seven 橙色の思惑
うわ~、やりすぎたな!って感じしかしません。
それではどうぞ!!
「お待たせ……。」
キッチンの奥で冷蔵庫から冷えたオレンジジュースを取り出してコップに注いでいた春香が戻ってくる。
「ありがとう春香、オレンジジュースか、なんか久しぶりに飲むような気がする。」
そう言って春香の持ってきた濃縮還元の100%オレンジジュースに口を付ける。
口に流れ込むオレンジ独特の酸味が混じる甘さが、カラカラだった喉を潤していく。
「そういえば、春香の家に入るのって結構久しぶりだよな。」
春香とは登下校や学校の休み時間に一緒に居るせいでそんな感じはしないが、実際春香の家に入るのはいつ振りだろう、少なくても半年、いや、一年は入っていなかったはずだ。
さっき春香に誘われて家に入った時に感じたが、リビングのインテリアの配置が所々前と変わっているような気がする。
「そうだったかな?よく覚えてない……」
そのまま春香は頭を捻って考えている。
「そうだ、確か去年の春、高校受験の直前まで一緒に勉強してただろ?多分あの時が最後だな。」
去年の春、正確には冬の終わりあたりだろうか、俺と春香は猛勉強していた。
いやちょっと違うな……、俺が春香に勉強を教えてもらっていた、だから猛勉強していたのは俺だけだな。
「そういえばそうだね、あれは受験前だから三月の始めくらいかな?私は推薦だったけど、京也が一般に受かるために勉強してたんだよね、この家で…。」
俺の家だと飼ってる猫や母さん、それに妹が邪魔しに来てまともに勉強できなかったんだよな、だから春香の部屋で勉強していた。
どうでもいいけど……なんか……眠いな。
「ふあぁ~……はぅ、」
俺はつい春香の前で特大の欠伸をしてしまう。
「……眠い?……」「いや……大丈夫だ……学校に戻らないと…。」
俺の欠伸に反応した春香の言葉に、強い睡魔にまどろむ思考に耐えながら返事をする。
「ねぇ、京也…寝ちゃう前に答えてね、学校に戻ったら…放課後あの女に会いに行くの?………」
いけないとは思いつつ半分意識を手放しかけている俺の耳に、春香の少し不気味な静謐さを持つ声が届く。
あの女……、誰…のことだ?……早瀬さん…か?……
「ああ…そのつもりだけど……どうか…したか?………。」
俺は微睡む思考に早瀬さんのことを思い浮かべ返事をし、暗くなる視界の隅で春香の顔を捉える。
「なっ……!…春香!?」「おやすみ……京也……」
俺の視界に移った春香の顔は……暗い濁った瞳で口を半開きにして笑う……狂気に満ちた顔だった。
「……………………行かせない………………。」
春香がそう呟くのと同時に、俺は意識を手放していた。
「あははっ!はははははっ?はっ!ははははははははは!」
なんかヤバい方向に話が動いて行っているんですけど……
って思った方、何人いましたか?
これ以上読むのはきついっていう方はどうぞ続きを読む場合に注意してください
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