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プロローグ

注意点を1個、女主人公と書きましたが頭から主人公関係ない重要登場人物の話から始まります

雨の降りしきる中私は黒い執事服を身にまとった老人に手を引かれくらい森を走る。後ろからは暖色の光が迫っており、歳のせいか老人は息を切らせながら意を決したのか急に止まり老人が私の方を向きを目線を合わせ


お逃げ下さい……ここは貴方様には狭すぎます、……その力があることが分かれば”あのお方”の怒りに触れます……私が代わりになりますので…………どうかお早くお逃げ下さい


そう言うとその老人は先程まで進んでいた反対に走っていく。

後ろから、いたぞー!、と言う声がする、あの老人が見つかったのか……そんな事も考える暇もなく暗闇を走る。暗闇を進む中、私は水の音が近づいているのに気が付く、足元が見えなかった私は足を滑らせ激流の川におち、意識を失った。


ーーメタロ王国、王城ーー


私の名前はファルファ・メタロ、このメタロ国の王女です。

周りの人からは絶世の美女とは言われてますがまだ13の私にはよく分かりません、その人たちが言うには、同年代の令嬢たちよりも大人びた体つき、肩まである綺麗な黒髪、そして真紅の瞳を持っていて父からは亡き母の写鏡のようだと言われた。

私は息を切らせながら長い黒髪をなびかせ家族が待ってるところに向かった。


「遅れました、申しわけありません」


礼儀正しく一礼して中に入ると何かに裾を引っ掛けたのかコケてしまった、どこかクスクスと笑う声がする中、父が咳払いをすると直ぐに静かになる。

いつもの食卓、見慣れた長いテーブルには短髪の銀髪の父でありこの国の王である、ヴォロ・メタロ、その隣には茶髪のお団子ヘヤーをしている私の義母上にあたる王妃、ヴェレナ・メタロ、そしてその隣には茶色の短髪の私の弟である、アンドレア・メタロが座っていて、3人分のディナーは置いてあるが、私の座るべきところにはそれはなかった。

私が無言でアンドレアの反対側になるところに座ると義母上が口を開いた。


「ファルファ、遅かったのね、あぁあとごめんなさいね、あなたのディナー……メイドがうっかりしちゃって落としちゃったらしいのよ、今作らせてるから待っててちょうだい?」

「ありがとうございます、お義母様」


慣れたようにお礼を言うとアンドレアがケラケラと笑い始めた。


「姉上のばかり落とすのはやっぱりメイド達から嫌われてるのでは無いのですか?」

「こらアンドレア、これでもあなたの姉なのですからバカにするような発言はよしなさい」


義母上はアンドレアと一緒にくすくすと笑っている、父上は顔色1つ変えずディナーを食べ終えており、口元を拭いていた。


「私はまだやることがあるから戻る、後のことは頼むぞヴェレナ」

「はい、かしこまりましたヴォロ様」


その返事を聞くと父上は自室に向かうためか食堂を去っていった。

それと同時にメイドが私の目の前に雑に皿を出してきた。

料理が軽く空を飛びぐちゃりと音を立てて、ペーストが周りに飛び散るそれは私の着ていたドレスまで汚した、だが誰も拭きもせず、悪びれもしない、ただ嘲笑うようにクスクスと部屋の中で笑う声が聞こえた。作ってくれたシェフには申し訳ないが私は今まで1度も綺麗な状態のものを食べたことは無い、そして温かくもないそのものを口に入れると変な味がした。だが私には吐き出すことは許されない、この義母上の前では決して許されないことなのだ。過去に3回だけ吐いたことがあるが2度は自分で掃除を命じられ、1度に関してはその吐いたものを食べろと言われたことまである。

