第九話 選挙結果
選挙結果
自民党 281
公明党 29
希望の党 50
立憲民主党 54
共産党 12
維新の党 11
社民党 2
無所属 26
突然の選挙で混乱の中、見事に議員を纏めた立憲民主党は票を集めたが、他の野党は対応が追いつかず結果は振るわなかった
また与党の一端である公明党も選挙が続いた影響で支持母体が疲れを引きずった形となった。
9月23日
白い館
選挙も内閣編成もひと段落しほっとしたのも束の間、直ぐに閣僚会議がもたれた。
「宇宙軍の偵察衛星から送られた写真を解析した経過報告をします。文明は複数確認されており、文明同士の交流もあるようです。地球上では存在しないドラゴン、ゴブリンのような生物また、魔法のような力も確認されています。」
スクリーンに航空写真が写し出されていく。ドラゴンやゴブリンのような生物、人の手から炎が出るとこが鮮明に写っていた。
「衛星の映像から見ると文明レベルは中世の欧州とそんなに変わりはありませんが、植民地のようなものも見受けられましたので、そこから軍や経済規模を割り出しています。」
「一部の地帯は何故か映像が映らないところがありました。原因は現在調査中です。」
だいたいの報告が終わると伊部が話をきりだす
「私は異世界の国と接触したいと思うがどこの国が適当だと思うか君の意見を聞きたい。」
後藤は淡々とした口調で答える。
「異世界に来ていきなりトラブルに巻き込まれるのは好ましくないかと。下手にこの世界の列強に接触すれば利用される可能性もあります。ですので、国力と経済が発展していて他国の干渉を受けにくい国が適当かと。」
「目星はついているのか?」
「残念ながら衛星からの情報では限界があります。」
「どうすれば必要な情報を集められる?」
「無人機から極小スパイドローンを使えばほとんどの情報は集まります。」
「すぐに作戦の立案を行ってくれ」
伊部の指示を聞き後藤は部屋を出た。
ペンタゴン
「ふわぁ~~」
輝は無尽蔵に出てくる眠気に欠伸をした。
日本政府専用機でここに戻ってきたが問答無用で空いている応接室に押し込まれ早18時間、重度の軟禁状態である。
いい加減ここにも飽きたのでドアを蹴破って逃げてやろうかとも考えたが、すぐにその考えを捨てた。
「あの時はどうなるかと思ったわ。」
一度やって失敗したことをまたやろうとは思わなかった。そう、軟禁されたのは今回で5回目である。なんで軟禁されているかもわかっている。わかっているゆえにこれから起こるであろう出来事から逃げたい衝動に何度もかられる。
(そろそろかな)
ドアのノックがここの部屋に来客を知らせていた。
「よ!大丈夫だったか?」
部屋のドアが開くと見慣れた顔が現れた。
「遅いよ。何時間待ったと思っている。」
「悪かったよ、伊部総理に呼ばれていたから遅くなってしまった。」
後藤はそういうと前に腰かけた。
「ていうと、あれか、異世界関連の報告か何時間もかけてご苦労なことで」
「極秘の作戦を立案していてね。ここに来るのが思ったより遅くなった。」
後藤はそういって書類を俺に手渡した。
「……こんな作戦を上層部は認可したのか?」
「了承は貰った。後は伊部総理と」
「俺が了承したら決行か」
「正確には君の保護者にだけどね。」
「保護者?」
輝が言い終わる前に部屋のドアが開き現れたのは
「輝~~~~、会いたかったよ~~」
信濃だった。