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第4話 設備を整えます

青々とした草原に黒髪の女性アリシア・ヴェルディアスは一人たたずむ。


まだ何もない草原ではあるが、青い空に白い雲、心地の良い暖かい風までが吹き抜けている。


だが、ここは地中にあるダンジョンである。


ダンジョンに常識は通じないとわかっていたが、ここまでよくわからない仕組みであるとは思わなかった。


ただし、自分はダンジョンコアでありダンジョンマスターだ。

自分の思うままに自分の世界を、ダンジョンを創れる全能感が私の心を潤わせる。

なんと心地の良いものだろうか。

これでモンスターや人種を支配できた時には、どれほど心が満たされるだろうか。

いやモンスターと人種は別か。

これで美しい人種を組み敷き犯した時の喜びはどれほどのものだろうか。


アリシアは考えながら、得られる喜びを想像し頬を緩ませ、闇を纏った美しい顔を歪ませる。


「知者さん、ここには何が必要かな?」


困った時は、便利で何でも知っている知者さんに頼るのが一番手っ取り早い。


『そうですね。ダンジョンコアであるマスターは水や食料は嗜好品であり、生きるためには何も必要はありませんが、湖や河川、果樹、家などを創ってみては如何でしょうか。あくまで気分の問題というレベルでしかありませんが、マスターが今後、モンスターを飼う場合や人種を調教し飼育する場合には必要になりますので』


「なるほどね、では“ダンジョン魔法“湖、河川。」


ダンジョン魔法を唱えると地面が一気に20mくらい陥没し水が底からあふれ出し湖が形成され、次いで湖の両端から地平線まで川が形成される。


湖の広さは琵琶湖くらいだろうか。

川の広さに至ってはナイル川のような規模だ。

これ、氾濫したりしないよね?


『問題ありません、マスターが“ダンジョン魔法”を使って河川に集中豪雨を発生させない限り安全です。』


なら問題ないな。

それに地平線まで見えるこの広さの階層を創ったのは正解だった。

このどこまで広がっているかわからない草原エリアからダンジョンコア兼ダンジョンマスターの私を探すだけでも最低数か月はかかるだろう。

これならば、食糧が尽きて撤退するか、撤退時期を見誤ってだいぶ消耗してくれるだろう。

そうなれば、一方的な蹂躙と虐殺ができる。

美しいものは生かし捕え犯し、醜いものは玩具にして壊し殺してしまえばいい。

考えるだけで笑みがこぼれてくる。

あぁ、楽しみだ。

楽しみでしょうがない。

美しきものを一方的に犯した時の愉悦はどれほどのものだろう。

考えるだけで濡れてくる。

あぁ、ほんとうに待ち遠しいものだ。


『マスター、正気に戻ってください。次は果樹を創造してください。

 果樹もダンジョンの効果により水を上げなくても、この草原エリアならば年中収穫可能です。」


「おぉ、それは便利だ。」


果樹といっても種類がだいぶある。

何を手始めに植えるべきだろうか。

まぁ、ここは適当でいいだろう。


「“ダンジョン魔法“リンゴの木×100、ミカンの木×100、モモの木×100」


ダンジョン魔法を唱えると地面からムクムクと芽が出てきて、それが徐々に成長し3m程度の果樹となる。ついで、各果樹が花を咲かせ、しばらくすると花が枯れて実が形成される。


これで、ダンジョンの食糧事情も最低限どうにかなるだろう。

まぁ、私自身は食べなくても問題ないからいいんだけど。


『それでは、最後に家や人種を奴隷とした時のために牢屋などを創ることをお勧めします。』


なるほど家と牢屋か。

あと美しくないもので遊ぶために拷問部屋も創っておくか。

しかし“ダンジョン魔法”では拷問部屋を創ることはできても、拷問道具を作成することはで

きない。

なぜならば、“ダンジョン魔法”でのアイテム作成はランダム作成であるため、武器や宝石、貨幣などのいかにもダンジョンなものが作成されてしまうためだ。

そこで、“創造魔法”の出番だ。

“創造魔法”ならば何でも好き放題創造可能なのだから。


まずは家から創ろうか。

悩む..........

どうせならば豪華なものにしたい

ならば西洋風の城などはどうだろうか。

モンサンミッシェル。

ノイシュヴァンシュタイン。

プラハ城。

ブラン城。

リーズ城。

創ってみたい城はたくさんあるがどうしたものか。

悩む。

まぁ、ここも何となくでいいだろう


「“ダンジョン魔法”ノイシュヴァンシュタイン城」


“創造魔法“を使用すると巨大で美しい城が地面から突如として浮上してくる。


うむ、すばらしい城だ。

さて、名前はそのままノイシュヴァンシュタイン城では味気がない。


「知者さん、この城にないかいい名前つけられない?」


『でしたらマスターの城なのですからヴェルディアス城でよろしいかと』


よし、今日から私はこのヴェルディアス城の王だ。

なにをやっても許されるのだ。

そう考えると、今後が楽しみでしょうがない。


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