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「ぅぅぅ…、私はもう駄目だよ、但馬君! ディスアポインティッドだっ!!」

 涙もろい教授は、顔中を涙で濡らしながらハンカチで拭きまくる。

「教授! 来年ということもありますから…」

 昨日とは完璧に攻守を逆にして、但馬が教授を慰めている。世の中、一寸先は闇だな・・と保は、しみじみと感じた。但馬から慰めの言葉は出はしたが、結局、教授のテンションの低さは一日中、続いた。保にすれば御の字で、これで沙耶のボランティア活動の計画が本格的に始動できるぞ…と思えた。沙耶は、そんな保の心を知らぬ気に、研究室のすべてに一つ一つ目を凝らして見ている。彼女? が人と違うのは、単に見ているのではなく、すべてを解析し、データ化している点にある。そして、この室内で進行している研究のすべてを認識しようとしている点だった。これはある意味、立派な仕事なのである。今後、ボランティア活動に従事する場合にも大いに参考になる室内徘徊はいかいだった。そんなことは、おかまいなしに沙耶はただ見回ていった。

「岸田君、次の開発アイデアが浮かんだそうだね? 但馬君に聞いたんだが…」

「えっ!? あっ! ああ、まあ…」

 また小判鮫が、いらぬことを言ったか…と思いながら、保は語尾を濁した。

「一応、聞いておこうか、内容を。どんなものだい?」

「はい…。大したアイデアじゃないんですが、一人乗り用の飛行車です。将来的には数人乗りの…」

「飛行車!!」「飛行車?」「飛行車!」

 三人同時の声がした。保は、ちょっと過激だったか…と思った。

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