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five  推測

五話が書きあがりましたどうぞ読んでください

「やきもちだね、うん、やきもちだ。」


妙に子供っぽい高い声でそんなことを言ってのけたのは、目の前で後ろ向きに座って背もたれに顎を乗せている「小学生」みたいに見える高校生、上杉友香うえすぎゆか


身長が、146㎝と小さいこともあるが、名前に劣らずかなり幼い女顔をしているこいつは、高校で進級して二年に上がり、今いるクラス2年A組で初めて同じクラスになったにもかかわらず、いきなり軽いノリで距離を縮めてきて、そこから何かと俺に付きまとい、親友と勝手に豪語している奴だ。


「なんでお前にわかるんだよ、そもそもお前に女心ってやつが分かるのか。」


人がちょっと親友に対する相談と言うことで昨日の経緯を話してやると、調子に乗って勝手に断言しやがって。


「わかるよ~、美香みかちゃーん。」


そういって友香が呼んだのは我が2‐Aのマドンナ、桐原美香きりはらみか、学年でもドレスが似合いそうな洋風美人ランキングで一位を誇る金髪美女だ。


「あのさ、この前のクッキーありがとね。」


クラスのマドンナを呼んで友香が何をするのかと思ったら普通に談笑しだしやがった、何がしたいんだお前は


「おい……、まだ話の途中だぞ。」


そう後ろからこそこそ呟くと「まあ、見ててよ。」とだけ言ってそのまま話を続けだした。


「それでさ、お礼に今度お返ししようと思うんだけど、何かほしい物ってあるかなー?」


かなり女慣れしているのか、ナチュラルに笑顔お返しをするという友香、俺だと絶対噛んで最後まで言えないだろう


「別にいいよぉー、友香くんからお返しなんて貰えないよ!、それにあれは私が好きであげたものなんだから、受け取ってくれたら…、それでよかったんだし……。」


桐原さんはその、鎖骨辺りまでカールしながら伸びてきている自慢の金髪の先を指でクルクルしながら照れ気味に言う。


それに対し友香は笑顔で桐原さんの目を直視し続ける、すると桐原さんはその純真な笑顔と視線に耐えられなくなったのかついに顔を俯かせ赤面している。


それがわかると友香は、顔に似合わないしたり顔で、やってやったぜ!的な顔をこちらに向け、右手で親指を人差し指と中指の間に差し込むハンドサインをつくり、こっちに向けてこっそりアピールしてくる。


こいつ……女の扱いを分かってやがる


「でもやっぱり、貰いっぱなしっていうのは気が引けちゃうからさ、今日、美香ちゃん学級委員の仕事で少し帰りが遅くなるんじゃなかったっけ?」


最初から知っていたのか、それともあてずっぽうかそう言った友香は心配そうな顔をつくり、さっきの言葉のあとに一拍余韻をつくってから「僕が送ってあげるよ、美香ちゃん一人じゃ危ないから。」といかにも王子様のようなキザったらしいっ言葉を続ける


「ダ、ダメだよ……、今日、書類整理だから結構遅くなるし、そんな時間まで友香くんを待たせられないよ。」


桐原さんは単純に待たせるのが嫌だからなのか、それとも照れからか、何とか断ろうとしている。


しかしそれを許すような友香ではないようだ。


「大丈夫、一人だったら二時間かかる仕事でもちゃんと分担して二人でやれば、30分で終わるよ。」


正確な攻めで、桐原さんのガードの砦を崩していく。


「で、でも……、友香くんだって危ないよぉ……。」


もうすでに半分桐原さんは目は涙目になってきている、そろそろガードが完璧に崩れてなくなるかもしれない


「美香ちゃん、これでも僕、男なんだよ?それなのに女の子の美香ちゃんが危ない目に合うかも知れない状況で放っておけるわけないでしょ?」


またも友香がキザったらしい言葉を吐いてとどめを刺そうとする。


「で、でも……だって………。」


それになんとか耐えている桐原さんだが……


「でももだってもない!美香ちゃんは僕が送って帰る!心配しなくてもいいから。危ないときは、そこにいる僕の親友が助けてくれるから、ね?」


「は、はいっ!?」


いきなり友香が見せた強気な態度に気圧されてつい返事をしてしまったようだ、もう後戻りはできない。


もう完全にガードは崩れたようで、友香を見る目がハートに変わっている


素晴らしいアメとムチの使い方だ、最後ちょっと人任せにしたけどな!!


