1章 -1話-
僕たちの通っている陽炎高校は3年前に開校された。その開講した理由は誰もが知っている4年前に起きた陽炎事件に関わっている。
この地域では夏は毎年あまり暑くはなっていなかったが、この年だけは40度を超える猛暑となった。そして事件は起きてしまった…。その日は一瞬、酷く陽炎が揺らめき目の前が見えなくなり、病院に搬送され亡くなられた方がその地域の8割を上回るくらいとなった。
この事件を忘れないようにするために、陽炎高校は造られることになった。そしてちょうどその1期生が高3になったので夏祭りを行うようだ。
-8月9日-
僕のクラスでは夏祭りは縁日を担当することとなった。
蒼 「 樹、お前は何の屋台にする? 」
樹 「 ん?何のこと? 」
どうやら樹は寝ていたようだ。はぁ、もう明日だと言うのに…。
蒼 「 明日開催される夏祭りの縁日についてだ 」
樹 「 例えば? 」
蒼 「 射的屋、飲食店、花火の3つだよ 」
樹 「 ふーん、だったら花火はやめた方が良いよ。射的にしよう 」
はぁ、またか…。樹はプログラミングが得意なのはまだ理解できるが、ある日から突然先読みをすることが出来るようになったのだ。その理由は僕にも当の本人にも分からない。ただ一つ言えることは『 花火を選んでは絶対にいけない 』ということだけだ。
蒼 「 そうか…、じゃあそうするか 」
こうして僕らは夏祭りに屋台で射的屋をすることとなった。