表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最強日本異世界へ(改)  作者: お酒は二十歳になってから
15/16

第十四話 空の襲撃者

少し長いです

一面を覆う雲海、下は白い地面、上には一面の星空に黄金色に輝く月。正に別世界。

そんな空間に突如として雲海をかき分け白い飛行船が3隻現れた。


飛行船デューク

「……今日は満月なんだね~。」

月光に照らされた飛行船は上部が開き甲板が露わになった。

甲板では三機のドローンが発艦準備を進めていた。

「ドローンに異常は見られませんでした。」

「ヨークから通信、ドローン一機に異常あり二機発艦予定」

「モナークから通信、早くしろ」

短針が7を示した。

飛行船デューク

「艦長、作戦開始時刻です。」

「うん、やろうか。発艦始め。」

飛行船モナーク

「デュークが発艦始めました。」

「全機発艦せよ」

飛行船ヨーク

「デューク、モナーク発艦始めました。」

「デュークから通信、全艦発艦始め」

「発艦開始」

3隻の飛行船から計8機のドローンが発艦した。


飛行船デューク

「ドローン降下開始、現在高度1500」

「本艦との距離は?」

「本艦から500mを先行」

「よし、ゆっくり降下するぞ。船尾トリム5、微速前進。」


飛行船モナーク

「デューク下降を始めました。」

「デュークに遅れをとるな曇から出ないギリギリの高度まで行くぞ。」



飛行船ヨーク

「デューク、モナーク共に下降を始めました。」

「今度は下降合戦か、本艦は現在の高度を維持し街の直上を目指す。」


飛行船デューク

「高度1000」

「トリム戻せ、現在の高度を維持。ドローンは何処まで進んでる?」

「現在高度50で箱を置く場所を各自探しています。」

「四、五、七番機は箱を置き終え帰投中です。」


飛行船モナーク

「本艦のドローンは全機箱を置き終えました。」

「よし、全機無事に帰還させろ」


飛行船デューク

「全機箱を置き終えました。」

「僚艦に通信、作戦を第二段階に移行する」


ドローンが置いて行った箱には極小ドローンが積み込まれていた。飛行船からの操作により、箱は極小ドローンを吐き出した。箱は街に満遍なく置かれ、周囲に満遍なくドローンが向かっていた。



とある酒屋

「マスター、ビール三杯追加で!」

男の喧騒の中に男性ではない甲高い声がした。

「おう、パルちゃん。今日も可愛いね~、どうだ家に嫁に来ないか。」

「カタンさん、さっき魚市場で奥さんと会いましたよ。セクハラしたら直ぐに言ってって」

「パルちゃん、それだけは勘弁してくれ」

大の大人が小さな少女に頭を下げるのもここの名物だったりする。


「全く大したもんだよパルちゃんは」

「俺と飲んでるときにナンパは辞めろって言ってるよな」

「な、ナンパってお前」

「冗談はさておき、今日お前とあったのは別れを言いに来たんだ」

「……なんでまた」

「今、バラタ連合とハセア、バジル同盟で戦争をしているだろう。ここヨルンにも戦火が来ないか両親が心配していてな。中立国であり力もあるダイナ王国に行くことになった。」

「そうか、寂しがしばしの別れだな。」

「ああ、しばしの別れだ。」

「よし、今日は飲むぞ!パルちゃんビール追加で!」


そんな一組のお客の会話は遥か遠くの大地に届いていた。


ペンタゴン

「異世界の国民が日本語を喋っている、全くとんだブッラクジョークだな」

「まぁ、嬉しい誤算ですよ」

作戦司令部では逐一送られてくる情報をさばいていた。

「これなら二日もいらんな」

作戦では言語を解読する為に膨大なデータが必要とされた。それが不要となれば全くもって二日も要らなかった。

「楽勝だな」

事実作戦は順調に進んでいた。そう一日目までは


事態が急変したのは丁度一日後だった。


9月26日15時

ペンタゴン

「デュークから通信、我攻撃を受ける!」

その瞬間、司令部は静まり返り一気に緊張が場を支配した。

「…な、に?」

司令は顔が固まった様な感覚に陥った。

「ど、どういうことだってばよ。何で誰にどうやって!?」

頭の整理がつかない司令は思わずそう口ずさんだ

「詳細な報告はまだか?」

「まだ来ていません。」

(全滅)

最悪の二文字が脳裏をよぎる

その時、ヨークから通信が入る

「我これより作戦指揮を執る。」

ヨークからの通信は更に一同の妄想を搔き立てた。

(デューク、モナークは墜落し、最後に残ったヨークからの通信)

司令はそんなことを考えていた

「もっと詳細な報告をするよう伝えてくれ」

数分後

「デューク、モナークはF-15編隊と戦闘中、本艦はドローンを回収に向かっている」

司令部は混迷を極めた

(………は?)

