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異世界でダンジョンコアから神様に進化しました  作者: 山野宗太
第2章 城塞都市アルゲード
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第11話 新たな街へ

アリシアはエンレとともに初めてダンジョンの外へと足を踏み出す。

アリシアは変わったのだ。

傷つき怯えていた、もうあのころには戻らないと誓った。

ただ闇雲に、いたずらに生き物を傷つけいたぶり、愉悦を感じていたと思っていたエンレがいる。


もう、なにも恐れることはない。


そう、思いさらに踏み出そうとするが足が上手く前に出ない。

それを見て、エンレは優しく微笑みながらアリシアの手を握る。

それが、どうしょうもなく心地いい。


「そんなに外が怖いなら一度、ご自分のステータスを確認してはいかがですか。」


なるほど、ステータスから勇気を貰うのか。

それならば、いけるかもしれない…

たぶん…


「ステータスオープン」



名前:アリシア・ヴェルディアス

性別:女性

種族:支配と創造のダンジョンコア

職業:ダンジョンマスター

称号:サディスト、色欲の魔神、強欲の魔神、支配神

生命力:∞

魔法力:∞

攻撃力:4憶5400万

防御力:45憶2400万

魔攻力:17憶3400万

魔防力:79憶4980万

敏捷性:∞

幸運値:340000

権能:強奪の神、色欲の神

異能:能力統合進化、叡智、瘴気の魔王

ダンジョンスキル:ダンジョン創造、ダンジョン操作

武術-武装術、剣聖、拳聖

魔眼-千里眼、無効の魔眼

加工―錬成術

芸術―舞踏

常時発動―身体活性、アイテムボックス

限界突破

任意発動―隠蔽、鑑定、空間切断、転移

特殊―魔王の威圧、聖域の守護者、物理攻撃無効、不老不死

魔法:創造魔法、ダンジョン魔法(転移、命令、召喚)

太陽魔法、海魔法、嵐魔法、大地魔法、無属性魔法、

空間魔法、生活魔法、獄炎魔法、重力魔法、光魔法、

原初の炎、氷魔法、雷魔法、天空魔法、神聖魔法、神速魔法



ほとんど、

変わっていないが、これでは化け物だ。

この化け物に手出しできるものは神くらいなものだろう。

大丈夫かな…

邪神とかでてこないよね…

それになぜだか、スキルのレベルが消えている。

あと、転移もなぜか取得している。


「エンレ、なんかスキルのレベルが消失しているみたいなんだけど?」


そう、これまではスキルのレベルがあり、

ちょこちょこスキルが進化していたのだ。

もしかすると、これが成長限界というやつなのだろうか。


アリシアは自分の限界を知りショックを受けた。

誰しもが、自分の限界を知ると嫌な気分になるように。


「スキルのレベルが上がったのは、心を知り始めたため神としての覚醒が始まったためです。神にはスキルレベルが存在しませんから。あとマスターはまだ成長限界に達していませんし、限界突破のスキルを持っているので成長限界は超えていけます。ですから、そのように捨てられた子犬のように、見つめないでください。」


エンレはウルウルと見つめてくるアリシアの可愛さに、視線をそらし何とか正気を保つ。


(危ない、危ない。ついつい甘やかしすぎるところでした。厳しくするところは厳しくしないと、いつになってもマスターが大人になっていただけません。)


