fore 分からない心中
更新がなかなか進みません、そのせいで少し遅れましたが第四話をどうぞ。
「じゃーん、これがローズガーデン新メニュー候補〈イチゴのミルクスフレチーズケーキ〉です、じゃあ試食と感想をお願いしまーす。」
新メニューの試食会、と言っても新メニューは一つだけだからそんな大層な、会と言うほどの物ではないけど店の奥から戻ってきた早瀬さんは持ってきたケーキをカウンターに置いて声高に宣言する
「おいしいそうですねー、これ、見た目もいいし。」
俺はカウンターの上にある鮮やかなピンク色のケーキを食べて新メニューの感想を口にする。
「うん、スゴイおいしいですよこれ!チーズケーキのしっとりとした食感に上にのったイチゴの生クリームがこう……甘ったるくなくて爽やかでかつ濃厚なチーズの味にピッタリと合っていて、何個でも食べられそうですよ。それに見た目も全体的にピンクでかわいいから若い女性客に売れるんじゃないですかね。」
結構、以外と言われることが多いけど案外グルメな俺は感じたまんまテレビのグルメリポーターのように分析して言う
「ほんと!?結構自信作だったから嬉しいな。」
「別に普通……。」
俺の感想に満面の笑顔で喜ぶ早瀬さんになぜか少々不機嫌な春香がちょっと辛口の評価を呟く
「残念…春香ちゃんの口には合わなかったんだね。」
今度はその評価に少し落ち込む早瀬さん、こうしてみるとコロコロと表情の変わる小動物みたいに見えて可愛い……そうじゃなくてっ!
「どうした春香?お前甘い物好きじゃなかったっけ?」
「好きだけど…、でもこれは普通。」
「どんな理屈だよ…。」
どうも春香の様子がおかしい、なんかわざわざ早瀬さんに対し辛辣な態度をとっているような気がする………まあいい。
「春香の口には合わなかったみたいですけど、おいしいですよ?このえーっと……」
「イチゴのミルクスフレチーズケーキ……。」
春香さんにフォローをしようとして逆にフォローをされてしまう俺、なんか逆効果な気がする。
「ありがとう京也君、折角京也君がおいしいって言ってくれてるんだしメニューに加えてみるね。」
俺がそんなことを考えているのに対して春香さんは気を取り直して前向きに発言する。
「これで新しいメニューが増えましたね、お、もうこんな時間だ。」
手首についているGショックがPM19:30とデジタル表示している。
俺と春香が下校してこの店に着いたのが午後六時半ぐらいだったと思うからかれこれ一時間はいた計算になる、結構長居してしまった。
まあ自分としてはあと3、4時間はいてもいいんだが春香の家には門限がある、もし晩の八時を過ぎたら色々と罰があるみたいだ、でも春香は絶対俺を置いて先に帰ることは無いだろう。
俺が店に残ったら100%自分も残るって言って帰らないはずだ、だから俺がちゃんと家まで送らないといけない。
これが今のほとんど毎日の俺の下校の日課になっているまあ別に家は隣だしどうってことは無いんだけど。
「じゃあ俺達はそろそろ帰ります。ちゃんと宣伝しておきますね、まあ学校でですから来るのは学生ばっかりでしょうけど。」
そういって早瀬さんに別れの言葉を告げ、店の入り口に向かいドアの取っ手に手を掛ける。
「ううん、それだけでも十分だよ、ありがとう!バイバイッ、京也君。」
早瀬さんは笑顔でそれを告げ、店の外まで出てきて遠ざかる俺たちに向かってしばらく手を振り続けていた。
「それでだ、どうしたんだよ春香、ずっと黙りこくって。」
さっき店を出た俺たちはそれぞれの家に向かって帰路をたどりながら、会話をしていた。
「だって…………ううん、なんでもない。」
春香は立ち止まって、戸惑いの混じる眼で俺を見上げたあと何かを言いかけながらも……、結局適当に話を濁して口をつぐんでしまう。
そんな春香に俺は、いつもと同じ言葉を口にする。
「春香、言いたいことがあるんだったらちゃんと言葉にして相手に伝えろ。じゃないとお前の思いは誰にも届かないんだぞ。」
春香が口をつぐんで黙り込もうとしているとき、いつも俺はこれを言う、そうすれば多少言いにくいことようなことでもちゃんと自分から素直に話すのが春香だ。
だから今回もいつもみたいに自分の考えを言葉にして俺に話してくれるはずだ。
「本当にいいの?私のこと嫌いに…、ならない?」
いまさら何を言ってるんだろうか春香はこの程度で俺が春香を嫌いになる訳がない。
「当たり前だろ?そんなこと気にしないで良いから、ほら、言ってみろって。」
春香は瞳に、一瞬だけ迷いの色を浮かべた後、重々しく口を開ける。
「あのね……、怒らないでね?もしかしてなんだけど……京也は早瀬さんのことが好き…なの?
「……っ!!…いやっ!それは……」
言ってしまった後、春香の顔は後悔と強い嫉妬心の入り混じった顔に変化した。
恐らく聞いてもいないのに俺の顔から答えを連想したんだろう、それほどの反応を俺はしてしまった。
とっさに受け答えも思いつかず、思いっきり春香から眼をそらしてしまった
「そう……なんだ…………っ!」
春香もまた、とっさに返したその言葉意外に言葉が見つから無かったんだろう、見たくもない現実から目を背けるように俺から目をそらし俺たちの足が向いている先、家に向かって走り去る。
その背中を呆然と見送りながら俺は、春香の言葉を心の中で繰り返し呟いていた。
俺が…早瀬さんを……、好き?…そんなことは……どうなんだろう。
答えの出てこない問題を繰り返しながら、まるで銅像のように道の真ん中で固まリ続ける俺を、まるで小馬鹿にするようにカラスがカアカアと空を舞っていた。
うーん、二人の関係をこれからどうするかがなかなか思いつきません。
とりあえず新キャラとして京也の親友(男)をそろそろ登場させたいところですねぇ




