銀河騎士隆盛記 零 地の章(コッポ修行編)18~19 無刀の太刀の極意
無刀の太刀の極意
18
ある夜。カンデンは夢を見た。
目の前に、無数の、黒いシルエットの人影が、光線剣を持っているのが見えた。一斉に光線剣は光の刃を繰り出し、色とりどりの光の刃が振り上げられ、無数の人影は、一斉にカンデンに切りつかかってきた。それが振り下ろされた瞬間、目の前が真っ暗になった。
そして、場面は最初のところに戻り、また繰り返された。最初と違うのはカンデンが自分の光線剣を手に持っていた処だ。無数の人影が光線剣の刃を繰り出し、振り上げ、切りかかってきた。
カンデンは自分の光線剣の青い光の刃を繰り出し、目の前の一人が構えている光線剣が振り下ろされたとき、無意識にイチノタチを用いて、その赤い刀身を弾いて、目の前の人影を二つに切った。すると自分を取り囲んでいた人影が、色とりどりの光線剣とともに、消え失せた。
ハッとして、目が覚めて半身で起き上がると、全身に汗をかいていた。
19
次の瞬間、カンデンは閃いた。
無数の光線剣も、最初に、対峙するのは、目の前の一剣のみ。
この時に、同時に背中に切りつけられたとしたら、それは防ぎようがない。それは運命としか言いようがない。
受け入れざるを得ないことを、受け入れることこそが覚悟。運命とはそういうもの。それを恐れていてはなにも出来なくなる。
変えるべきで、変えることが出来ることには、精一杯、注力し、変えることが出来ないことは運命と受けれることこそがが覚悟。
「無刀の太刀、如何?」
「光線剣なき光線剣は成立するか?」その答えは「是。」であった。
光線剣を持たなくとも、瞬間に死力を尽くし、生死を超えた覚悟を持てば、光線剣を持つ必要もないということに、カンデンは気づいたのであった。
「恐れることなど何もない。」というボーア師の言葉の意味が、そのときカンデンにも初めて理解できた。