「じゃあ、ちょっと親友と話しするからあとでね。」


その言葉を聞いて桐原さんは、肌が見える部分全てを真っ赤にして熱っぽい瞳で友香を名残惜しそうに見た後、フラフラと自分の席に戻って行った。



「どう?わかった?これが女心の掴み方だよ。」



友香が全力でドヤ顔をして俺を見る……



ゴンッ!!



「いった~、なにすんのさ、僕何か悪いことしたっ!?」



「いや、ちょっとイラついたから。」


俺は友香の頭にゲンコツを落とした右手をさすりながら、言い放つ


「俺は女心がお前にわかるのか聞いただけだ!!誰が桐原さんを落とせっていった!?」


こいつだけはマジで……、女を口説くことしか頭にないのか?


まあ、それが実のところ女たらしなコイツらしさでもあるけどな……。


「で、結局春香が俺にやきもちを焼いたっていう根拠は?」


いい加減本題に戻らないとな。


「だって、春香ちゃんってさ、京也のこと好きでしょ?それで……「おいおい、どこから春香が俺のこと好きだってのが出て」人の話は最後まで聞くっ!!……それで京也がその…早瀬さんだっけ?を好きかどうか聞いてきたんだったら辻褄が合うでしょ?」


それはそうかもしれない…でも、


「春香が俺のことを好きだって証拠はっ!?それがないと成り立たないぞ?その推測。」


実際春香が俺に告白したことも無ければ、そんな雰囲気になることも無かった、なのに春香が俺のことを好きだっていうのは無理がある。


「身に覚えがないとは言わせないよ?自分だって気づいてるでしょ?春香ちゃんの京也への異常な執着、それに昨日の朝だってあんなカレカノじみたやり取りしておいて、はたから見たら付き合ってるようなものだよ?あれは。」


「そ、それは……ほら……。」


確かに友香の言葉は正鵠せいこくを射ている、とっさに言葉を返すことが出来ない。


「それにこれは黙ってようと思ってたんだけど……聞く?聞いたら衝撃を受けるよ?多分。」


それほどの内容なんだったら、きっと友香の春香が俺のことを好きだと言う予想の裏付けでもあるんだろう、だったら聞かなくちゃならない。


「わかった、聞く……いったいなんなんだ?」


友香は少し迷うようにあたりに視線をふわふわ漂わせた後はっきりと強い口調で言う


「春香ちゃん、ヤンデレだよ……。」


は?今なんと?


「も、もう一度ゆっくりと言ってくれ。」


一度言ってしまったことで吹っ切れたのか春香はさっきとは違い軽く口を開く。


「春香ちゃん、ヤンデレだよ……。」


確かに衝撃の事実…だが


「マジかよ………意味わかんねぇ、どういうことだ?」


具体的に何がヤンデレなんだ?


「前に一度京也が学校で告白されたことがあったでしょ?その時春香ちゃん、放課後にバットもって家に押し入ろうとしてたからね。」


「誰の?」「京也の。」


「俺の!?」「うん。」


ホントに衝撃だな、道理であいつ殺気立ってると思ってたんだよ。


「でもなんでそれで俺を好きってことになるんだ?」


そこが疑問だな、なんでなんだ?


「だってその時、京也は渡さない!とか一緒に死んでやる……、とか言ってたから。」


怖いな…あいつそんなこと考えるような奴だったのか。


「ねえ、京也、もう今日帰ったら?」


「なんでだ?」


別に帰る必要はないと思うんだけどな


「春香ちゃん今日休んでるでしょ、家でなにしてるか見ておいたほうがよくない?」


ガタン!!


椅子を倒す勢いで立ち上がった俺は教室を出る前に一言叫んでおく。


「先生っ!今日俺帰ります!!」




「まだSHRすら終わってないんだが……」




俺は学校を飛び出し少しでも早くつくよう家路を急いだ。


















どうでしたか?最後に少しふざけてしまったところが多々ありますがよければ感想をお待ちしてます

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