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虚飾性男子は恋すら喉を通らない  作者: 久栖ガマ
1章 それぞれの出発点
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そうはさせない

車に揺られること約30分、今俺達はスーパーに買い出しに来ている。


「ゴミ袋と今日の昼ごはんは私が適当に買っておく。みんなは今日の夜と明日の朝ごはん、あとはお菓子でも飲み物でも自由に買ってくれればいい」


そう部長から指示を受け、それぞれが別れて行動を始める。


俺は結局パスタを作ることに決めた。何パスタにするかは店内を見てから決めようと思っているが、結城が足早に去っていくのが気になり後を追ってみる。まあ部長の言う通り誰が何を作るかはお楽しみであまり詮索したくはないが、俺の予感が正しければ……。


「結城、そこ冷凍食品コーナーだけど」

「!?」


いや驚きすぎだろ。


「だめとは言わないけどさ、まさか冷凍食品だったり惣菜だったりの出来合いのもので済ませようとか思ってないよね?」

「き、貴様はキャンプの事が何もわかっていないな。キャンプというのは基本便利であっても何も問題ない。どの部分を不便にして楽しむかは個人の裁量に(ゆだ)ねられている」

「いやなにもっともなこと言ってんの。部長悲しむよ?それに俺も結城の手料理食べたいんだけど」

「私も」


わ、びっくりした。足音なくいきなり現れないでくださいよ部長。でもこれで結城の退路は断たれた。


「部長、私は料理をあまりあまりしないので……」

「大丈夫、何事もやらないとできない」

「ってことで何作るか考えないとな、少しくらい遅れてもいいからしっかり考えろよ」


さーて、俺も自分の買い出しを進めなくちゃな。

達成感で気分がルンルンの俺は冷凍食品コーナーから入り口まで戻ってくる。すると入り口近くの

1つのコーナーが目に入る。そこは地域の人間が売り物にする野菜などを持ち寄って作られているコーナー。こういうコーナーってその地域独特の珍しい物や、季節の物があったりするから案外見るのが楽しいんだよな。

お、山菜なんてあるじゃん。俺が住んでる町は開発されていて山など残っておらずなかなか見かけることはないが、この地域はまだまだ緑が残っている地域なだけある。

俺自身山菜を使った料理は天ぷらくらいしか作ったことがないが、この機会に山菜パスタなんて作ってみてもいいかもれない。

まあ山菜パスタなんて言ってもにんにく入れとけばだいたいおいしくなるだろ。女性陣にんにくは臭うからだめとかないよね?


パスタ、山菜、にんにくをカゴに入れたところで、ふと疑問が浮かぶ。

調味料類ってどうするんだろ。

調理器具などは持ってきているが、調味料を持ってくることにはなっていなかったはずだ。

一応部長を探して聞いてみるか。


「あ、部長。調味料ってどうするんですか?」

「言い忘れてた。油、醤油、塩コショウなんかはこっちで買っておく。結城と先生にも伝えてくる」


そう言い、部長は速足で2人を探しに離れていく。

ということは、あとはベーコンと顆粒だしなんかがあれば料理として形になるだろう。


夜ごはんの買い物は終わったし、残りは朝ごはん用にパンと、ミルクティーでも買っておくか。


こうして、順調に買い物を終えた俺は車に戻ると、先客が1人。

まさかの結城が1番乗りである。


「あれ、早くない?やっぱり出来合いの物買ったとかなしだからな?それに飲み物とか明日の朝ごはんちゃんと買ったの?」

「フンッ、ちゃんとした料理のための材料を買ったぞ。それに忘れ物などあるわけないだろう。私がそんなに信用できないか?」

「え、できないけど……ごめんそんな睨むなって」


どうやら抜かりないらしい。まあここまで言うんだ、楽しみにさせてもらうことにしよう。

それからまもなく部長と先生も買い物を終え、これで全ての準備が整った。あとはキャンプ場へ行くのみだ。



人生で初めてのキャンプ場。部長が目を輝かせているが、恐らく俺の目も同じようなことになっているだろう。まだ入り口にいるので全貌を臨めるわけではないが、学校の広場を自然的に、そして広大にした感じといえばいいだろうか。


「私は車の中で待ってるからお前たちで受付してこい」

「え、こういうのって大人がするんじゃ」

「何を言っている、これはお前たちの部活だ。あくまで私は引率だ。私がやってどうする」


あ、たしかに。こういうときだけ脳死で大人を頼りにしようとするのは悪い癖かもしれない。これは俺達の部活なんだ。


そうして3人で受付へ向かう。受付の人に利用人数を伝え会計を済ませた後、諸々の説明を受ける。ここのキャンプ場は区画が分けられている訳ではなく、好きに場所を決めてテントを設営して大丈夫らしい。また薪を含めキャンプに必要なものを販売・レンタルしているらしいので、薪を購入し、一通りの話を終えた俺たちは先生も交えどこにテントを建てようかとキャンプ場を見て回る。

休日ということもあってちらほらと家族連れの客も見受けられる。他の客とはなるべく距離を取りたいということで意見は一致し、俺たちが結局辿り着いたのは小川が近く、受付からはかなり離れた場所。水場が近いからって虫が多いとかないよね?


「ん、ここ完璧」

「ですね。じゃあテント設営していきましょうか」


俺、部長・結城、先生に別れてテントの設営を始める。どこにポール通すんだとか、ペグがうまく地面に刺さらないなんかの少しの戸惑いはあったものの、それぞれが思っていたよりも簡単に設営を終える。

改めて3つのテントを眺めてみるがなんか俺のテントだけしょぼくない?大きさはそこまで変わらないんだけど、俺の以外今時なデザインだし、先生のなんてやけに立てるのが簡単そうだった。

まあ俺の場合1番安いのを選んだから、安かろう悪かろうなのはしょうがないか。

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