「それで、マスター、これからどちらに向かいますか。

 北に10㎞行ったところに城塞都市がありますが、

 そちらでよろしければ、ご案内しますがいかがですか?」


城塞都市か…

いきなり、大きな街に行って大丈夫だろうか。

今の私の姿って目立たないかな。

銀髪に、右目が黒に左目が金の眼、そして美少女な容姿、

胸はエンレに計測して貰ったらDカップもあった。

こんな容姿で、目立たないはずがない。

そして、エンレも間違いなく目立つ。

私と同じで銀髪に、赤い眼のグラマラスなお姉さん。

明らかに面倒ごとに巻き込まれるのが確定している。

どうしよう、行きたくなくなった。

今日は、ダンジョンで一泊してから考えようかな。


しかし、そんなヘタレな少女の考えを、

アリシアの異能が実体化したエンレが思考を読まないわけがない。


「マスター、ちょっと前の強気な態度はどこに行ったのですか。

 今のマスターは完全に人見知りの少女にしか見えないのですが。

 もう少し、強気に生きてください。」


エンレの小言にアリシアは引きこもれないことを知り、

どうにか城塞都市行きを避けられないものかと考える。

しかし、現実的にそれ以外、やることがないので諦めて、

エンレに抱き着き、エンレの体温を感じることに専念するという現実逃避へと走る。


「とりあえず、大丈夫なようなので出発しますね。いいですね、マスター。」


エンレはぶっきらぼうに、アリシアに出発を告げる。

エンレもエンレで別のものと戦っていたのである。

理性と。


(あぁマスターの胸、柔らかいですねぇ。それにマスター、甘くていい匂い。はぁああ、なでなでしたいなぁ。)


