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「銀河騎士隆盛記 零」オッサン銀河騎士は太古の地球に不時着し、縄文文明期の古代剣法を習得し、その剣、五次元の域に達する。  作者: ジム・プリマス


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銀河騎士隆盛記 零 天の章 23~24 事務方のハリスマ


事務方のハリスマ


23

 何か調子が狂うなとカンデンは思った。とにかく小中星間航行船ドックの管理事務所のハリスマに連絡して、先日、済ませたブルーノーズ号のメンテナンスの結果と、費用の請求額を確認しておこうと、カネノカタに一言、事務所にゆくと伝えて、格納庫を離れた。 


 カネノカタはベルセラに、ブルーノーズ号の外観から説明しているようだ。外観の塗装をやり直しただけだが、ドックの格納庫の中のブルーノーズ号は遠目でも見違えて見えた。


 管理棟まで五分ほど歩いて、管理棟の二階に上がる階段の前で、カンデンは上を見上げた。管理棟にはガラス張りの管制室があり、そこだけがニョッキリと上に伸びている。


 管理棟のコンクリートは古くなって灰色に変色している。非常階段を上って非常口のドアを開け、二階の廊下に出て、事務所のドアをノックしたら「どうぞ。」とハリスマの声が聞こえた。


「騎士殿。まだ生きてたか。2年も音沙汰なしで、船を持ち込んだのが、黒んぼと、翻訳屋(PE57Qのこと。)と修理屋(YWC2のこと。)だったと聞いたから、流石さすがにくたばったかと思ったぞ。」ハリスマは口が悪いのは相変わらずのようだ。


「良い骨休みになったよ。旨い酒を飲んで、良い空気吸って、旨いものを食べて若返った。」カンデンが軽口を返すと、ハリスマはデスクのチェアーに座りなおして、まじまじとカンデンを見た。「たしかに顔色も肌つやも良くなったな。未開の惑星で島流しにあったと聞いたんだが、がせだったのか。」


 カンデンは前から、ハリスマのような事務方の人間と話をする方が、適当に気が抜けて楽だった。彼らは。まだ、庶民感覚を持ち合わせているので、一部の鼻持ちならない同輩の騎士などより、人間としてよほどまともだからだ。


24

 軽口の応酬はほどほどにして、実務的な話を始めると、ハリスマが言うには、船体のメンテナンスの費用はそれほどの額ではなかったということだ。問題が多かったのは兵装の方で、そちらの請求額が意外に大きくなったという。


 カンデンは、どちらにしても今回のメンテは、次元断層の調査の結果なので、請求は、元老院の財務部の監査を、問題なく通過するはずだと考えていた。しかし、ハリスマ言うところによると、ジンウ長老会の思惑で、監査部になんらかの圧力がかかっているということを、彼は耳にしたそうだ。


 カンデンの脳裏に、ガイゼル老師の顔が浮かんだ。あの御仁ごじん指金さしがねだということは容易に想像がつく、あの御仁ならやりそうなことだ。


 ハリスマから「長老会に何かコネはないのか?」と言われて、カンデンの脳裏に今度はズウカイル老師の顔が浮かんだ。あの御仁ごじんなら、後ろ盾になってくれるだろうが、それも厄介やっかいなことだとカンデンは思った。とにかくカンデンは、ハリスマになんとか善処ぜんしょすると返事をして事務所を後にした。


 ドックに戻ったカンデンは、キンタに「先生。なにか良くないことでもありましたか?」と聞かれて、考えていることが、顔に出てしまっていることを自覚して、深いため息をついた。


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