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憎悪と感謝と……  作者: アッキー
第3章 支配と解放と……
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3.39 トルクの魔術

 カタンはまた白針を使い、トルクを襲う。

 一方のトルクはカタンの放つ白針を打ち落とし続けている。

 そしてトルクはカタンの狙い通り、その場に足止めとなった。


 トルクは武術と魔術、両方とも使えるが練度の差というものがある。武術である剣の腕はトップクラスであるが逆に魔術の腕はそこらの一般的な魔術士より劣るほどである。

 それ故に近づけさせず、魔術による中遠距離戦に持ち込めば自然と軍配はカタンの方へと傾くのだ。

 故にカタンは魔術によって弾幕を作りトルクを足止めした。

 カタンとしてはこの戦い方に物足りなさを感じていたが、立場上勝つことが前提な以上、しょうがないことではある。

 しかしいつだって作戦通りに事が運ばないように、カタンの思惑通り守りに入り続けるトルクではない。


 針を打ち落とす間、トルクは針を打ち落とすのではない別の切り払いを間に挟んだ。


『切り裂け、刄!』


 珍しいトルクの叫び声、詠唱と共に行われた切り払いは、かまいたちのような氷の刄を産み出し、カタンに向かい飛んでいく。

 剣術が得意なトルクであったが、魔術本来の持ち味である中遠距離技も身につけていたのだ。

 しかしながらそれはカタンに鮮烈な思いを味あわせるには事足りない。


 何故ならその魔術は既に見せた技であるからだ。昨日リガンがカタンによる白針の攻撃を受けた際、その攻撃を防ぐためにトルクが放った技がそうである。

 カタンは白針の攻撃を止め、横ステップしトルクの放った氷の刄をあっさりとかわす。


「君の本気はそんな程度か、もっとあるんじゃないか」


 失望とも思える声でカタンはトルクを煽る。それを聞き遂げたのか、トルクは先程の掛け声と共に剣を乱舞させる。

 一回の切り払いと共に氷の刄が出る。それを幾度も行ったので無数の刄が出現し、それがカタンに向かい襲いかかる。


「ハァ」


 カタンはため息をつくと、足を軽やかに動かしトルクの攻撃をかわしはじめる。カタンの避けかたは完璧であり、かすり傷すらつかない。


「そろそろ無駄って気づかないかな。それじゃ僕には傷ひとつつかないよ」


 かわしながら余裕満々といった様子でカタンは口を開く。しかしトルクは無視し、相も変わらず同じ魔術を繰り返す。

 攻撃を続けるトルクにカタンはかぶりを振る。

 そしてトルクが放った氷の刄を横にステップし、かわそうとしたとき閉じられていたトルクの口が開いた。


『今だ、爆散しろ刄!』


 トルクが叫んだすぐ後に、カタンがかわした氷の刄が爆散し粉々に砕け散る。

 そして爆散した氷は地面を凍らせ、そして近くにいたカタンの足を凍らせ地面と接合させた。


「何っ!」


 カタンは驚き、足を動かすため地面から引き剥がそうともがくが、その程度ではびくともせず剥がすことすら叶わない。

 そしてカタンが前を見てみるとトルクが小走りで迫ってきていた。

 カタンの足が封じられた今、トルクは易々と接近戦を挑むことが出来るのだ。

 そして咄嗟の出来事にカタンも呆気にとられ、行動が後手にまわる。

 

 この時既にトルクは自身の剣撃の近接範囲にカタンを捉えている。そしてカタンを斬ろうとトルクは氷の冷気纏う剣を振った。

 しかしそれと同時にカタンが手首だけを動かし、杖を振る。その直後、カタンの凍る足に炎がまとわりつき、溶かす。

 そして後ろにステップし、トルクの剣をかわした。


『炎壁』


 後ろに下がりながら、カタンは杖を振るい、詠唱すると両者の間に炎の壁が出現させる。

 唐突に現れた炎にトルクは怯む。その結果炎の壁が消えていた時にはカタンはトルクとの距離を元の形へと戻していた。


 その現実にトルクは短く舌打ちをした。あと一歩というところを逃し、元に戻ってしまったからだ。

 微笑な笑みなカタンと比べ、トルクの表情は険しい。

 

 二人の男が見つめあい、そして動き始める。

 再度の戦闘開始と思われた矢先、甲高い声が二人を遮った。

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