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プロローグ 02


 次の瞬間!

 紳士は煙の様に消えていた。

「…その程度の戦闘力ではお話になりませんな」

 路地の入口の方から声がする。

 紳士が余裕たっぷりに背筋を伸ばして立っていた。

「てめえ…逃げんのかよ?」

「逃げる?…まさか」

 紳士の口角がニヤリと上がる。

「お…おいお前…どうしたんだよそれ…」

「なんだよ…ってえええええっ!?」

 首謀者の少年の髪がぐんぐんと伸び始めていた。

「な、何だ…か、身体が…お…かしい…」

 胸が乳首を中心にぐんぐんと盛り上がっていく。

 全身が小柄になり、柔らかい皮下脂肪に覆われる。

「お…お前…お…女に…」

「何をバカな!んなはずねーだろ!」

 甲高い声で反論する首謀者の少年。だが、すぐに身体をくねらせ始める。

「あ…ふ、服が…あああっ!」

 一瞬にしてストリートファッションは黒く染め上げられた。

 長い髪はまとめられ、頭頂部に白いフリルも可憐なヘッドドレスが降臨する。

 肩の膨らんだ袖が形成され、細い腕に密着する長袖が手首までを覆う。

 豊かな乳房をフリル付きの可愛らしいエプロンが覆っていく。

 下半身を覆っていたピチピチのズボンがぶわりと膨らみ、分厚い生地のスカートとなって広がった。

「そ…し、下着…まで…」

 服の下では生まれたばかりの乳房がサイズピッタリのブラジャーに抱かれ、柔らかくてすべすべするスリップがまとわり付いた。

 スカートの下にはかぼちゃみたいなズロースが履かされる。


 首謀者の少年は、愛くるしいメイドと成り果てていた。


「お前…何でメイドになってんだよ!?」



(続く)


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