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水木粗鋼の場合 17


第三十七節


 セーラー服の女子高生姿になった水木はそりゃもうはしゃいだ。

 どうやらこれまでにそういう相手に当たったことが無かったらしく、長いスカートが新鮮だったらしい。そりゃ男には基本的には新鮮なものではあるがね。

 腰まである長い髪も同様に初体験で、全て前方に垂らしてお化け状態にしたり、振り回したり撫でたりと存分に楽しんだ様子だ。

「じゃあいいですか?受け入れてもらえばそれでいいので」

 目の前にはあれこれ髪型をいじくりまわし、敢えてのおでこ出し髪型をヘアピンで留めた状態のセーラー服の女子高生がいる。

「参りました!」

「…ああ。オレの勝ちだな」

 ぼうん!と元に戻る水木。

 こんな簡単なことでいいんだ…と呆れた橋場。

 確かにこの間は咄嗟の機転で斎賀とお互いに変身させあう様なことをやったが、その後どうやってお互いが元に戻ったかを全く覚えていないのだ。

 何だか気が付いたら戻っていた。

 超・重要なことなのに変身するのはともかく、戻るためのトリガーが分からなかったのだ。

 今回の変身に関しては完全に傍観者に徹した。

 普段はもっとノリノリで言葉責めをしたり、胸を揉んだり…何よりスカートをめくりまくって辱めるところなんだが、それをやればこいつが喜ぶだけで、それが何か悔しかったのだ。

「いやあ、いいですよねえ橋場さんは。こんな魅力的な制服が能力なんて。交渉もやりやすいでしょこれなら」

「何の交渉だよ」



第三十八節


「そりゃ決まってますよ。コレクター同士の交換条件として使えるんです」

「…そんな人たちがいるんですか?」

「ええ。間違いなくいるみたいです。ボクも遭遇したことは無いんですけど」

「分かったよ!いいから新しい情報教えろ」

「はい。これまた結構大事なポイントです。出血大サービスなんで耳をかっぽじって聴いて下さいね」

「ええ」

 これは斎賀。

「メタモル能力の大原則の一つとして、バトルを掛け持ち出来ないってことがあります」

「それは聴いた」

「だから仮にボクが斎賀さんにブレザーを着せられた状態ではしばさんにバトルを挑んでもそれは成立しません。ここまではいいですね?」

 全員がうなずく。『いいから早くその先を言え』と顔に書いてある。

「ここで教える裏ワザは2つです。まず、バトルが成立していない状態で変身が継続している場合、新たなバトルによって上書き出来ます」

「何だって?」

「先ほど申し上げたんですが、稀に試合が終わっても変身が解けない場合があります」

「一時的なものなんだろ?」

「大抵はそうです。ほんのちょっとしたきっかけで元に戻っちゃいますし、大半は気合で戻れます。バトルは終わっているので」

「それで?」

「もう一つ変身を解く方法があります」

「分かった!」

 にやりとする水木。きもい。

「さいがさんどうぞ!」

「新しいバトルを始めればいいんですね?」

「正解です!」



(続き)


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