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授業①

特に語ることなし!!

「では授業を始める。この授業では実技をメインとするこの学校ではあまり無い理論をメインとする授業である。故に、人気は無く少人数でやるので相手が誰であれ見下したりせず仲良くするように。実力が自分の方が上だからといって決闘した時に絶対に勝てるというわけではないのだからな」


そんな挨拶から主任の『魔法学:理論』の授業が始まった。この理論は殆どの魔法師科の生徒は選択していない。何故なら殆どが戦闘を主とする魔法師に憧れており、研究を主とする魔法学者を目指す生徒など全体の5%程だ。だが、この授業は魔法師科に人気は無くても騎士科には絶大な人気を誇っている。


それは、理論を知っておけばもしもの時の咄嗟の判断が遅れず冷静に対処が出来、魔法師を倒せる可能性もある。しかし、騎士科に人気でもその人数には制限があり魔法師科で受けている生徒と同じだけの数しか受ける事が出来ない。その生徒は毎年の成績上位が優先的に受講する事が出来、上位陣が拒否すると次の順位の人間が優勢権を得て規定数に達するまで繰り返す。


そしてその中には俺の友人である騎士科主席のグランツの姿も見え俺のほうを見ると手を振ってきていた。あいつ自身はこっちに来たかったみたいだが、アイツに取りいようとするアホどもがアイツをこっちに来させようとせず俺を屑を見るような目で見てきた。


まあ、俺にそんな目を向けたことが分かっているグランツはそのアホどもを振り切り騎士科次席である先輩の所に避難していたがな。その先輩は次席と言う立場にいるのにも拘らず派閥が存在しない不思議な人なのである。・・・まあ、俺は誰だか知っているのだがそれを知らないグランツはその先輩を信頼していて良く相談をしているそうだ。


まあ、先輩の事はおいといてだな。グランツと先輩のほかに知り合いはと・・・。げっ、アイツもいるじゃねーか・・・。俺の呟きが聴こえたのかそこそこ遠い席に座っている筈のアイツ、魔法師科の中で数少ない友人である『ルン・アレイン』が此方を見つめてきた。


ルンは此方を熱の篭った視線で見つめてくる。・・・その中には恋慕とはまた違った物も入っているがその大半は恋慕が強い。ルンの事を説明すると魔法師科の中で一番と言っても過言ではない容姿を持っていて事実、家柄・学科関係なく男は彼女に告白した人間が男子生徒の半数以上を占めているほどだ。


そして魔法師としての実力もこの学校内では申し分なく、と言っても例年より低いのだが、現在大精霊と契約している数少ない生徒で将来的には上級精霊とも契約できる素質があるのだとか。


そんな、言わば魔法師科期待の星が何故学校側から見れば劣等生な俺に恋慕を向けているかと言えば、アレイン家がどういう立場かいう必要がある。


アレイン家は魔法師の家の中でも格がそこそこ高く、騎士の家に上位家が7つあるように魔法師の家にも上位家が5つ存在する。その内の丁度中間に位置するのがアレイン家である。


うちとアレイン家は昔からペアで戦う事が多いらしくうちが頂点を取り掛ける所まで成り上がった後もアレイン家とのペアを解消する事無く今の代に至るまで交流を深めている。そしてルンと俺の話に戻るけど俺はルンと幼少期からよく遊んでいた。そしてその性でルンの魔法師としての才能が開花したんだとサンドラは言う。


子供というのは感受性が高く他に影響を受け易い。そんな感受性の高い時に俺のような精霊が周りに一杯居る人間と触れ合ったらどうなるか?答えは、精霊が近くに居る子も気に入り結果精霊に好かれる才能を開花し今のような将来有望な魔法師候補になった。


まあ、実はコレでも遅い方で成長してからたまにしか会わなくなると精霊も少しずつルンから離れていき、ルンの魔法師としての覚醒を遅らせたのである。多少は好かれる才能を持っていたが、やはり俺が居るから集まってた節があるらしく格段に精霊の数が減ったとルンは語っていた。


さて、じゃあどこにルンが俺に恋慕を抱くようになったかわからないと思う。実際俺も本人から言われて分かったから本当かは分からない。でも、ルン曰く3年前に起こった、俺が家族以外で唯一精霊を使役したあの事件の時に俺に惚れたらしい。


因みにその時俺が精霊を行使した事は覚えてないらしく、その前の剣術で雑魚をボコボコにした所は覚えているらしく主犯をおれが剣術でボコボコにしたと思い込んでいて、自分を守ってくれた正しく騎士が俺なんだと思い俺に自分の騎士になるようにアプローチをかけてきているのである。


因みにこの国では騎士にプロポーズする際は『私の騎士になってください!』と言い、また騎士からのプロポーズの際は『俺をあなたを守る騎士にしてください』と言うのが一般的である。


話を戻して、そんな将来有望なルンに騎士になる様にプロポーズを受けていて尚且つそれを袖にしている、学園の劣等生と言う事で俺はかなりの男どもから嫌われていて今でもちょくちょく地味な嫌がらせや呼び出しを受ける事がある。これも俺が決闘を受ける要因となっている。


まあ、地味な嫌がらせをするのは同じ魔法師科の奴のみで騎士科の連中は正々堂々真っ向から俺に戦いを挑んできては負けて、また日が経ってから俺に決闘を申しこんでは負けてを繰り返している。でも、最近知ったんだが実は騎士科の連中はルンの事で決闘を申し込んではいるが、それは建前で本当は騎士科トップのグランツや、グランツが頼りにしている先輩などの強者から認められている俺の騎士としての腕前に挑んでみたいと言うのだ。


目標が俺と言う事でかなり高くそうそう近づけないとは思うが、俺との戦いで考え方が柔軟になったり技術が上がったりなど騎士としてのレベルが上がりここ数年の中で一番質が高いとまで騎士科主任に言われた。俺相手に鍛え上げた技術を使うことで、次の目標を再設定しまた、付け上がって慢心するなどの抑制になっているようだ。


まあ、俺のそういう点が評価はされているらしくかなりの生徒が俺の退学願いを出した事があるらしいが(十中八九ルンとの関係を妬んだ奴やフランブルグ家を落としいれようとした奴らだ)、地位の高い先生方が俺を庇ってくれた為拒否されたようだ。


「ではここの論理を・・・。フランブルグ!答えてみろ!」


おっと何やら回想を行っていると主任に当てられたようだ。俺は返事をして席を立った。魔法師科の奴らやルンとの中を嫉妬する奴は俺が間違えると思っているが他の人たち(特にグランツや先輩にルンと主任)は俺が間違えるなど欠片も思っていないらしくただ見守っている。


「その理論は精霊との交渉の事で、基本的には自分の格に見合う精霊が呼びかけに応じ契約を結ぶ流れとなります。しかし、偶に格に相応しいのに戦闘を仕掛けてくる精霊も存在し、それはその人の潜在意識の中に好戦的な面があるからそれを読み取り戦闘を仕掛けてくると言われています」


そこで俺は一度言葉を切った。周りが着いて来ていることを確認し再び口を開いた。


「基本的には本人の格並びに性格によって現れる精霊が決まります。しかし、極稀に自分の格より上の精霊と契約している人間も存在し、それは真名を無理やり聞きだしそれで存在を縛っているからです」


「うむ、其処までいいぞ。さて、フランブルグの言った事の補足だが・・・・」


そうして俺の今日最初の授業の時間は過ぎて行った。

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