ten 決断
すいません、だいぶ更新が滞りました、ちょっとPCが壊れてしまいましてTAT
ですがやっとのことでこの間PCが治ったので久しぶりに更新します。
ただ……これでよかったのかな?と思っています。
「俺は……」
続く言葉が出ない、決心はついている。なのに喉の奥に引っかかったように息だけが口から外へ抜けていく
「俺は……」
もう一度口を開くも、やはり続きを口に出すことは出来なかった、それでも「ゴメン……」その一言だけは言うことが出来た
「は……はははっ! あはははははっ、そうだよね! ダメだよね、あたしなんかじゃ!!」
それを聞いた春香は泣いているのか笑っているのか分からない顔でベッドに座り直し、発狂したかのような笑い声をあげる。
「あはっ! アハハハハハっ!」
春香は泣いている……たとえ狂ったような笑い声をあげていても俺には分かった。
「春香……」
俺は春香の名前を呼ぶ、しかし返事は無い。完全に声が聞こえてないみたいだ。
「春香、聞いてくれ。俺は早瀬さんが好きだ! 理由は分からない、俺自身気づいたのはお前に言われてからだ、でも……それでも俺は早瀬さんが好きなんだ。」
たとえ聞こえていなくても構わない、あの時俺が春香に言ったように俺も自分の気持ちを素直に伝えなくちゃいけない、だから俺は言う。
「春香……俺は早瀬さんを選ぶ、だから……春香と一緒にいることは出来ない」
春香に……俺の気持ちは届いただろうか。たとえそれが春香にとってよくない未来を示唆するものであっても、俺は……春香に届くと信じてる。
俺の言葉と同時に、春香の体がビクンッ! と跳ねた。そして笑いの収まった春香はこちらに向けて元気のない笑みを向けると、口を開けて小さな声で言葉を紡ぐ。
「…………ねえ京也……どうして私じゃダメだったの?」
春香の口から出た言葉は、自分が選ばれなかった悲しみと、もはや自分が二度と京也と元の関係に戻れなくなってしまったことの後悔、そしてその全てのことに対する諦めを含んだ言葉だった。
だからこそ俺は春香に言わなければいけない言葉がある、どうなるかはわからない。でもその言葉をきっかけに俺たちはまた元に戻れると信じて俺は口を開く。
「ありがとう春香、俺のことを好きって言ってくれて。でも春香、ごめんな。」
「………………」
「俺は早瀬さんを選んだ、でもな、俺は春香のことも大切に思ってるよ。だって……初めてこの町でできた友達だから」
「……!」
春香がわずかにその言葉に反応する、俺と初めてあった日を思い出したのかもしれない。
「春香、俺は確かに春香よりも早瀬さんっていう『恋人』を選んだ」
「……うん」
ここにきて春香は俺の言葉に返事を返す。多分俺の言いたいことが分かってるんだろう。春香は傷ついた顔をしながらも最後まで俺の言葉を聞き取ろうとする。
「だけど春香、俺の自分勝手な言い分……でも、春香は俺の『友達』でいてほしいんだ。だって春香は俺のかけがえのない親友だから、それだけは早瀬さんにも、友香だろうと、誰にも譲れない場所だから」
俺は言いたかった言葉を心を込めてすべて言いきった。それに対して春香は今までとは違い、暗く鬱屈とした表情からぎこちないながらも笑顔を浮かべて「ありがとう」と一言返事をして俺の脚を縛っていた縄をほどいた。
「京也、ちゃんと言ってくれてありがとう。私は今まで京也に嫌われないように、私の傍からいなくならないようにがんばってたんだ。でもね、今、やっと気づいた。」
春香はまっすぐに俺の目を見つめ、そのまま…………キスをした。
「ええ!?」
「京也はいつも私と一緒にいてくれる、たとえ恋人じゃないとしても私は京也の友達でいられる。だからこのキスは恋人になりたかった私からの最後のキス、一応ファーストだからね」
いきなりの挙動にあたふたする俺にかまわず話を続ける。
「だからこれからも『友達』としてよろしくねっ! 京也っ!」
「お、おう!!」
カッコよく決めたつもりが最後は春香の手玉に取られてしまった……まあいいか。
なんにせよこれで春香と俺は元の関係に戻れるだろう、一件落着……かな。
「京也、早くローズガーデンに行って、早瀬さんのところに。私はもう……大丈夫だから」
「ありがとう春香、じゃあ行ってくる」
そうして俺はローズガーデンに向けて走り出した。
どうでしたか? 話が一気に変わって春香路線が終了しました。
早瀬さんがどうなったのかとか疑問はあるでしょうが作者もどうしようか迷っています。
あとだいぶ執筆力が落ちた気がします、話が面白くなかったなと思われたかもしれませんがそこはご容赦を。