司令は頭が真っ白になった。

「もう一度、詳細な報告を求めろ」

今度は返答がなかった。ここでようやく司令の脳が動き出した。

「ハワイの航空司令部に応援を要請!それと後藤准将に連絡!」







それは突然のことだった

突如としてデュークのレーダーに五つの未確認飛行物体が現れたのだ


デューク

「レーダーに反応あり、未確認飛行物体が急速接近中!!!」

「未確認飛行物体分離!ミサイルです!」

「なに?!」

「ミサイル直撃コース!!残り二十秒!」

「電磁バリア展開!ペンタゴンに通信、我攻撃受ける!」

「電磁バリア展開完了。」

「直撃まで十秒!」

「総員衝撃に備えろ!」

五秒後ミサイルは飛行船の手前で爆発した

「電磁バリアが役に立ったな」

「未確認飛行物体更に接近!」

「なに!」

その瞬間、デュークは小刻みに衝撃を受けた。たちまち艦内に警報音が鳴り響く。

「機銃掃射です!!」

「ダメージは?」

「現在確認中!」

「未確認飛行物体はF-15!目視にて確認しました。」

「F-15に通信をいれろ、我日本空軍所属特殊工作飛行船デューク、貴機は軍法を犯している直ちに攻撃を中止せよ。」

「F-15、5機編隊を組みつつあります!」

「総員戦闘態勢!僚艦に通信、作戦を中止し回避行動をとれ」


モナーク

「あほか!回避は無理だ!応戦あるのみだ」

「しかし、友軍機ですよ。何かの手違いということも」

「あほ!!!わざわざ識別信号を消す理由がない!!奴らは本気で落としに来たんだ。なめやがって!どっちが空の王者か教えてやるぜ!!!」


ヨーク

「右舷前方に被弾しましたが航行に支障はありません。」

「特殊装甲が役に立ったな。回避となると降下するしかないか。」

「艦長!モナークが上昇しています!!!」

「……じーさん、まさか応戦する気?」


デューク

「モナークに通信、応戦は控え、下降し回避に徹しろ。」

「モナークから、拒否する」

「……電話を」


モナーク

「デュークから電話です」

「なんだ?」

『命令に従ってください、幾ら特殊装甲とてF-15相手に耐え続けるのは無理です。』

「なんとでも言え、本艦は応戦する」

『応戦許可は出してないぞ!』

「黙れ小僧!飛行船一隻失いたくなかったらお前も応戦しろ!」

そう言うと乱暴に電話を切った


デューク

「………」

「艦長…」

「F-15再度接近!狙いは……モナークです!!」

「っつ!船首トリム30!応戦用意!ヨークに通信、貴艦は速やかに作戦指揮をとれ!」


ヨーク

「ペンタゴンに通信、我これより作戦指揮を執る。本艦はこのまま下降しドローンを回収、戦闘空域から離脱する!船尾トリム20」



夜の海、漆黒の闇の中浮かび上がる街は城塞都市ヨルンである。夜になり、月明かりも無いのにも関わらず街は明るかった。そんな街の真ん中にある時計塔はこの街の繫栄を象徴するものだといえる。その時計塔に一人の技術者がいた。

「ふぅ、今日はこんなものか」

彼は時計塔整備士、週に二回ある時計点検を続けて四十年のベテランだ。

「今日も曇りの街か」

彼は仕事終わりに街の夜景を見るのが日課であったが曇りの街を見ていた彼は違和感を感じつつあった。

(何か来るのか?)

