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虚飾性男子は恋すら喉を通らない  作者: 久栖ガマ
1章 それぞれの出発点
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部活見学1日目

月曜になり本格的に授業が始まる。高校で、さらには進学校ということもあり少し身構えていたが、所詮は最初の授業。よくよく考えてみれば、いきなり難しい授業になるわけがないのだ。

どの科目も先生の紹介や内容としても触りの部分だけで、特段頭を悩ませることもなく1日は過ぎていった。


そんな中で想定外だったのは学食だ。まずかなり人が多かった。それは新学期で珍しがった新入生が多いだけという可能性もあるが。

そしてもう1つの問題は、1人だとすごく浮いてしまう。もちろん俺以外にも多少おひとり様がいたが、学食自体がまるで友達とのコミュニケーションスペースとでもいうように、1人は気まずいやら寂しいやらで、今後学食を利用したいとは思わなくなってしまった。

まあ適当にクラスの誰かと一緒に行けば気まずさやらはなくなるのだが、教室で話すことはあってもそれ以外ではなるべく1人で過ごしたい。もしそれで付き合いが悪いだの思われるならばそれでいいと思っている。


なので、明日からは昼食はどこかで調達してきて、外で食べようと思う。ただ売店でパンやおにぎりを買うのは、今日見た感じだと人数的にもかなりの待ち時間が掛かってしまいそうだったので、(あらかじ)め校外で探すべきだろう。いいお店が見つかるといいが。



「今日から部活動の見学期間だ。皆思うような部活はあっただろうか。先週配った冊子は言われた通り持ってきているな?そこにどの部がどこで活動しているか書かれているので自分の思うところに行ってみるといい。用事がある者はもちろん帰っても構わないし、既に決めていて早々に入部したいという者は、部活動の顧問に入部届をもらい記入して私に提出してくれ。それでは今日はここまで」


よーし、文芸部いくぞ文芸部!俺は教室をそそくさと退出する。


しかし、急ぎ過ぎたようで文芸部が活動する教室に到着しても、まだ文芸部員すら全員揃っておらず少し待つことになってしまったが、まもなく説明が始まる。


「1年生もまあまあ来てるね。じゃあ今いる子にとりあえず説明しちゃおっか。文芸部って言うとどんな部をイメージするかな、君!」

「本を読む?」

「そう本を読む!でもこの部はそれだけじゃない。1年生は毎月読書感想文とその作品の分析、2年生以降にもなれば自分なりに本を執筆してもらう。ジャンルは小説でもいいし絵本を描いたっていい。本を読む日もあれば、意見交換、討論、発表などを行う日もある。そして自分の成果物を各自文化祭で出展・販売するわけだ」


え、想像してたのと違う。ってか上級生だけで思ったより人いるな。もう少しこじんまりしたのを想像してた。


「1年生じゃ本書けないんですか?」

「希望者は1年生のうちから執筆してもらっても構わないよ。だからって読書感想文なんかが免除になるわけじゃないけど。まあ今から普段どういう風に活動しているかを直に見てもらおうと思う。あ、毎年の事なんだけど想像していた文芸部と違う!って子もこの中にいると思う。いつでも退室してくれていいよ」


どうせだし一応見ていくか。


そして一通りの説明と発表が終わる。

いやー白熱してた。


静寂に包まれた教室。そこにあるのはページをめくる音、風に吹かれ揺れるカーテン。パイプ椅子には眼鏡をかけた三つ編みの少女。


俺の想像してた文芸部はこうだ。


だが現実は、俺が思い描いていた情景とは180度違った。

発表が終わった後各所から猛攻を受けていたあの先輩、リンゴのように赤くなっていたが頭の血管は無事だっただろうか……。


文芸部、短い付き合いだった。

さてまだ時間はあるな。今日あと1つか2つくらいは見ておきたい。そう思いながら歩いていると、目に入ってきたのは行事実行委員の教室だ。そういえば金曜日にここだけ委員だったから気になったんだったな。少しだけ覗いてみようかな。


「失礼しまーす」

「お、いらっしゃい。行事実行委員だけど興味あるのかな?」

「一応どんなところかなって思いまして」


教室の中では幾人かの1年生がマンツーマンで説明を受けていた。文芸部ほどに1年生の数がいないからこの形態を取ってるのかな。


「行事実行委員は、体育祭、文化祭だけじゃなくいろいろな行事の計画立案運営をする部だね。我々で準備するだけじゃなく、指示して人を動かす立場になることも多いかな」

「生徒会とは違うんですか?」

「うちの部があるからね。基本生徒会は行事にはノータッチだよ」

「ぶっちゃけ忙しいですか?」

「そうだね、元々は生徒会と同様にここも委員会って括りだったんだけど、忙しすぎて部活動と兼任するのは無理ってことで部活動として独立することになったくらいだからね。行事自体はあまり多くないけど、それでも2か月に1回くらいは開かれるし、その度に準備を進めていかなきゃならない。でも年に1回我々が学校に提出し、承認されされれば行われる自由裁量の行事なんてのもある。やりがいはあると思うよ」


やりがいと聞くとなにかマイナスな印象を抱いてしまいそうになるが、オリジナル行事なんてあるのか。

それにほら、行事って本番よりも準備してる時が1番楽しいってよく言うし案外面白いかもしれない。


そこから行事予定表を見せてもらったり過去のオリジナル行事の話を聞いたりもした。まだいろいろと見て回りたいから決めはしないが、候補の1つにはなり得るだろう。


こうして1日目の部活見学は終わりを迎えた。

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