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わたくしは、ツウィンクリ家当主シルヴィアですわ

エリザベスは男の言葉に顔を顰め不快感を示した。

男はそれを気にせず言葉を続ける。



「しかし、かの大罪人シルヴィアがこんな幼女の姿になっているとはねあいつが見たら失神ものだな」



金髪赤眼の男は笑うと、エリザベスの手を強く掴んだ。



「‥‥っ!」



その強さにエリザベスは少し顔を顰め、男を少し睨みつけた。だが、男はそれでも尚笑みを浮かべ言葉を続ける。



「シルヴィアもう一度俺たちの世界を取り戻さないか?五大貴族達の神器を奪い取りこの世界をあの時の様に血にそめようじゃないか!」



男は手を広げ高らかにそう叫んだ。しかしエリザベスは顰めた顔を笑みに変え、男の手を振り払い、自身の手に収まっている指輪を見せこう言った。




「何を言っているか分かりません、私はツウィンクリ家当主、エリザベス・ツウィンクリ闇帝の所持者ですわ。かの大罪人ではありませんわ」



エリザベスの言葉を聞き男は顔から表情を消した。



「‥‥‥そうか、あくまでもシラをきるか、ならばツウィンクリ家当主よまた会おうではないか!我が名はミハエル!覚えておくがいい!そこの男お前もな」



ミハエルと名乗った男はそう言うと煙のように消え去ってしまった。その瞬間背後から1人の人物が現れた。白い軍服に身を包み、薄水色の髪に美しい碧眼。ゼノンだった。



「貴方は‥ゼノン様?」



「はぐれてしまった君の事が心配でね、探しに来たんだけど無事だったようだね良かった」



ゼノンはエリザベスに近付くと優しそうに微笑んだ。



「ここには、僕達の探していた物は無かったから戻ろうか?そうだ、ここにいた敵は僕がたおした事にしておこうか」



「?何故ですの?」



エリザベスが不思議そうにゼノンに訊ねると、ゼノンはエリザベスの頭を撫でながら優しく言った。



「謀反者達はツウィンクリ家当主は神器を使いこなせていないと思っているからね」



ゼノンを言葉を聞きエリザベスは思いついたかのように言葉を綴る。



「敵が油断しやすくなると?」



「敵を欺くにはまずは味方からっていうでしょ?」




「それでしたら、そういう事にしておきましょうか…」




ニコリと人好きするような笑みを浮かべたゼノンに対しこれ以上口を出すのは不躾と感じたのかエリザベスは渋い表情をしながらも頷いた。



「それじゃあ、さっそくみんなの所に戻ろうか」



「そうですわね」



2人は頷くとシリウスたちの所へと足を進めていった。



(……ゼノン様の事はあまり信用してはいけない気がするわ)



エリザベスはチラリとゼノンの顔を盗み見る。人の良さそうな表情の彼を信じないのは少し目覚めが悪いが、彼女の直感が何かを感じ取ったのか信じてはいけない気がしたのだ。そして、一つ気になったことをエリザベスは質問して見た。



「ゼノン様は何故いつもそんな厚着をしてますの?」



「あぁ、それはね身体の傷跡を隠すためだよ」



ゼノンは少し暗い表情で微笑んだ。



「傷跡?」



「人様に見せれるような傷跡じゃないからね」



ゼノンの服装は手首、足首、首元まで隠された軍服を着ているのだ。因みに首は白いマフラーを巻いている。



「そんなに酷い傷跡ですの?」



「そう、だね………が……けた…だからね」



ゼノンは俯くとエリザベスには聞こえない低い声で何かを呟いた。



「ゼノン様?何か仰いましたか?」



「ううん、何でもないよ、先を急ごうか」



ゼノンは優しく微笑むと、エリザベスを抱えた。お姫様抱っこで。



「ぜ、ゼノン様!?」



急なゼノンの行動にエリザベスは驚きを隠せず先程の会話の内容を忘れるぐらい驚いた。



「よーし!飛ばしていくよー!」



「えっ、ちょっ!?」



土煙が上がるほどのスピードでゼノンはシリウス達の所まで走っていった。



「ん?何か走ってきたぞ?何じゃ?」



九十九が何かに気づいたようだ。遠くからうっすらと土煙が上がっておりそれに気づいたようだった。



「んー?……あれ、ゼノン君とエリザベスちゃんじゃない?」



カルナがエルフ族特有の視力の高さを生かし見たものは、猛スピードでこちらに向かってくるゼノンとエリザベスだった。



「とうちゃーく!エリザベスちゃんもう着いたよーって、あれ?」



「うぅ、ギモヂ悪い」



「ちよっと!カルナ!?エリザベスちゃん思いっきり酔ってるじゃん!!」



楽しそうなゼノンと違ってエリザベスは真っ青な顔で口元を抑えていた。



「エリザベスよ大丈夫か?」



九十九が心配そうにエリザベスに声をかける。



「は、吐きそうですわ…うぅ」



その様子を見ていたシリウス額に手を当てながら溜息をついた。



「後先が心配だな」



5人は賑やかに街へと戻って行った。


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