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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

奪う者・奪われる者

作者: 龍火


もはやどこのだれかが始めたともわからない戦争。二つの軍が敵の町を焼き払い、人々を虐殺していく。

子供を守るために立ちはだかる母親を殺し、泣き叫ぶ赤子を殺し、神に祈る老婆を殺す。

運が良かったのか、悪かったのか。生き残った人々は皆、悲しみに暮れていた。燃えて行く己の家や家族を呆然と眺めながら。

涙にぬれていた瞳は、次第に憎しみの色に染まって行く。



「殺してやる・・・」


「あの者たちに復讐を!」


「母さんを返せ!」


「俺の兄ちゃんをよくも・・・」


「私の愛しい子を・・・」



復讐ができぬ弱き者は、ただ拳を握って運命の残酷さを嘆くだけ。

怨み憎しみに突き動かされた者は武器を欲した。そして、それを手に入れるために略奪を繰り返す。死者は生者の重荷となり、生きる糧となる。死者の影は常に復讐者にまとわりつき、彼らの耳にささやく。



「私の仇を取って・・・」


「俺はあいつに殺されたんだ・・・またやりたいこともたくさんあったのに!」


「俺の未来を返せ・・・!!」


「あの者達が生き残るなんて・・・許さない!」



武器を取った者たちは復讐を遂げるために、敵国の町を滅ぼし、人々を殺して行く。母はナイフを握り、子供たちは剣を構え、狂気を瞳に宿らせて町をさまよいあるく。

どれだけ殺しても、もう戻らない最愛の人。わかっている。だが、もう止まらない。もう、走り始めてしまった。ココでやめてしまえば、今まで自分がやってきたことは何だったのか?それは・・・



「母さん・・・」



憎しみの色に染まった瞳は、光などうつしたりはしない。その光さえも疎ましく思い、壊してしまいたくなるから。



「何であの子はいなくて・・・」


「私の家族は殺されたのに・・・!」



また膨れ上がった憎しみの炎は全てを焼き尽くすまで消えはしない。

街で見つけた、最愛の人を殺した男。復讐者は喜びに口元をゆがめ、男に向かってナイフをふりあげた。



「よくもあの人を・・・ッあ!」


「なっ!?・・ぐぁ・・・・・」


バタッ



それを見ていたのは、小さな子供。



「ッ!父さん!!」



あたりに舞う鮮血。あたりに満たされる鉄の臭い。復讐者の笑い声。男の呻き。唇を噛みながら鳴き声を押し殺す少年。

復讐を遂げた男は胸の空虚さを抱えながらフラフラと歩き始めた。



「仇はとったのに・・・この虚しさは何だ・・・?」



虚ろな目をした復讐者は気付くことができなかった。一本のナイフを握って、瞳に憎しみの炎をともした少年が己の背後に迫っていた事に・・・



奪い、奪われ。殺し、殺され。



憎しみは紡がれ続ける。









高校の宿題で「創作ダンスのストーリーを考えてきなさい」と言われて書いたもの。いつまで経っても登録だけして、何も書かないのも忍びないと思いまして。

駄作ですいません。お目汚し、失礼いたしました。

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