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「銀河騎士隆盛記 零」オッサン銀河騎士は太古の地球に不時着し、縄文文明期の古代剣法を習得し、その剣、五次元の域に達する。  作者: ジム・プリマス


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銀河騎士隆盛記 零 天の章 19~20 ズーカイル老師


ズーカイル老師


19

 ベルセラを派遣するにあたって、ズウカイル老師から、カンデンのところへホログラム通信を使った会見の申し出があったことを、PE57Qへの超空間音声通話を通じて、連絡を受けたカンデンは、自分が借り受けている屋敷の、拝謁室はいえつしつのコミニュケータの電源を入れて、会見の約束の時間、十九時の少し前から控えていた。

 うす暗い部屋の中にズウカイル老師の姿が浮かび上がった時、カンデンはひざまずき、胸に手を当てながら口上を述べた。

「ズウカイル老師、亡くなったミフネ老師の門下、カンデンです。アスラではコッポという古い技を習いました。お初にお目にかかります。お見知りおき下さい。」カンデンが口上を終えると、ズウカイル老師はカンデンに顔をあげるように言い、バサラバートのジンウ寺院の一室から連絡していると告げた。

「会うのは初めてではない。アスラの査問の折に一度、騎士団長との試合の折に一度、会っている。そうかしこまらないでいい。」

 ズウカイル老師は小柄で、黒い瞳と、真っ白い髪をした、浅黒い肌の壮年の紳士だった。老師は剣の達人とは思えない、柔らかい温和な表情を浮かべていた。ただ眼光は鋭く、カンデンの目をひいた。

「トーウとやらを使った試合であったが、豪快ごうかいでありながら緻密ちみつ剣裁けんさばき、見事だった。アスラという地での経験が、貴殿きでんの強さの源と見たが、いかがなものかな。」

 老師は、柔らかな笑顔を浮かべて、話を続けた。


20

「さて話は、他でもない、貴殿きでんに私の門下のベルセラを預けることになった。ジンウ長老会の主流派におもねるかたちで、何の実績もない女騎士を押し付けられたと、貴殿きでんは思っているかも知れないが、私が貴殿きでんの元にベルセラをつかわすのは、貴殿きでんの技を受け継ぐのに、最も相応ふさわしいと考えたからだ。ベルセラは私が見るところ、私の門下のなかで最も伸びしろがある弟子だ。柔らかな肢体したいをしていて、強いジンウを宿している。」終始、笑顔だが、老師の目は笑っていない。

「厳しく仕込んでもらいたい。彼女は明日から、ブルーノーズ号のドックに向かう、そこで、貴殿きでんの一門に引き合わせてやって欲しい。カンデン。彼女をよろしく頼むぞ。」

 そう伝えてズウカイル老師は会見を終えた。

 カンデンは立ち上がり、居間に戻り、ソファーに座り込むと、テーブルの上のパイプに煙草を詰め火をつけた。やれやれ、これは相当に厄介やっかい御仁ごじんと知り合いになったとカンデンは内心で思った。

 カンデンにとってズウカイル老師の印象は、とんだ食わせ者ということだった。何を考えているのか分からない、底の知れぬ老獪ろうかいな、ジンウ長老会の一人ということだ。

 カンデンにとってジンウ長老会の意向などどうでもよいことだった。辺境巡りの気楽な役回りに満足していたのに、長老会の長老と、かかわりをもつことになった。とんだ、しがらみを抱える羽目になってしまったとカンデンは思った。


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