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私の部下は犬、猫、うさぎ。  作者: 通りすがりの野良猫
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第1小隊長、向山3尉から面接開始

第1小隊(うさぎさん小隊)小隊長、向山3尉より面接開始、微妙なとこのあるうさぎさん小隊の戦力化第一歩です

中隊の隊舎、1階の端にあるカウンセラー室内で順に第1小隊の面接を始めた。

「失礼します」と声をかけ、入室する向山。

少し小柄なロボットに乗って入ってきた。

うさぎさんたちは、この機械の中に入ったまま、面接するほうがスムーズにいくらしい。

多分、「穴に潜った」ような感覚なんだろう。


「よろしい、かけたまえ」

少しおどおどしながら、椅子にかける向山。

ロボットがおどおどするのも、変な話ではある。

「楽にするといいよ。あらかじめ人事調査票に記載されてる内容を見ながら、色々質問するだけだから、気楽にしたまえ」

「あ、ありがとうございます」

「君は、向山さんとこで飼われているミニうさぎさんだな?」

「はい、そうです。中隊長のご近所の向山さんとこで、もの心ついたときからお世話になっております!」

うさぎさんたちはデリケートだから、駐屯地近隣の「飼い主(給食係またはうさんぽ係とも言う)」から当面は通ってもらう、営外居住の形をとっている。

名前についても、正式な場合は飼い主の姓を名乗ってもらってる。そして○○3尉と言った呼び方をしている。


ただし名前については、飼い主のつけた名前を極力、活かすようにしている。

このほうがスムーズにコミュニケーションに入れると経験上わかったからだ。

このような情報は、中隊のデータベースに入れられ今後の新規部隊の編成に役立てられるのである。


名前はゆきちゃんだそうだ。

2歳6ヶ月の女の子である。

とは言え、うさぎさんとしたら立派な23歳の成人女性であり、ロボットの外見もそれらしくなっている。

迷彩服3型を着用した小柄な女性自衛官にしか見えないのである。

なおこのロボットは着用者の心理状態を外見でも表現できるシステムを搭載しており、今も少し緊張した様子が伺える。


よし、ここでとっておきの「おやつ」を出そう。

向山さんとこで聞いた、ゆきちゃんの大好物だ。


「気楽にしたまえ、良ければこれでもつまんで。」

小皿に入れた「物体」を認識した「ゆきちゃん」の目が心なしか光ったように見えたのは錯覚だろう。

というのも、「ではいただきます」と言う声と「手が出てくる 」のと「口にした」のがほぼ一瞬だったようなのだ。まさに「脱兎のごとく」である。


ドライパパイヤである。

うちの子も好物なんで買い置きがあったので、ちょうどよかった。

なんといっても、向山の表情が満面の笑顔であるから、持ってきたのはまさに正解であったようだ。

必ず面接前に飼い主から大好きなおやつを聞いて準備してから、面接に望もう。

ロボットの頭部あたりにゆきちゃんの席があるから口に入れたらものの数秒でゆきちゃんとこにいく。

向山の表情はもっと〜!という顔であるが食べさせすぎると、家内を通じて苦情がくるかも(向山さんは、家内なうさんぽ仲間だから)しれないんでほどほどにしておく。

向山との面接に時間を費やしているのは、この子が第1小隊の小隊長であるからだ。

微妙なところのある、うさぎさん小隊を掌握するためのキーマンの一人であるからだ。

かくして、面接は続いていくのであるが、あまり個人情報(個うさぎ情報?)を書きすぎても何なんで割愛しよう。


このあとは小隊先任陸曹と面接です

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