私は意をけしてそれを無理やり喉に流し込み水を1口飲んだ。

そのまま逃げるように立ち去ろうと思い立ち上がった。


「今日も口にそぐわなかったかしら……?私のオーダー通りにしてもらったのだけど」

「い、いえ、今日は調子が悪いみたいなのでシェフには申し訳ないのですが、残させていただきます……」


そのまま部屋を出るとワッと部屋の中から笑い声が響いた。

私はそれを聞かないようにして廊下を駆けていった。


「はぁ……」


私はいつものように自室でこの部屋の唯一のドアを背にして座っていた。

あのイジメは10年前から続いており、慣れたはずだが少しづつそのイジメはメイド達にも伝染していた。

先程も部屋に入る時に裾を引っ張られコケたのだ、こんな生活を続けていたらその内殺されてしまうのではないか……そんな不信感を感じながら毎日を過ごしている。


「よし、剣術場に行こう!」


私はその現実を背けるために剣術を学んだ。そしてこの国の近衛騎士団の何人かとは試合で勝てる程の実力があった。

騎士団長である、ボルドー・メッケンとは仲が良く、メイド達も彼の前では大人しくしている。


真夜中の0時くらいだろうか、動きやすい服に身を包み、模擬刀で素振りをしているとどこかから話し声が聞こえる


「わー!精霊王様だってー!こっちこっちー!」


幼い子供のような声が何重にもどこかに向かって言ってるのかわらわらと話し声とともに様々な色をした小さな光の玉のようなものが森を進んでいた。

その光は小さいものの、何故か見張りの兵には見えないらしく真横を通っていても気づいてない様子だった。

私はなにか胸騒ぎがして、自前の剣を携えて剣術場の広場からその光を追いかけた。

その光を追いかけていくと急に当たりが明るくなり、周りを見るといつもの王城の庭とは雰囲気が違うところに出た。

鳥が鳴き、花は揺れており木々たちもどこか嬉しげに揺れていた。

そんな幻想的な光景に、なに…これ、とため息を漏らすように呟くと後ろから、ドンッ、となにかに押された。

振り返るとそこには金髪の女性がいた、彼女はかなり美形と言っていいほど顔が整っており、同性である私でさえついつい見入ってしまっていた。


「あら、ごめんなさいね、まさか人族がいるとは思わなかったから見てなかったわ」


彼女がにこりと微笑みながら、そんなことを言うと私の横を通り抜けて先に進んでいく、足には鈴のアクセサリーらしきものが付いていてチリン、チリンと音を鳴らしていた。


「ちょっとまってください!」

「なーに?あら、よく見たら、フェルじゃないの、いらっしゃい、久々にみんなと話しましょう?、アルドとロザリアもいるから。ほら」

「えっちょっと、私の話も聞いてください!」


という私の制止を無視して彼女は私の手を引いてずんずん進んでいき、進んだ先は広がっており真ん中には池がありそこでは羽の生えた小人が宙を舞っていた。

そして池の中心では真っ赤な髪で真っ赤な瞳を持った男性と水色の髪と真っ青な瞳を持った女性がいた。


「おい、ルーシェ、何してたんだよ」

「ごめんなさーいアルド♪」

「ちっ、調子狂うぜ」

「ふっ、ルーシェの事好きだからね、アルドは」

「うるせぇぞ、ロザリア!焼くぞ!」

「何よ、戦いたいの?ええ、いいわよ、あなたの隣だと暑くてたまんないから凍らせてあげる」

「まぁ、まぁ、2人ともそんなことよりもフェルが来てくれたのよ!久々に」

「「お(あなた)のせい(よ)だ!ルーシェ」」


2人が息ぴったりにルーシェと呼ぶ彼女を睨むように見た。


「あら、私のせい?まぁ、そんなことよりも、フェルよ、フェル、30年ぶりくらいに来てくれたんだから、お茶でもしましょうよ」


ルーシェが手を叩くと机が出てきて4人分の席とともにどこからともなくティーポットとティーカップが人数分でてきた。

仕方なく向き合うように座るアルドとロザリア、満面の笑みで私をその間に座らせ、ルーシェ自身は私の向かいに座った。


