表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
憎悪と感謝と……  作者: アッキー
第3章 支配と解放と……
35/381

3.1 かつての栄華

第3章開幕です。

そして更新なのですが今後は不定期となりそうですので何卒よろしくお願いいたします。

 都市キリヤルはかつては栄華を誇った人間の首都であった。その成り立ちは約200年前E.W312年2月26日に遡る。


 その時の人間社会は統治者となる存在がおらず、其々の街が好き勝手に自分達の街を治め、他の街と交流していた。

 皆それで良いと思っていた。このままでいいと。なにぶんこの形態に不自由を感じていなかったのである。

 しかしそれをよく思わない者がいた。その人物こそキリヤルを造り初代統治者となったヤンクその者である。


 ヤンクは今の人間社会を快く思わなかった。集団には得てしてみなを導くリーダーとなる存在が必要と、かねてより考えていたからである。

 そしてヤンクは決心した。自らがその役目に就くと。

 

 ヤンクは当時まだセンクト地方であったサイトン半島にて宣言した。人間の首都となる街、キリヤルをここに創造すると。

 ヤンクが名付けたキリヤルという名前はかつて大陸側から人間がやって来た時、その人間達のリーダーであったキリヤから取られていた。


 始めこそ人々は本気にしなかった、どうせ失敗するに決まっていると。

 しかしヤンクは有能であった。ヤンクは先ずキリヤルを金持ち相手の避暑地として紹介した。実際キリヤルは半島で海に囲まれている分夏は涼しく、冬は暖かい。

 そしてキリヤルにはふんだんな海の幸があった。普段作物や肉類しか食べられない内地に住んでいる者にとってこれは魅力的である。

 そうして人間社会で金持ちと言われる人々がエラントにあつまった。そして金持ちある所に商売あり。次にあつまってきたのは商人である。

 こうしてキリヤル内に物流が生また。そして物流が活発化すれば人は集まる。

こうしてヤンクがキリヤルを創設してから30年後、キリヤルは人間社会、いや世界エラントの中でも随一の大都市へとなっていた。

 そしてヤンクは次の計画を始めた。キリヤルを人間の社会の首都とする計画を。

 ヤンクは人間社会の統治者となることを望んでいた。しかしそれには自らが治めるキリヤルが人間社会の首都とならなければならない。

 その為ヤンクはキリヤルを首都とするために手を打った。


 まず最初に行ったのは硬貨を造ることであった。この時代のエラントの人間社会は物々交換で品物を行き来させており硬貨という概念がなかったのだ。

 硬貨という概念自体はヤンクが考え出した物ではない。人間達のご先祖が大陸から山脈を超え世界エラントにやって来た時、一緒に持ち運ばれたものである。

 しかしこれまで硬貨を造れるほどの技術、物資を持っている街がなかったのだ。しかしエラントにはそれがある。故にヤンクは硬貨の製造を実行することが出来たのだ。

 最初硬貨はキリヤル内しか使われなかったが、やがて商人を通じてエラント中の人間の街に広がる。こうして経済が人間社会に生まれ、そしてその硬貨の製造地であるキリヤルは経済において人間社会の中心地となった。

 次にヤンクが行ったのは軍隊の設立である。表向きの目的はキリヤルの治安維持であるが、人間社会全体への牽制であるのは明白であった。

 幾つかの街には私設の部隊こそあったものの、軍隊と呼べる程の大規模なものはない。

 こうしてキリヤルは経済、そして武力を手にし内外認める人間の首都となる。いや認めざるを得なかったのだ。

 そしてそんなキリヤルを治めるヤンクは人間社会の統治者となったのだ。

 キリヤルの運営はヤンクとその親戚達で行われており、人々はそんな彼らの事を人々はヤンク一族と揶揄した。

 ヤンクの死後も彼の子孫、ヤンク一族が続けて統治していた。


 キリヤルの栄華は凄まじいものであり、それこそ人と人との分かり合いを信条とするセレン教が力を持っていた時代に、キリヤルとその他という構図を生み出し、対立するほどであった。

 しかしこの世に永遠がないように、街にも滅びの時が来るものである。


 都市キリヤルの命運はE.W518年8月15日に終えた。

 この時キリヤルの軍隊は第1~第11部隊までありいずれの部隊も在住していた。

 しかし驚くべきことにそれらの部隊がたった一晩で魔王率いる魔剛に殺られたのだ。

 しかもその時キリヤル内部で何が行われたのか情報がいっさい外に流れなかったのだ。キリヤル内部には獣丸族がいたにも関わらずにである。

 それ以降魔王の本拠地となったキリヤルの情報は獣丸族にすら分からない状況が続く。

 しかもそれは魔王が勇者に倒されて以降も続いた。

 噂によれば今現在キリヤルはこの世とは思えぬ光景が広がっているという事である。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