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双方とも結局、微妙な腹の探りあいに終始し、気を許す話までには至らなかった。保は三井が消えたことを知り、間違いなく沙耶はもう戻らないだろうと確信した。そう思うことは保の本意ではなく寂しかったが、自分が作ったアンドロイドが自らの意志で新世界へ飛び出したのだ…と思えば、失望も誇りに変わるのだった。あたかも神話に登場する伊冊岐、伊諾美尊の二神、西洋ならばアダムとイヴの神話にも似通っているとも思えた。

 いつの間にか、保はウツラウツラ…と眠っていた。気づけば目の前に沙耶がいた。おお! と保は驚愕した。戻ってきたのか…と思えた。

『ゴシュジンサマ、カタズケガ、オワリマシタ』

 いつやら聞いた言葉だった。


                     完


  あとがき

 この長編連載はSFに終始した。だが、ここに描いたような時代の来着が、私にはそう遠くない気がしないでもない。小説中に登場する「京東大学」は違和感もあり、さしつかえなく叱責を頂戴しなければ「東京大学」と推敲させて戴きたい。以上、今作も寛いで単にお笑い戴ければいい程度の駄作であることは疑う余地もない。

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