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紅の燠、夕日もろとも


 血に染められた青年を背負い、クレオは砦から脱出した。

 見張り番は壁にかけられた梯子はしごのそばで目を閉じて休んでいた。クレオは梯子を使い、石壁の外へと降り立った。


「平気か」

「……」


 彼はうっすらと、笑みを浮かべるだけだった。


「ジュリアン……」――





 ***



 真っ赤な夕日が、見渡すかぎりの海水をあけに染めていた。

 波の音は静かに ―― この世のすべてを焼きつくすように ――、絶え間なくあたりへ響いていた。


 一艘いっそうのボートが、沈みゆく太陽、燃え盛る水平線へと向かって進んでいく。あかい影がもうひとつの紅い影に支えられて、ボートは静かに、その海へ溶けた。――









挿絵(By みてみん)


   作・イラストレーション:檸檬 絵郎




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