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『道具などは先生の部屋のを使えますよ。隠れ部屋は鍵がかかっておりませんし、いつでも使用可能です』

『じゃあ、そこでってことで…。え~と、離れだったわよね?』

『はい、そうです。一度、こちらへはお越しになっておられますから、よくご存知だと思います。では、9時に離れの外で、お待ちしております。それで、いかがでしょうか?』

『分かったわ。それじゃ、間に合うようにひと走りして行くわね』

『夜間ですから余り飛ばさないで下さいよ。警察に車と間違えられて追われるようなことはないと思いますが…』

『それは大丈夫よ。時速300Kmの車はないでしょ?』

『はあ。それは、まあ…。では!』

 三井が携帯を切り、沙耶も切った。こうして二人? の第一実行段階は、いよいよ開始されることになった。

『いってらっしゃい』

「ああ…。じゃあ、数日、空けるから、よろしく頼む」

 次の日である。保は、いつもと同じようにマンションを出た。沙耶がうなずくとニッコリと微笑んで保はドアを閉じた。さて! 忙しくなるわよ…と思った沙耶だが、三井との打ち合わせた夜の9時までには丸12時間以上あった。ゆっくりマンションを出るとしても、時速300Kmで行くんだから小一時間で事足りるのだ。さらに、三井が言った交通安全を心がけるとしても、3時間前の午後6時頃にマンションを出ればいい計算なのである。

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