彼は長年の感を信じ、自らを慕う風の精霊を呼ぶ。

間もなくして銀白の羽をもつ燕に似た鳥が彼の目の前に現れた。

「何か変わったことはあるかい?」

彼がそう聞くと精霊は短い首を器用に縦に動かした。

「それはこの街に危険があることかい?」

精霊は首を傾げた後、翼を広げ飛び立ち彼の前を一周すると目の前に飛び出していった。

彼は視線で精霊を追いかけたが彼はそこで未知なる物を見た。

「雲が降りてきた?」


ヨーク

「ペンタゴンから通信、詳細な報告を求めています。」

「デューク、モナークはF-15編隊と戦闘中、本艦はドローンを回収に向かっている」

「現在高度100!」

「トリム戻せ、巡航速度まで加速」

「城塞都市まで残り1km」

「よし、ドローンを全て上空待機させろ!すり抜けざまにかっさらうぞ!」


時計塔

「なっ、なんなんだあれは?」

曇が降りてきたと思ったら街から何匹も黒い虫が飛びたった

「遠視!」

わしは唯一使える能力を使い虫を見る

それは生物とは違う無骨な雰囲気を醸し出し、歯車のようなものを四つ高速で回転させて浮いていた。

明らかにこの世のものではない不気味さを覚えた。

それらの虫は降りてきた曇へと向かい中へと消えていった。よく見ると雲にはガラスが貼ってありそこには

「………ひ、人?ひ、人が雲の中に?」


ヨーク

「ドローン全機回収完了!」

「速度最大船速!戦闘空域から離脱する!」

「ペンタゴンから通信、詳細な報告を求めています。」

「後にしろ!」


一方上空では戦闘が繰り広げていた。

モナーク

「第二エンジン大破!」

「第三エンジン停止させろ!」

「右舷前方からF-15編隊!」

「船尾トリム5、ヒール左舷5!一番から五番一斉射撃!」

白い飛行船から光の弾が突如として発射された。それは美しい曲線を描きF-15の編隊に向かう。

F-15は各個それを見事にかわし機銃掃射を加える

「右舷被弾!」

「四番砲塔大破!射撃不能!」

「F-15本艦直上を通過します!」

「よし!、そっちに行ったぞデューク!」


デューク

「F-15モナーク直上を通過!こちらに向かって来ます!」

「一から三番用意」

「用意よし!」

「発射!」

「全弾直撃しました。F-15墜落中!」

デュークから突如発射されたのは試験段階でデュークに取り付けられていたレーザー兵器だった。

「F-15残り二機反転しました!遠ざかります」

「引いたか、各部損傷箇所知らせ!」

「左舷4番タンク損傷、右舷11番タンク損傷、それぞれ閉鎖し、5番、12番タンクを空にしてヒールを保っています。」

「六番エンジン大破、五番エンジンを停止させています。」

「最大船速は出せませんが航行に支障はありません。」

「モナークから通信、我損傷甚大、最大船速20km、船首トリム12、右舷ヒール14で安定するも舵を損傷、自力での帰投は困難。」

窓からモナークを見ると黒煙を吐き出し、少し右に傾いたモナークが見えた

「曳航するしかないか、ペンタゴンから通信は入ってるか?」

「F-3がスクランブルでこちらに向かっているそうです。」

「ヨークに通信、我戦闘終了。」

「ヨークから通信、本艦十分前にドローンを回収し終えて、ハワイに帰投中。追伸、F-3を確認、そちらに向かっている。」

「ふぅ~~、何とかなったな。」

「しかし、あのF-15はいったい何だったのか」

レーダーに友軍機が写ったと報告を受けた艦長は操舵室の一番高い席に座り考え始めた




とある一室

突如として扉は蹴破られた。十数人の軍人が部屋になだれ込む

「……何事だね。」

そんな緊迫した状況に置かれてもなお部屋の主は落ち着き払い椅子に座っていた。

「川西中将で間違いないですね、我々に同行してもらいます。」

「拒否は出来ないようだね。」

川西は突き付けられた銃を見てこちらの意思は関係ないことを悟り彼らに従い、とある一室に通された。

「川西中将をおつれしました」

「ご苦労、下がれ。」

「はっ、失礼します。」

彼らがいなくなるとこの部屋の主はにこやかに川西を出迎えた

「手荒な真似をして申し訳ない川西中将、どうぞそこにお掛けになってください。」

「これはどういうことだ、片瀬大佐。」

「川西中将、数十分前特殊任務をしていた飛行船がF-15、5機に襲撃を受けました。そして貴方の指揮する第854飛行連隊、F-15、5機が行方不明になっています。」

「……なんだと?」

「単刀直入に申し上げますと貴方の隊が同胞撃ち、しかも故意に味方を撃ったのです。そしてあなたには国家反逆罪の容疑がかけられています。」

「……指揮官としてあるまじき事だがそもそも第854飛行連隊が行方不明という報告は受けていない。私の知らない所で事が「そんなことは軍事法廷で喋ってください。」……」

片瀬は顔を近づけドスのきいた声で川西中将を問い詰めた。

「あの作戦は誰が立案したのだ」

「……作戦?なんの事だ?」

「α作戦だ。」

「α作戦?なんの作戦だ?そんな作戦は知らない」

「とぼけても無駄だ」

片瀬はポッケトから録音機を取り出し、再生ボタンを押す。

そこから流れてきたのは確かに川西中将の肉声だった

{第854飛行連隊全機発進させました。はい、ではα作戦ですね。了解しました。}

ピッ

録音を聞いた川西は目を閉じたまま上を向いた

「川西さん、貴方の身柄は明日には拘束されます。もし、捜査に協力をするなら録音機は処分しますよ。」

川西は依然として上を向いていた

「話す気になりましたら教えて下さい。」

片瀬はそう言うと机のボタンを押す。

「お呼びですか?」

「中将殿を別室にお連れしろ」

「はっ」

川西は黙したまま部屋を出た。


α作戦については本編では余り触れません。

誤字脱字はすみません。

これからもお酒は二十歳になってからをよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 曇から出ない→雲から出ない 「そうか、寂しがしばしの別れだな。」 →「そうか、寂しいがしばしの別れだな。」 でしょうか
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