プロローグ
お待たせしました。改稿バージョンです。
2043年 9/8
第二次大戦が終結して一世紀がたったふしめの年、終戦を記念して日本では式典が行われていた。
式典の内容は戦勝国としては実におごそかだった。
首相である伊部が慰霊碑に花を置くとフラッシュがまばたく。
ウーーーーーーーーー
サイレンが響き、その場に立った人々が黙祷を捧げる。
しばらくして、一般の人々の代表である女子高校生が壇上に上がり話し始める。
(相も変わらず、お粗末なものだ。)
それを画面越して見る男性はそう思った。
彼はコーヒーを口に含みつつ、戦争の悲惨さ、残酷さを韻を含んだ口調で話す少女の芝居を聞き流していた。
「何を当たり前なことをって、顔してるぞ。少しは隠したらどうだ。」
どうやら待ち人が来たようだ。
「日本が大きく変わったあの大戦、日本は何を得て、失ったかね。」
「………さぁ、ね。」
「天皇陛下が本土を出てこちらに来てるそうだ。」
「…」
「これを渡して欲しい、お前の友人に頼めばわけないだろ。」
彼はそう言うと席を立ち店を出た。
「番犬の意思はまだ健在……か。」
(SISはまだどうにかなると思ってるのか…)
コーヒーを口に含み、彼はテレビを見る。
画面には芝居が終わり拍手を送る友人の姿があった。
暫くは不定期更新です。
誤字脱字はすみません。
これからもお酒は二十歳になってからをよろしくお願いします。