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憎悪と感謝と……  作者: アッキー
第4章 祭典と凶報と……
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4.2 貴術と魔岩二つの種族

 暑い岩肌の上を歩き、汗水たらしてたどり着いて分かった事は見えていた街は蜃気楼による幻ではなく実在しているということ。そしてその街が人間や、まして地下に生息する地下族によるものでもなく、貴術族と魔岩族によるものだとという事であった。


 貴術族は森林地帯の奥深くの場所に生息している擬似人間族である。

 背丈は高く、彼らの平均身長は2Mは優に超えている。

 彼らの外見の特徴としては容姿が人間に良く似ているという点にある。擬似人間族と区分されるなかでも最も人間と良く似ているとされ、人間と区別する方法としては彼らの目と肌、髪の三ヶ所の色を見るしかない。

 貴術族は青い瞳と白い肌、そして白色の髪をしておりそこで人間と区別するしかないのだ。また彼らは植物をとても愛しており食事は植物だけのベジタリアンというのも特徴の一つである。

 その食生活故か彼らの肉体は頑丈ではないが、それを補ってあまりあるほどの魔力の甚蔵量を誇っている。魔術に関して言えば貴術族の右に出る種族はいないのだ。

 しかし彼らは思慮深い物静かな、争いが嫌いな性格であり、魔術を争いごとに用いることはほとんどない。


 魔岩族は洞窟に生息している貴術族と同じ擬似人間族である。

 また貴術族と同じく背丈は平均して2Mは優に超えている。

 彼らの外見の特徴としては容姿が魔剛に良く似ているという点にある。魔剛と同じく頑強な肉体を持ち、髪はなく、野生じみた鋭い眼を有している。しかしながら洞窟に住み日光に当たってないため、魔岩族の肌は白色であり、土等で汚れきっている魔剛とは異なり清潔でもあった。

 彼らの食事は洞窟内に生えたキノコやコケ類であり、これも雑食性の魔剛とは異なる。

 また彼らは物静かな、争いが嫌いな性格でもあり、その部分でも魔剛族とは異なっていた。

 しかしそんな魔岩族にも外見以外に似た部分があった。それは持ち前の頑強な肉体がはなつ武術である。魔剛と同じく魔岩族は魔術が使えない代わりに肉体を生かした武術を得意としていた。もっとも彼らの性格上魔剛族のように他種族に暴力を奮うことは無かったが。


 そんな二つの種族は珍しいことに大変親密な関係を保っており、住む場所が違えど種族間の付き合いが多分にあった。

 仲が良い理由としては同じ草食性であり、かつ似たような物静かな性格。それに加え互いの短所を補うかのように貴術族は魔術を、魔岩族は武術に秀でているのも理由の一つだと考えられている。


 貴術族と魔岩族が一緒の街で暮らしている、そのことになんの疑問はない。しかしその街がある場所が問題なのだ。

 貴術族は森林奥深く陽が届かない地に、魔岩族は洞窟に。そう彼ら二つの種族はどちらも陽の光弱い地で生活しているのだ。

 その彼らが陽の強い砂漠地帯で生活するなど通常ありえぬ事である。


 カラカラ砂漠の岩肌に建てられた街は世にも珍しい石造りで、多くの出店が開かれていた。

 また今日は何かのお祭りのか、物静かな性格であるはずの貴術族、魔岩族ともに飲んで騒いでの大騒ぎである。

 しかしそれもリガンらが着くまでの話である。突如として訪問してきた人間に対し、つい先程まで飲んで騒いでの大騒ぎだった二つの種族らは急に黙り混む。

 皆警戒態勢であり、陽気な音楽やあふれていた喧騒がやみ、代わりに鋭き眼光が二人を包み込んだ。

 

 その事にリガンは息苦しさと恥ずかしさを感じていた。今まで騒いでいた者達が自分たちの登場で白けさせてしまった挙句、皆の注目の的になってしまったのだからそう感じているのは自然なことである。

 一体どうしたらよいか、悩み立ちすくむリガンの元に一人の貴術族の男性が近づいてきた。

 

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