の保全。これらが総督の施政の最大の成果だということは、南北大陸においても認められていた。
「呪われた国」。
その国だけで猛威を振るうということは、国内のなにかが原因だということだろう。
当然のことながら、人口の流出は避けられなかった。だが、それでも資源が豊富な国に住み続ける人はいた。
国としても総力を挙げてこの問題に取り組んだ。
研究を重ねる医学者は世界的流行病と比べればまだ死亡率は高くないということを言い出すほど、追い詰められてもいた。
時折出て来る「特効薬」はいずれも風土病の根治に至ることはなかった。
様々な情報が錯綜した。
多くの迷信めいた習慣が生まれた。
それでも国を支え続けるほどの資源があったからかろうじて持ちこたえることができた。
産出する良質な<灼赤石>は、工業用の特殊な魔道具にも用いることができるほどの高熱を発する。この<灼赤石>のお陰でラヴィネン国は生きながらえているともいえた。
後世、ラヴィネン国の風土病の原因が解明される。
産業を支える鉱物を処理した後の廃液によって変化した植物と特産の動物の乳が加わることによって毒素が生まれる。つまり、その土地で生産される食料品の組み合わせを摂取し続けたら高確率で発生する病だった。
この国に代々住む者はごくわずかずつ毒素を蓄え、閾値を超えたとき、身体機能に影響が現れた。それらは子に伝えられていった。
そのため、外から移り住む者が減る。長期滞在すると病を得るといわれるようになる。
タビビトの木のスターブルーの木の実の含有成分が鳥の体内酵素によって変化し、国土病の毒素を消滅させる。
総督は鳥と樹木が育つ一帯を立ち入り禁止区域としつつ、ラヴィネン王国への特効薬の素材を融通することを約束した。
エルはラヴィネン国の人間に真実を知ってほしかった。
イーロは無実だと。イーロこそが、国のためを思って行動していたのだと。
本人に名誉が挽回されたことを伝えることはもう叶わない。けれど、イーロとその家族であるユハニが晩年を穏やかに過ごしたのだと知ることができた。それで十分だ。エルは苦労が報われ、幸せな心持ちになることができた。
エイリアスの行方は杳として掴めなかった。
アランはディックの死を知る。そしてエイリアスがしたことを聞き、「また七つ島にやってきたら、必ず掴まえてやる」と静かに言ったという。
採取屋稼業はアランの誇りでありアイデンティティだった。今後は素材屋アランとして歩んでいく。
トラヴィスが亡くなってから楔から解き放たれたのは七つ島の工房だけではなかったのだ。島外から密猟者が潜り込んできていた。
各総督府は今後一層、採取屋協会と協力して密猟者の取り締まりを強化する施策を打ち出した。
ヒューバートはルシールに何度も深謝を述べるエルを見て、彼の気持ちが手に取るように分かった。
ヒューバートも同じだったからだ。
少し前までは、冷たく硬く「物体」になったエスメラルダを抱きしめて、慟哭するだけの未来しか見えなかった。
それを、いっしょになって立ち向かおうとした。しかも、ヒューバートには持ち得なかった視点で取り組んだ。
ひとりで難事に取り組まなくてもいい。肩を並べて立ち向かう人間がいることの心強さを知った。
そして、自分ひとりではできないから、大勢の力を借りるということも、ルシールは自然と身につけていた。そうして、やってのけたのだ。
ヒューバートにエスメラルダを失わせなかったように、ラヴィネン国の悲劇を食い止めた。
「我が娘はすばらしい人だな」
ルシール・ステルリフェラ。
家名を持つということは、その島のために生きよということだ。
けれど、ルシールは父母からそう話されなかった。いつも兄と妹に向けて語られていた。だから、自分はそうしなくていいと思っていた。けれど、他島の傍流の家系の者と縁付くことで、その役目を果たすのも良いかもしれないと思った。それが、ステルリフェラの家に生まれてきた意義なのかもしれないと。
