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始業式②

ま、まだ頑張ってるぜい・・・。

しかし、そろそろレポート書かなきゃな・・・。


「え~只今より魔法師科の始業式を始める」


俺はあの後何とか始業式に滑り込んだ。9割9分の人間が劣等性が来たと嘲笑い下に見る目を向けてきた。まあ、残りの1分がやっと来たのかと安堵の表情を浮かべているのを見て、さっきまでサボろうか迷っててごめんなさいと心の中で謝っておいた。


まあ、そんなこんなで始業式が始まったが・・・正直描写する所など無い。いたって普通に魔法師科の主任が喋り立派な魔法師になるようにと俺たちを激励したくらいだ。


周りの奴は真剣に聞き頷いていたり感心したりしていたが、俺はサンドラと念話をしていた。


(なあ、あそこの生徒の中でこの休みの間に精霊と契約した奴は居るか?)


(いや、居ないぞ?前から契約しているのが昇華したというのも無いな)


ここで新しい単語が出てきたが、昇華とは精霊がある条件を満たした時に精霊としての格が上がり精霊としての力が上昇する事を言う。因みに昇華は上級精霊までしかなく、四大精霊になる事は無い。かなりの例外だが、上級精霊がかなりの力を所有している状態で契約者とともに四大精霊と戦い勝てば四大精霊としての力を継承し見事昇華となる。


まあ、聞いた所それが起こったのはもう600年以上昔の事でその時の四大精霊全員を倒し、今の四大精霊となったのだが、その時の契約者とは初代クルシュタイフ王国の王である『リヴァイト・クルシュタイフ』である。前四大精霊は悪堕ち精霊として猛威を振るっており、国はかなり荒れていたそうだ。それを当時は力が強いだけの上級精霊であったサンドラ達が王と契約し、結果打ち倒し四大精霊へと昇華し、英雄と呼ばれる事になったリヴァイトが王を務め今日まで続くクルシュタイフ王国が誕生した。


閑話休題(これ使いたかった)。


さて、何故俺がサンドラに周りの精霊が昇華してないか聞いたかというと、偶に俺相手に決闘紛いの事を仕掛けてくるバカが居るのだが、そいつらを相手にする時に大抵近接で瞬殺しているのだが、契約している精霊の格によってはバリアを張ってくるからその対策のために精霊の様子が変わっていないかサンドラに聞いている。


俺も精霊が見えるが、見えるだけで状態がどうとかは全く分からない為何時もサンドラに聞いている。因みに余談だがこの学年の魔法師の契約している精霊の中で1番高いのは何と大精霊までで、サンドラや魔法師科の主任曰く、この年にしては皆契約している精霊の格が低く、例年なら下級精霊と契約している生徒が何人も居る筈なのだ。


サンドラが言うには、この学校に集まっている精霊の質が比較的に悪い方らしい。これなら、まだフランブルグ家の庭に集まっている精霊たちのほうがよっぽど質が良いらしい。精霊は契約者の特性に似ているものが契約に成功することが多いので、この学年の生徒の質がいかに低いかが分かると言う事だ。


偶に契約者と全く違う特性が違う精霊と契約が成功することがある。一つは、無理やり精霊の真名を聞きだしそれを用いて契約する方法。コレは、相手が例え拒否しようとしても真名を知った相手が強制的に契約者と認識されてしまう為自分の力以上の精霊を従わせる事が出来る邪法である。


しかし、この方法、全世界で禁止されているのにも拘らず実行する阿呆がおり、その度に国によって存在を消されている。更に無理やり従わせられた精霊はかなりの力を消耗し最悪消滅してしまう。消滅を免れても元の力に戻るためには暫くの間、人間世界で言う百年単位での休息が必要になり仮に戻っても大概が人間不信に陥り、再契約を結ぶ精霊はまずいないと言っても良いだろう。


そしてもう一つ該当するのは精霊に愛されている事である。コレはサンドラ曰く、下級精霊にまでは好かれる存在は意外と多いらしい。中級、上級にまでなるとかなり数が狭まるようだ。それに複数の精霊に好かれる存在はかなりの稀有らしく、そういう人間は大抵魔法師にならず精霊研究者になるのが多いらしい。


・・・まあ、俺のように神に祝福されたとしか良いようがないものは例外中の例外だけどな。


「え~、ではコレで始業式を終わりにする。各自、この後自分の受ける予定の授業の説明会に出るように。解散!」


さて、堅苦しい始業式も終わりだ。これから今学期の授業の説明があるけど・・・やっぱり帰っちゃダメかサンドラ?この後久しぶりに騎士団の訓練受けに行こうと思ってるんだけど。


(我は別に構わぬが・・・確か今年受ける授業は主任殿の授業ではなかったか?主が居ないと分かると烈火の如く怒ると思うのだが?)


げっ!忘れてた・・・。今年主任の授業とってたんだった・・・。はぁ・・・、説明出るか。


こうして俺は重たい脚を教室棟の方へ向けて歩いていった。

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