銀河騎士隆盛記 零 天の章(帰還編)10~11 ワープ成功
ワープ成功
10
ワープアウトまでの1時間6分48、53秒が過ぎた瞬間、ブルーノーズ号は、あっけなく通常空間に静止した。
そこには銀河の恒星が、当然のように光っていた。カンデンとキンタとPE57Qは歓声をあげた。
通常航行に移行して、加速して船が慣性航行になってから、超空間通信が回復したのを確認して、カンデンは超空間通信で、一番近くの、銀河自由連邦軍、銀河辺境星系の中継拠点のあるカイ恒星、第五惑星カイムリ星、軍師団に連絡をした。
全員の認証番号の確認が取れた後で、カンデンは船が消息を絶った二年間の経緯について、報告をした。
同司令部の管制官は、ブルーノーズ号の捜索を打ち切りにするか、どうかで、銀河連邦首都惑星バサラバートの元老院と、カイムリ星軍本部の間で、相当の議論があったことを愚痴ったが、とにかく無事で良かったと言ってくれた。
報告を受けた軍師団の管制官は、同星の衛星軌道上にある、医療防疫検閲センターに入港し、医療防疫と検閲を受けるようにカンデンに指示を伝えた。
カイムリ星の近傍の空間にワープアウトするように、航路を計算し設定した、カンデン一行は二日間の中距離ワープを経て、通常航行に移行して、カイムリ星の衛星軌道にたどり着き、医療防疫検閲センターの102ドックに入港することになった。
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防疫隔離室で二日間の防疫を受けるために、私物を持ち込む際、カンデンとキンタが持ち込もうとした樫のトーウと、特に、竹の幹を削って組み合わせて、皮を巻いて漆を塗ったトーウが問題となった。
隙間が多すぎて消毒出来ないので、焼却処分すると言う防疫担当の職員を相手に、どうにか二人は食い下がって、消毒液に漬けるという条件で、持ち込みを認めさせた。
カンデンが持ち込もうとした煙草と喫煙具については、担当の女性の看護師に、とてもいやな顔をされたが、渋々、隔離室への持ち込みと、喫煙することを、認めてもらうことが出来た。
ただ、これも余談だが、ブルーノーズ号の食糧庫に残っていた、サンマナ産の乾燥食品の類と酒は、すべて焼却処分されたことをカンデンとキンタは後で知ることになる。
隔離室は横8メルト、縦8メルトくらいの真四角な間取りで、小さい机と、二人掛けのソファーと、シングルベッドが置かれている。トイレとシャワーは作り付けになっていた。
それなりに広い部屋だが、もちろん樫のトーウでの素振りなど、認められる訳もなかった。




