第3話 ダンジョン作成
やっとダンジョンスキルを使います。
「それでは、さっそくダンジョンを創っていきたいけど、ここはどこなんだ。いまだに岩に囲まれて閉じ込められているんだけど。」
この暗くて狭い状況から早く脱出したいものだ。
周囲は真っ暗でほとんど見えないけれど、手の感触から固い岩に囲まれているのがなんとなくだがわかる。
だから状況は絶望的なのもわかる。
なぜならば能力を使って脱出するのもイチかバチかだからだ。
狭くて能力の試し打ちができない。
下手をすると岩壁や岩の天井が崩れて生き埋めになってしまう。
だから失敗はできない。
『マスターがここにいるのは、マスターがダンジョンコアであるからです。
産まれたてのダンジョンコアは通常、力が弱く外的に破壊されてしまうため地中深くに隠れ、力を蓄え、ある程度の強さに成長したとき地上にダンジョンへの入り口を創り、侵入者の血肉をすすり、さらに大きなダンジョンへと進化をしていきます。その習性のために、マスターは地下深くに転生したものと考えられます』
なるほど、そういう理由で地中にいるということか。
「知者さん、ならばこのあとはどうすればいいの」
『でしたら、この地中深くでダンジョンを創造し、力を蓄えてから地上へと入り口をつないだ方がよろしいかと。なぜならば、ダンジョンコアでありダンジョンマスターでもあるマスターは、地上のモンスターからすれば恰好の良い餌であり、人間やエルフ、ドワーフ、獣人、魔族などの人種からすれば貴重なエネルギー資源ですから、まず狙われるかと』
つまり、わたしは誰からも狙われる存在であり、仲良くしていくのは難しいということだ。
私の命を奪おうとするならば、逆に奪おうとする者たちから奪ってよいということだろう。
ならば、前世のように奪われ続け無価値な存在となり死んでいく必要もないだろう。
奪われる前に奪ってやろう。
それがたとえ魔王と呼ばれようとも。
『方針が決まったようでしたら、さっそくダンジョンの創造に取り掛かってはいかがでしょうか。能力の使い方でしたら頭にインプットされているので自然と使えるかと思います。』
たしかに、自分の能力を考えると自然と使い方が浮かび上がってくる。
うむ、まずどんなダンジョンを創るか。
通常は地上から地中深くになるにつれて1層、2層となるが私の場合は、ダンジョンコアであり、ダンジョンそのものだから地下深くから計算して地下1層、地下2層と地上に上がっていくにつれて数字を増やしていこう。
あとはまずは、どんな階層を創るかだ。
最初は居住区を創るべきだろう。
居住区を創るのならばどんな創りにするかだ。
「よし決めた、“ダンジョン創造“草原」
ダンジョンスキル“ダンジョン創造“を使用すると暗くてジメジメとした岩に囲まれた空間が一瞬で端が見えないほどの草原へと変化する。
『どうやら成功したようですね』
ああ、上手くダンジョンを創造できたらしいが、現状何もない草原だ。
まずは、居住設備を整えて、それからダンジョンを強化していかなければならないだろう。
次回から、ダンジョンを強化していきます。