銀河騎士隆盛記 零 天の章 25~26 カンデンのお弁当
カンデンのお弁当
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工具キャビネットの近くに置いてある金属製の、四人掛けのテーブルのスチール椅子の一つに腰かけて、テーブルの上に置いた、ファクトリー製の缶入りコーヒーの、空き缶を灰皿にして、カンデンが紙巻タバコを吸っていると、ブルーノーズ号の案内を終えたカネノカタとベルセラがこちらに歩いてきた。
カンデンはキンタに「丁度、良い時間だから、お昼にしようか。」と声をかけると、六つあるブルーノーズ号のイオン噴出スカートの一つの前で、なにかの作業をしていたキンタは、振り返って手を止めて、ウエスで両手を拭いて、こちらに歩いてきた。
四人がテーブルについたのでカンデンは、昼飯を入れたポリエチレン袋の中から、プラスチックの製の大きめの折箱を出した。キンタはもう一つの袋から大きめの缶入りコーヒーを出して、皆に配っている。
カンデンが折箱の蓋を開けるとベルセラは「わー、美味しそう。」と声をあげた。
折箱の中身は、小さめに焼いたパンケーキに、手つくりのマヨネーズをぬって、塩コショウを振りかけた目玉焼きと、プライパンで焼いた豚のベーコンの厚切りと、水を切ったレタスを挟んだ、パンケーキサンドだ。それが六個、入れてある。
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「カンデンさま、私もいただいて良いのですか?」というので、カンデンは「ああ、食べてくれ。それからカンデンさまと呼ぶのは止めてくれ。」と言った。
ベルセラは「キンタさんが、カンデンさまのことを先生と呼んでいたので、私も先生と呼んでいいですか?」と言うのでカンデンは「それがいいな。それから二人とも、手を洗おうか。」と言うと、キンタとベルセラは顔を合わせて「あっ、そうだ。」と言って笑い合っている。
格納庫の入り口の、左端の流しで、カンデンとキンタとベルセラはならんで手を洗った。三人はテーブルに戻って、席について、昼食にとりかかった。
ベルセラとキンタの二人は、パンケーキサンドをぱくついている。カンデンもパンケーキサンドを齧りながら、サンマナでの暮らしのことを考えていた。
アスラから戻って以来、カンデンは冷凍食品やレトルト食品を口にすることを避けて、口にするものは、自然に近い食品を、調理して食べるようにした。健康に良いことが第一だが、美味しいからという理由が最も大きい。
サンマナで口にしていた食べものは、風味が強く、味が濃いものが多かったから、それに慣れてしまうと、バサラバートで手に入る食品類は、味が不自然に濃いか、味気ないかのどちらかで、物足りなさを感じるようになった。