エンレの頭の中もお花畑である。

むしろ、アリシアを甘やかしたくてしょうがないのである。


そんな無防備な二人を外敵が見逃すはずもなく1㎞ほど進んだところで、

盗賊の襲撃を受ける。


「えへへへ、こんなところで、こんな上玉に出会えるとは運がいい」


盗賊のボスのような男が嫌らしい目つきでアリシアとエンレを視姦する。

手には剣を手にし、脅すように揺らしながら、恐怖を与えようとする。


「お頭、この小っこいほうは俺にくれません。

 こういう小さなガキはあそこの締まりもいいんでさぁ。」


「おれはお姉ちゃんのほうかなぁ。特にあの胸がたまらねぇ。」


盗賊団は次々に現れ10名になる。

それぞれがアリシアたちを犯す皮算用をしており、

自らが勝つことを疑わない。


盗賊団は警戒しなければならなかったのだ。

こんな、森の中で美しい女性二人だけで歩いていることに。


だが時は遅く、アリシアの大地魔法により首まで土に埋められていく盗賊たち。

全ての盗賊を拘束するまでに30秒とかからなかった。


そして、盗賊団はこの頃になって後悔をする。

この怪しい、二人組に手を出したことが間違いであることを。

こんな危険な森の中で無防備に歩いている不自然さに気づかなければいけなかったのだ。


「それでマスターは、この者たちをどうするのですか?」


エンレは心配そうにアリシアの顔を伺う。

アリシアが人を殺し、また苦しんでしまわないか心配なのだ。


「なにもしないで、そのままだよ。生き埋めのまま放置。」


アリシア自身やエンレなど大事なものが奪われるのならば、

容赦をする気はない。

今回、盗賊を放置するのは自分たちの害にもならないと判断したからである。


だが、盗賊はこの言葉に恐怖しうろたえる。


「ふざけるな、こんなの人殺しと変わらないだろうがぁああ!!!」


盗賊団のボスは、人でなしとどっちが犯罪者だかわからないことを叫ぶ。

だが、この盗賊団は今までに強盗、

強姦、殺人と様々な犯罪をしていることは鑑定魔法で確認済みである。


「今まで、人からいろんなものを奪ってきたんだから、

 次はあなたたちが奪われる番だよ。

 それに、あなたたちを殺すのは自然か獣か、魔物だよ」


今までモンスターと呼んでいたが正式名称は魔物らしい。

エンレに正されるまで気づかなかった。

恥ずかしいい…


盗賊団を放置して、道を進むこと6km、

そうすると森から出て舗装された街道へと出る二人。

先がない開発途中の道であるため、街道には他に人はおらず、案内板もなくきちんと整備されていない雑なつくりの街道である。


これは城塞都市から森を抜けて隣の国まで繋げようとしたが、

魔物が多すぎて開発を断念したためである。


さらに街道を進むこと1㎞、3㎞離れていてもわかるくらいに巨大な城壁が視界に入ってくる。


これは、おもったよりも凄いな。

城塞都市と言っても、もう少しちゃちい物だと思った。

ごめんなさい。

誰だかわからない、お偉いさんのいる方に向かって拝むアリシア。


「マスター、それだとお亡くなりになっていますよ。辺境伯さんは」


辺境伯か。

いかにもファンタジーだな。

でも貴族かぁ。

面倒なことにならなければいいなぁ。


門の前まで歩いていくと、いかにも冒険者風の衣装を着た人々が門から溢れるように出てくる。


まだ朝方だから、これから仕事かな。

おそらく、魔物を倒したり、素材を集めたりするのだろう。


「おおむね正解です。補足すると冒険者カードに討伐モンスターが日時とともに表示されますので討伐依頼は、証明部位などはありません。素材採集の場合のみ運搬が必要になります。」


なるほど、それはなかなかおもしろいな。

でも、モンスターをむやみやたらに殺すのは抵抗がある。

だから必要な分だけ狩ろう。

命は大切に扱わなければ。


「そこの二人止まれ、お前らどこから来た?」


衛兵さんに止められるのも、いかにもファンタジーぽい。

物語の中に入った感じがして少しわくわくする。

さて、どうなることやら。



「はい、私たちは森の中からやってきました。」


エンレは噛むことも怪しまれるような雰囲気も出さず淡々と、

森の中からやってきたことを告げる。


「森の中ってことは開拓民か。それじゃ身分証の提示か通行料を払ってくれ。

 通行料は10000Gだ。」


「はい、これが二人分で20000Gです。ご確認を」


エンレは何食わぬ顔で、先ほどの盗賊から強奪した貨幣を使用する。



なるほど、森から来たのを開拓民だと勘違いさせたのか。

なかなかやるなエンレ。


『いえ、大したことはありません。』


「確認したから通っていいぞ。あぁそうだな。ようこそアルゲードへ」


衛兵はそういうと、アリシアとエンレに道を譲る。

二人は門を潜り城塞都市へと入ることに成功する。


これは城塞都市としては大失態である。

危険性の高いダンジョン関係者が二人も都市内へと入ってしまったから。


だが、アリシアには街中で暴れるつもりも、殺戮をするつもりも毛頭ない。

アリシアはただ平和に生きたいだけなのだ。


「それではマスター、まずはどちらに向かいますか。冒険者ギルド、商業ギルド、薬師ギルドなどがありますが?」


そうか、特に何をするか考えてなかった。

まずは冒険者か商人になって身分を証明するものが欲しい。

それに冒険者や商人は楽しそうだ。


「それなら、商業ギルドかな。」


冒険者ギルドは面倒ごとに巻き込まれる予感しかしない。

ならば、まだまともな商業ギルドだろう。


「それでしたら、まっすぐ5㎞です。ちなみに冒険者ギルドは商業ギルドの向かいにあります。仕事柄、連携することも多いためであると推測されます。」


エンレに抱き着きながら進むこと5㎞、

道の途中で串焼肉などの出店に後ろ髪をひかれ続けたアリシアであった。


それもそのはず、彼女はこの世界に来てまともなものをほとんど口にしていない。

そのため、空腹にはならずともどうしても食べ物に興味を引かれてしまうのだ。


そんな葛藤の中、商業ギルドの前にたどり着く。


外見は問題ない。

普通の建物だ。

なら、入るしかない。

だが、エンレがいれば何かあっても対応してくれるから安心である。


「いらっしゃいませ商業ギルドへようこそ」


入り口をくぐると挨拶をしてきたのは綺麗な受付嬢である。

なるほど、窓口を綺麗な人で固めて安心させる魂胆だろう。

それで、商談になったら、後ろからやり手の職員が出てきて対応するに違いない。


『正解ですマスター。商談はすべて私がやりますので静かにしていてくださいね』


はい、静かにしています…


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