でも、結局、ルシールはその役目を果たすことはできなかった。
自分が取るに足りない、価値のない人間に思えてならなかった。
そんな彼女は目指していた魔道具師となり、七つ島だけでなく多くの人々を救った。
ルシールは母に愛されることを願った。思いもよらない形でその願いは叶う。
その愛が大勢の者たちの助力で守られたことから、彼女はより大勢の幸せのために尽力した。幸せは人から人へとつながっていく。
彼女が情熱を傾けた魔道具のように、なくてはならない部品の一部となって役割を果たす。どれひとつ欠いても作動しない。互いの能力がうまくかみ合わさることで大きな力を生みだす。その絶妙な調和のなかで必要とされることが、彼女にとっての大きな幸せだった。
彼女は多くの者と手を取り合い、ひとりでは成し得ないことをした。
そうして、彼女は自分が心から望んだ愛を守った。それは同時に、幸せをあまねくこととなった。
ただのルシールとなった彼女は後に、ルシール・レアンドリィの名を得た。
レジティではないものの、七人の総督の総意を得て、レアンドリィを名乗ることを許されたのだ。必要とあらば、レプトカルパ、アブレヴィアータを称しても良いとされたとも言われているが、定かではない。
総督の娘、あるいは姉、あるいは孫とみなされた。南北大陸に挟まれた内海に浮かぶ群島諸国という位置的、そして豊かでうつくしいという土地柄、結束するために血族を大切にした総督らにとって、家族のように思うということは重い意味を持つ。
ルシールは後に、「総督たちの魔道具師」と称されるようになる。
魔道具師はひとつの愛を願った。
その愛は様々な者に波及し、愛は愛を繋いでいき、多くの人々を光で満たした。
魔道具師の願った愛が潰えなかったのは、大勢の助けがあったからだ。魔道具師は大勢から幸せになることを望まれた。そして、魔道具師もあまねく幸せを夢見た。その夢は実現し、多くの希望を灯した。
金茶色の髪の高身長の男性が、慣れた様子で赤ん坊を抱いてあやしていた。
「今日はどのゆりかごで眠るんだ?」
子供が生まれた祝いとして贈られた【ニャオンのゆりかご】は、贈り主たちの協議の結果、茶トラ、キジトラ、サバトラ、ハチワレ、サビ、黒、白、グレーと各種揃えられている。
贈られた赤ん坊のその日の気分で使われるのだ。
安定感のある抱擁の中、子供は小さな手を伸ばし、父親の口元をてちてちと叩く。その瞳は片方は翡翠色、残る片方は<海青石>の色をしている。
子供が見せる反応に、至福だといわんばかりに形のよい唇の両端がつり上がる。
可愛い愛しい子。
この子が成長した世界が幸多からんことを。
いつもいいね、ご感想、誤字報告ありがとうございます。
黒い縁取りのあるオレンジ色の蝶のエピソードは
三章後編77話で出てきました。
長らくお付き合いいただき、ありがとうございます。
本作で出てきたものは現実世界のものと性質、生息地などが異なる場合があります。
ご了承ください。
このお話は投稿時にはすべてあらすじができていました。
章ごとにステージや立場の変化を出しました。
一章では学生で実家で過ごします。
二章では見習いでひとり暮らしを。
三章では魔道具師となり、ひとり暮らしをしつつ、結婚について考え始めます。
四章では工房主となり、結婚します。
一章と四章は対になっており、四章は一章をなぞるだけでなく、その先へ、というコンセプトがありました。
あらすじが明確にあったので、この長さでもまだ描き切れていないことが多々あります。
脇役たちのステージや心情の変化などです。
なんなら、主人公たちのその後もふつうに続いていくんだろうなと色々思い浮かびます。
いつかまた書けたらなと思います。
ここまで本当に長い間お付き合いいただき、ありがとうございました。
 