「元気にしてたー?最近は何も連絡してくれないからなーにも分からなかったんだけど、あの男とは仲良くしてるの?」


私が話す前にルーシェが私に聞いてくる、他のふたりはイラつきながらもお茶を飲んでいた。


「えっと、申し訳ないのですが、私フェルじゃ無くてファルファ…なのですが」

「あら、そうなの?んー、でもその”魔力”はフェルに近いから勘違いしちゃったわね、でもそっくり!その黒髪にそして精霊眼まで♪」

「ねぇ、ルーシェ、この子そっくりさんという訳ではなく多分あの子の娘じゃない?」

「俺もそうだと思う、人族は親の血を色濃く受け継ぐとか聞いたことあるからな」

「あら、そうなのかしら、フェ…間違えた、ファルファ、あなたはフェルの娘なの?」


3人とも不思議そうに私の顔を見つめてくるためキョロキョロしながらも少し顔を赤くした。


「私、お母さんを知らないんです。幼い時に亡くしたので…」

「あら、そうなの、んー…たしか、私のためにフェルが似顔絵を残してくれたのよね」


と言うと彼女は空中に魔法陣らしきものを描き、中に手を入れ何かを探していると見つかったのか嬉しそうにその絵を私に見せる。


「え、私にそっくり…」


確かにその絵は私にそっくりで微笑んだ女性が書かれていた。


「やっぱりそうなのね、ファルファ多分だけど、あなたのお母さんよ」

「お父さんに関しては何か言ってなかったのですか?」

「んー、お父さんかどうか分からないけど、好きな男がいるとか言ってたような?確か名前はヴォロ?…じゃなかったかしら?」

「…私の父上はヴォロ・メタロです」


左右のふたりは何かを悟ったのか下を見て黙りこくった。

何故かルーシェは満面の笑みのまま私を見ていた。


「そうなの、フェルいなくなっちゃったのね、やっぱりなのね」

「やっぱりとは?…」

「私たち3人とも、フェルと契約してたの」

「契約?…」

「私達、属性を司る精霊王なの」

「属性?」

「あぁ、そうだったわ、あなたの国では魔法を勉強しないのよね、属性と言うのは火、水、土、風の基本4属性、そして光、闇の特殊2属性の2種類があってね、アルドは火、ロザリアは水、そして私は光、その精霊王、分かりやすく言えば神様的存在なの」

「えっと、それじゃあ私の母上は…魔法が使えたという事ですか?」


そう、私の国メタロ王国は通称、鉄の国と呼ばれてきた、と言うのは工業が盛んで鉱脈が沢山あり軍隊のほとんどが剣、槍など武器に頼るものが多いからだ。魔術師と呼ばれる存在がいるのは隣国グネリア王国であり、今の所は互いに干渉せずの状態だがどちらとも戦線となる場所には軍を配備しており、一声だけで攻撃できる体制を整えているらしい、つまるところ仲が悪いのだ。


「ええ、そうよ、彼女はグネリアの中では指折りの魔術師だったから」

「私の母上はグネリアの出身なのですか!?」

「ええそうよ?何も聞かされてないの?」

「はい、父上からはなにも母上の事を聞かせて欲しいと言っても何時かな、と流されていたので」

「ええ、フェルは元々はグネリアの軍人で軍隊を率いてメタロのある場所に攻め入ったの、メタロ側にもかなり重要な拠点だったのか、両者共々死体が積み上がるほど戦いを続けたらしいの、そこでメタロ側の軍を率いてたのがあなたのお父さんらしいの」

どこか懐かしそうに話すルーシェはどこか寂しそうだった。

「そんな出会いが…でもどうして母上はグネリアを捨ててメタロに…」

「それくらい好きだったんじゃない?あなたのお父さんのこと」

「そうなのでしょうか…」

「まぁ、そんな詳しいことは私たちは知らないから、ここで会ったのも何かの縁だし、ファルファ、私達と契約しない?」


ルーシェが私に手を出してくる、だがしかし私はその手を握れずにいた、それも当然だ、いきなり母の友と名乗る精霊と契約しろと言われても私は人間不信だから…そう簡単に信用はできない


