第5話 ダンジョン増築とレベル0
城はできた。
しかし、これではまだ甘い。
そう、地下牢と拷問部屋がないのだ。
これでは、私の欲求が満たせないではないか。
それでは、困る。
しかし、地下牢はともかく、拷問部屋は城内に創るべきか。
拷問部屋は衛生的にも臭い的にもよくない気がするので、分けた方がいいのかもしれない。
では、拷問部屋は別のところに創るとして、地下牢は予定通り地下に創れば良いだろう。
この地下牢を創る場合は“ダンジョン創造“や”ダンジョン魔法”、“創造魔法“ではなく”ダンジョン操作“を使う。
その理由としては、地下牢を創るのではなく、城の地下に増築するだけなので創造ではないからだ。
そのため、この場面では“ダンジョン操作”が最も適しているのだ。
地下牢を造るにも、どういうイメージで造れば良いだろう?
シンプルに石の床に鉄格子でいいだろうか。
しかし、それでは味気ない気がする。
ならば、床は大理石にして鉄格子はアダマンタイトにしよう。
それから、一人一部屋にするために、一つの部屋は2畳ほどで良いだろう。
部屋数はどうするべきか。
これからたくさんコレクションを集めることを考えると、部屋はたくさんあった方が良いだろう。
ならば、2000部屋で良いだろう。
二畳の部屋が2000部屋で4000畳、2畳で1坪のなので2000坪だ。
ちょっとした刑務所ぐらいはあるのだろうか。
まぁ、刑務所の広さなど知らないが。
あとは、明るさはどうしようか。
あまり明るすぎてもイメージ的に良くない。
ならば各部屋の入り口に“創造魔法“で創った魔法のランタンを取り付ければ良いだろう。
『イメージは固まりましたかマスター』
「あぁ、決まったよ。“ダンジョン操作“地下牢、”創造魔法“魔法のランタン。」
“ダンジョン操作“を使って地下牢を増築したが、今は城の外にいるので確認できないが、ま私がやった仕事だ。
完璧にできているだろうから確認は不要だろう。
「知者さん、この後はどうすればいいかな」
『それでは第二層を創ることをお勧めいたします』
第二層か。
たしかに現状、一層しかないから侵入者に対して弱い。
これでは、地上に入り口を創るにはまだまだだろう。
第二層はどのように創るべきか。
悩む。
アリシアは草原の草の上に寝ころび一人思案する。
どうすれば良いか。
やはり凶悪なトラップを使うべきか。
しかし、それは後で良いかもしれない。
今は、ダンジョンを探索する時間を長くするのが優先事項だろう。
ここはやはりボス部屋などを設置し、その手前に迷路を創るべきか。
悩む。
本気で悩む。
何せ、私の命がかかっているからだ。
今のチート状態でも一対一ならば負ける気はしないが、私は戦闘向きのステータスではないからだ。
多対一や連戦では隙が生まれて、攻撃を受けて重傷を負うかもしれない。
もしかしたらという状況を一つ一つ潰していかなければならないだろう。
そういえばステータスにレベルってなかったけどなぜだろう。
『それは、マスターがレベル0だからです。
ステータスに生命力、攻撃力、防御力、魔法力、魔攻力、魔防力、敏捷性、幸運値などが表記されるのはレベル1からです。つまり、マスターはダンジョンコアの魔法力などは無限にありますが、他は一般人です。なので、今後マスター自信を強化していかなければなりません。』
「まじか」
『マジです』
こうなると、地上に入り口を創るのは当分お預けだな。
今の状況では紙装甲すぎる。
でも、どうやって自己強化すればいいのだろうか。
『簡単です。モンスターを召喚しマスターの命令で動けなくしてから、止めを刺し強奪でステータスを奪っていけばよいのです。』
なるほど、それは私好みだ。
そうなると、第二層はモンスターを殺すためのエリアにしようか。
そうなると拷問部屋は後回しだな。
次回は少し残酷なモンスターの虐殺です