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もう決行日

月曜日を迎えた。


結局、一度いいのではないかと思える案を思いついたためか、どうしてもそれを煮詰めることに時間を割かれてしまった。

それでもよりよい解決案はないかと考えたが、代案が浮かぶことはなかった。


もちろんこの案も絶対に成功するなんて言えない。もし失敗すればさらに厳しい状況に追いやられるだろうが、その時はまた考えるしかない。


だがそれはあくまで第2案、無理だろうが録音で言質さえとれればそれで終わりだ。第2案にはデメリットと、大丈夫と想定してはいるが肉体的なリスクもある。


そして決行の時だが、それにはいくつかの条件が必要だ。時間に余裕があり、人通りがまず間違いなくある、そしてもちろん加賀美らと接触できる時間でなければいけない。


そうなると登校後や授業の合間の短い休憩時間は難しい。また放課後も不確定要素が多すぎるので最も有力な時間帯は昼休憩となってくる。結城に確認したところ、3人は昼にはいつもD 組の教室に集まって弁当を食べているらしいのでほぼほぼコンタクトを取ることができるだろう。また他の生徒の動きとしても放課後より昼休憩の方が固定化されている。

元々はC 組とD組を順に回ろうとしていたが、これならば、イレギュラーがない限り早田のクラスを確認する必要はなかったな。


つまり残された問題は人通りがまず間違いなくある時間帯。この学校の昼休憩は12~13時の間。4限のチャイムが鳴った直後は移動などで期待しているだけの人通りがあるだろうが、さすがに間に合わない。加賀美らを呼び出している間に、生徒らは好きな場所に腰を落ち着けて昼食を取り始めるので廊下の人通りはかなり少なくなる。だから昼食が終わり再度人通りが多くなる12時30分~が最適と言えるだろう。


まあ万が一、3人のうちの誰かが休みだったり、イレギュラーに教室で食事をしていなかったらまた別日に決行することになるが。


金曜の放課後に下見も済んでいるし、あとは昼休憩を待つだけだ。



やばい、すげー緊張してきた。大舞台ってわけでもないがこういう時自分ってマジで小心だと思い知らされる。


時刻は12時20分、特に意味はないが下準備などもないためなるべくいつも通りの行動を心がけ、急ぎ目に憩いの広場で食事を済ませ今は本校舎に帰ってきたところだ。

おそらくちょうどいい時間と言えるだろう。30分前を目安にD組に向かい3人を呼び出す。もし早々に弁当食べ終わっていなくなってたらどうしよう……。


「ねえ君D組?」

「そうだけど」

「えっと加賀美ってどいつ?」

「あーあそこの3人で駄弁ってる中の髪が1番長い奴」

「サンキュー」


D組に着き、ちょうど教室から出てきた生徒に話し掛けお目当ての3人組を見つけることができた。ふぅ、第1関門突破。3人の座ってる席に向かうがもう心臓が張り裂けそう。周りにこの音聞こえてたりしないよね?


「なあちょっといい?話したいことあるんだけど」


歓談中に知らない人間に話し掛けられた3人は突然の事にお互いの顔を見合わせている。


「誰だ?」

「知り合い?」

「いーや」

「それ誰に言ってんだ?」

「3人に。大事な話だからちょっとそこまで付いてきて欲しいんだけど」


3人ともただただ疑問とでも言うような顔をしている。

どうやら俺が結城と同じ部活の人間ということすら知らないっぽい。

前にこのクラスに来て結城に話し掛けた時にこいつらがいなかったのか、もしくはただ忘れているだけかは分からないが助かったようだ……こればかりはどうしようもないから怖かった。


あとは付いてきてくれることを願うのみ。

お願い、断らないで!もう昼食も食べ終わってるんだし暇だろ?

緊張から手の平とか引くくらいびっちゃびちゃ。


「なんか知らねーけど俺らも暇じゃないんだ。すぐに終わらせてくれ」


リーダーの加賀美が了承してくれたことで他の2人も続いて席を立つ。


そして付いてきてくれというように3人を先導する。


「どこまで行くんだよ」

「悪いね。なるべく人に聞かれたくない話だから周りに人がいないところ。すぐそこだから」


そして廊下を少し進み、階段に差し掛かる。


「屋上か?鍵なら開いてないぞ。知らないのか?」

「あーいや、人通りがなければいいから屋上の扉の前の踊り場だったらちょうどいいかなって」

「なるほどな」


この踊り場、少し奥行きがあり階段下からだと完全に視認することができない場所がある。どの位置まで行けば見えないのかを金曜の放課後に確認したのだ。人がいる時間帯にそんなこと確認してたら不審に思われるからな。


床は四角いタイルを連ねて形成されており、扉側から3つ以内ならば下の階からうまく確認できないことは分かっている。3つ目のタイルの上に立ったとして見えるのは頭頂部くらいだろう。

……よしよし、近すぎず遠すぎず。ほぼベストな位置まで来てくれた。


わざわざ周りに人がいないところへ連れ出したのだから少なからず警戒されていはいるだろうが、おそらくそこまで強いものではない。

それに極論を言えばここまで連れてこれさえすればもういい。


ふぅ落ち着いてきた。

心に少し余裕が出来た途端にこいつらの顔見るといらいらしてくるな。なにのうのうと学校生活送ってやがる。俺がロシア人格闘家のように強く、何の制約もなければこの場で気絶するまで殴ってやりたい。


いや、怒りに駆られるな。落ち着かないとただ自分で成功確率を下げるだけだ。ないだろうが万が一相手が録音していることも考えられる。下手な言動一つでこちらの作戦が崩壊しかねない。


「で、話したいことってなんだよ」

「あーそうそう。お前らってさ3人で結城の事いじめてる?より正確に言えば暴力まで振るってる?」

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