「俺もあいつの腐れ縁だ、付き合ってやる」

「こいつのお守りは任せてね、ファルファ」


アルドとロザリアもその手に重ねるようにして私に協力してくれるつもりらしい


「えっと、その私、魔法なんて使い方分からないのですが…」

「大丈夫!私達が教えてあげるから心配しないで?さらにだよ!私が昔のフェルのことを教えてあげるから!どうかな?」


確かに私は母上のことは何も知らない、この関係があれば母上のことも聞けるし、もしかしたら父上から話が聞けるかもしれない、そんなことを考えていると


「ファルファやっぱりいきなり契約しよ、なんて答えれないよね、ごめんね、また今度にしよ!えっとそれじゃ…ど、どうしよ」


ルーシェが私が困った顔を見せていたので気を使ったのかなにか別の話にしようとしていた。


「ルーシェさん!私あなた達と契約します!母上の事もっと知りたいので!」

「ほ、ほんと?いいの?」

「大丈夫です!私に色んな魔法、教えてください」


ルーシェは満面の笑みになり、私の手を掴み握手させると真剣な表情をしており、アルドとロザリアも真面目な顔をしていた。


「それじゃあ始めるよ、ここに(えにし)の契約を果たす、我が名はルーシェ、光の加護をこの者に与えん」

「我が名はアルド、火の加護をこの者に与えん」

「我が名はロザリア、水の加護をこの者に与えん」

「「「契約をここに」」」


私が困惑してると、ルーシェが口パクで契約方法を教えてくれた。


「我が名はファルファ、神の加護を持ってこの世に平和をもたらす者なり」


と言葉と共に手元から光が出て眩しくて目を瞑ってしまった。


「ファルファ、終わったよ」


先程のルーシェよりかなり幼い声に呼ばれ目を開けると、私と殆ど年齢が変わらなそうな少女2人と少年がいた。だが3人とも金髪、赤髪、水色の髪であるため誰かはすぐにわかった。


「えっと、契約したら私と同じ年齢になるのですか?」

「うん、そうだよ、最近年取らないな〜と思ってたからもしかしてとは思ってたんだけどね、これからよろしくね、ファルファ、あ、別に私達に対してはタメ口でいいからねー」

「えっと、それじゃぁ…私もファル、と呼んでほしいな…」


恥ずかしそうに昔からの夢であった友達の間での愛称呼びをして欲しくて言うとルーシェは少し驚いた顔をしてたと思うと笑みを浮かべて、いいよ、と答えてくれた。


ルーシェによると私は光属性との相性がいいらしく、明日から光属性の魔法を教えてくれることになった。

そんな話をしてると時間がかなり経ったのか遠くから私の事を呼ぶ声がしていた。


「ルーシェ、私探されてるみたいだから帰りたいんだけど」

「んー、来たところから帰ればいいと思うけど、そーだなぁ、私たち、バレちゃったら面倒だろうから…あ、そうだ」

ルーシェは光に包まれると周りにいた精霊たちと同じ姿になった、それを見たアルドとロザリアも同じ姿になった。

「えっと、その姿の時って私にしか見えないの?」

「うん、元々精霊って言うのはグネリアでも見れる人は稀なんだよ?魔道具を使ってやっと見えるようになるらしいよ」


なら安心だな、と思いつつ、ルーシェ達を連れて、その森から出ると何時もの王城の庭にでることが出来た。

そこに近づいてくる私を探す声、その張本人は近衛騎士団の団員のひとりだった。


「ファルファさまー!こちらでしたか、さがしましたぞ!」

「ごめんなさい、ちょっと体が動かしたくなりましたので少し森でトレーニングをしておりました、お騒がせして申し訳ありません」


そんなことをいいながら、王城に戻っていく、楽しい時間は一瞬だったが、今はルーシェ達がいるので少しは楽しく過ごせるのではないかと考えつつ足を進めるのだった。



ーーグネリア、魔女の森ーー

「今日は森が騒がしいわね、そんな大事なものなら首輪でも付けておきなさいよ、まぁいいわ、今日の私は機嫌がいいの、こんな可愛い”落し物”を拾っちゃったからね」


その日、ある冒険者が魔女が川に流れていた少年を1人抱き上げ森の奥地へ行こうとしていたところが目撃されたらしい。

ここは魔女の森、グネリアで禁忌を犯した犯罪者たちが集まる場所、その中で一番危険と言われたのは四属性の破壊者(テトラブレイカー)と呼ばれる魔女らしい

この作品を最後まで読んで下さりありがとうございます。

6000文字くらいしかかけておりませんがこれ、制作に1ヶ月かかったんですよねー…仕事の合間にも書いてたんですけど中々仕上がらず、結局のところ、暇つぶし程度しか作れてないのが現実です。これからものんびり書いて行けたらなと思っておりますので是非とも応援コメントやここおかしくね?なんていうところありましたら直していきたいなと思ってます

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